うちのピアノ復活までのこと
30年ちかくのブランクを経てまたピアノを弾こうと思ったことについて、の前置き。
記録はしておきたいけど、あちこち書き散らかしているブログがあり、どこにしようかと迷いつつ時間が経ちましたが…どうせ雑記なのでここにします。
こどもの頃とピアノ歴
4歳から、大学に入るまでピアノを習っていました。
近所の年上の女の子の家にピアノがやってきて、それを見て自分もやりたいといって買ってもらったピアノはヤマハのYUX、昭和56年製です。
レッスンで与えられる練習曲にはあまり興味を持てず、いい生徒ではなかったと思います。でも、ピアノを弾くこと自体は好きでやめたいと思ったことはありませんでした。
とくに上手でもありませんでしたが、好きな曲の楽譜をたくさん買い込んで、先生に見せないでこっそり自己満足で弾く、というのばっかりやっていました。
やった教則本はこんな感じ
バイエル(黄色、下巻)
ピアノのテクニック(緑色の本)
ピアノの練習ABC(橙色の本)
ピアノの練習ラジリテー(黄色の本)
ソナチネアルバム1
当時のバイエル以降の定番コース、チェルニーやブルグミュラーは実はやっておらず…同学年のピアノ習っている友達とはあまり共通の話題はなかったです。
でも、ABCはきれいな曲が多くて好きでした。
大人になってから、たまに実家で弾いたり、一人暮らしの家に電子ピアノを衝動的に買って…ということもしましたが、弾かない時間が長くなるとパッと弾ける曲もなくなっていきます。ピアノは音の大きい楽器なので、たどたどしい演奏を家族や他人が聞いて苦痛だろうなと思うと音を出すのも怖くなりました。
弾きなれない電子ピアノで手を痛めてしまったりしたこともあって、弾きたくてももう弾ける曲がない、痛めるのが怖い…とだんだん遠ざかってしまったのでした。
ピアノは弾きたいけど習いにいくのは怖い
こども時代好き勝手に弾いてばかり、性格的にもほめて伸ばすというより「けなしたら絶対伸びない」というタイプでした。
当時の先生もこの性格を見抜いて、あまりやかましく言うことはせず、音楽的なアドバイスは最低限に、好きに弾かせる方針にしていてくれたのだなと今になっては思います。
そんな感じでやってきたので、ピアノが嫌いになることはなかったけれども、好き勝手に弾いていただけという引け目を感じるところがあり、いまさら新しく別の先生に習いに行って、全然ダメーと言われるのが怖くてしかたがありませんでした。知り合いのつてなどで相性のよさそうな先生に出会えないかなぁと思うだけで行動しないままどんどん月日が過ぎていきました。
家のピアノに触れる残り時間は限られる
日々にかまけて、自宅の電子ピアノもすっかり弾かないまま、実家のピアノも最後の調律から長い時間が経ちました。
そうこうしているうちに、実家のピアノどうするか問題。とても田舎で不便な実家には戻る予定がなくて(老後暮らしていける気がしない)、いつかは実家を処分する日がやってきます。
実家の母も、弾きはしないものの自分のピアノへの愛着はよく理解してくれていて、気を使い気味にピアノこの先どうしようかね、という感じでたまに話題になったりしていました。
自分のピアノが実家にいられるのは、親があと何年元気でいてくれるか次第。
わかっちゃいるけど、決断は先送り…
15年ぶりの調律依頼
今年のお盆を過ぎたころ、思い立って実家の母に電話をしました。
「家のピアノまた触りたくて調律お願いしたいんだけど…」
ここにきてまたピアノ触りたいと言ったのは意外だったようですが母は喜んでくれました。
それから、調律をどう進めるかをいろいろ検討しました。
こどもの頃は、調律はピアノの先生の弟さんに、先生経由でお願いしていました。習うのをやめてからは、数年おきに先生の自宅に電話をして、調律の依頼をしていました。直接依頼でないこと、年数が相手からの先生への連絡に少し気が引けること、こういうのが重なって調律の間隔もかなりあきがちになっていました。先生もお元気かどうかわからないし、調律師の弟さんも今も調律をしておられるのか。等々考えると連絡するのになかなか腰が上がらない。
そんなわけで今回は、近所の楽器店に問い合わせて、委託の調律師さんに取り次いでもらい、ついに15年ぶりに調律をしてもらうことに。楽器店経由であれば割高ではあっても面倒ごとはなさそうなので、ということでとんとん拍子に進んでいきました。
切れた「バットフレンジコード」
長年放置した間に、いろいろ問題が起きている可能性もありました。
確認したところ、88鍵とも、鍵盤はちゃんと動き、音もなりました。
もちろん、音程はかなり下がっていましたが、一律に下がっていて、音は悪いけれども弾けないこともない。
ただ、タッチというか、鍵盤の戻りがなんだか妙にカクカクとした動きで、弾きづらい。こんなに下手だったっけ・・・ってショックを受けるくらい。
楽器店に相談したときには、工場に運んで修理という場合も…という最悪パターンの説明もあり、その時はもう処分かなぁという話をしていましたが、調律師さんの事前に見積もりによれば、修理が必要なところはあるけれど、弾くのに問題はない状態ということでした。
うちのピアノはアップライトピアノで、構造上、弦をたたいた後のハンマーが元に戻るために必要な「バットフレンジコード」という紐状の部品あり、これが経年劣化しており交換が必要でした。タッチがおかしいと感じたのはこれのせいだったようです。
調律師さんが工房に持ち帰って修理して、調律の日に持ってきてもらえることになりました。昭和56年製のピアノが、初めてアクションをごっそり取り外しての修理。触っても音が出ないピアノ。入れ歯を外されたようでかわいそうでした…。
2024年9月23日、復活
まだまだ暑さの厳しい中、調律師さんが3時間ほどかけて弦合わせから調律までを行ってくれ、無事きれいな音がでるようになりました。
今回初めて最初から最後まで調律を見学しました。
調律師さんからも、全部見た人は初めてですと言われました。
うちは自分以外だれもピアノを弾く人がいなかったので、自分以外の人に弾かれるうちのピアノの音を初めて聞きました。
調律師さん自身も趣味でピアノ演奏をされるそうで、とても上手でした。自分の音とは違っておおらかで力強さのある音。
こどものころのピアノのレッスンは先生がうちに来てくれる方式だったので、よそのピアノはほとんど触ったことがありません。学校の音楽室のピアノくらい。
同じピアノでも人によってこんなにも音が違うのかと、本当に驚きました。
そろそろ本題に入りたいけど
30年ちかく腰が上がらなかったのに、どうして今頃、、というのはこの次に。
書くにも時間がかかり、それくらいなら練習に当てたい感じなのですが、、残しておきたいからちょこちょこ隙間を見つけて書いていきたいと思います。