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経営管理のシステム化を阻害するもの

私自身、経営管理の仕事を20年近くやっていて、たくさんの会社とお付き合いさせていただきましたが、この領域はなかなかシステム化が進まないなと感じることが多いです。
経営管理の仕事の中に「予実管理」がありますが、この業務を題材に、システム化が進まない原因と解決方法について考えてみたいと思います。


自社は特殊だと思っていること


まず1つ目の原因は、「自社は特殊なので、標準化されたシステムでは対応しきれない」と思っていることです。

多くの会社の予実管理を見てきた結果思うことは、「確かにそういう点があるのは理解できるが、逆に、多くの点では各社共に同じようなことをしている」、つまり、予実管理業務の大半が「標準化」できるということです。

各社ごとの特殊な点が存在することは否めないので、完全に標準化されたオペレーションを実施すれば良いと言っているわけではなく、①標準的なオペレーションモデルを理解した上で予実管理業務を構築している会社と、そうではなく、②ゼロから試行錯誤しながら悪戦苦闘してオリジナルの予実管理業務を構築している会社では大きな差が出てしまいます。

そういった「試行錯誤しながら悪戦苦闘すること」に時間や労力、お金などのリソースを費やすよりも、もっと付加価値のある領域にフォーカスしていく方が事業成長に資するはずです。

たとえば、私たちが開発しているクラウド型の経営管理システム「Scale Cloud」は、これまで私たちが培ってきたノウハウを盛り込みながら、予実管理業務において、その「精度がより高まる標準化」ができるように開発を進めていますし、また、利用者様が増えれば増えるほどそのノウハウも増え続けているので、より進化しやすい状態をつくれています。

一方で、上記②の状態であれば、予実管理業務の進化もその会社内でのノウハウのみに依存するので、結果として①のケースに比べて遅れをとり、いつの間にかレガシー化してしまっている状態に気づかないといったことにもなりかねません。
また、ゼロから誰かがエクセルなどで構築することになるので属人化もしやすくなります。これについては後ほどまた触れたいと思います。

もちろん「標準化」だけでなく「高付加価値化」のノウハウも盛り込みながらシステム開発を進めています。
「高付加価値化」の1つとして「KPIで予算達成度とその再現性を高める」をテーマとしており、その内容についてはこちらの記事をご覧ください。

「Scale Cloud」というSaaSを取り上げましたが、予実管理領域に限らず、それぞれの領域のノウハウが盛り込まれた素晴らしいSaaSはたくさんあります。
既存のオペレーションや習慣のまま、そのようなSaaSを自社なりにカスタマイズしすぎず、そのシステムに沿った標準的な活用方法やベストプラクティスに「乗っかってしまう」という選択肢を強くオススメします。

特に予実管理領域ではエクセル、またはGoogleスプレッドシート(以下、「エクセル等」)で業務を構築している会社がとても多いです。
エクセル等で構築された要素のすべてをシステムに載せ替えるのはとても難易度が高いし、また、載せ替えれたとしても高コストになってしまうでしょう。

とはいえ、何も変えなければ進化はないし、レガシー化して他社との「距離」が知らぬ間に広がっていってしまっているかもしれません。
ですので、エクセル等でやっていることが10あるとすれば、いきなりその10すべてをシステム化することは難しいとしても、まずは5でも6でも7でもシステム化して、運用しながら残りの部分のオペレーションを標準化していくというステップを踏んだ方がいいと思います。

繰り返しにはなりますが、標準化されている、または標準化できる領域で、オリジナリティを加えるのは賢明とはいえません
標準化すべきところとオリジナリティを持って差別化すべきところを見誤らないようにしましょう。

忙しいのでシステム化している余裕がないこと


「確かにシステム化したいのはやまやまだけど、毎日忙しくてなかなか手がつけられない」というケースもとても多いと思います。
それがシステム化を阻害する2つ目の要因です。

『7つの習慣』(著:スティーブン・R・コヴィー)の第2領域を思い出してください。

誰もが第1領域(重要かつ緊急)の仕事はすぐに取り掛かるでしょう。
一方で、第2領域(重要だけど緊急ではない)の仕事は後回しにしがちです。
日頃、第1領域の仕事に追われていると思いきや、よくよく考えてみたら、実は、第3領域(緊急だけど重要ではない)や第4領域(緊急でもないし重要でもない)の仕事に追われているかもしれません。

予実管理業務においても、現状、エクセル等で管理しているとすると、システム化という仕事は第2領域に入るケースが多いでしょう。
『7つの習慣』では、この第2領域こそが最優先で取り組むべき事項だと説いています。
その理由や方法論については書籍をご覧いただくか、または、Web上にも情報が溢れているのでここでは割愛します。

とにかく、どこかで頑張らないとずっとエクセル作業に追われてしまって高付加価値業務の時間を増やせません
しかも、そのエクセルは多くのケースでどんどん複雑化していくので、時間が経てば経つほどシステム化が大変になってしまうのでジリ貧になりがちです。
未来を変える最良の日は「今日」でしょう。

エクセル作業が仕事だと思っていること


もし、「エクセル作業が自分の仕事だ」と思っている人がいれば、「システム化してエクセル作業がなくなれば自分の仕事がなくなる」と思い、システム化に抵抗するかもしれません。
これがシステム化が進まない3つ目の要因です。

確かにエクセル作業も「仕事」ですが、決して「高付加価値の仕事」とは言えなケースの方が多いので、その人個人にとっても、「頑張り続けても社内での評価が上がる」というものではないことの方が多いでしょう。

また、そういった人の上長にあたる方にとっても、それに合わせて業務をまわしている状態は決して良くないはずです。
特に、エクセル作業が属人化してしまっていれば、退職したときに大変です。

このあたりのことは、特段ここで触れなくてもみなさまよくご存知のことかと思うのでこれくらいにしておきます。

経営管理の役割とは何か


さて、この記事では「経営管理のシステム化を阻害するもの」について書きましたが、そもそも経営管理の役割とは何でしょう?

各社各人各様かもしれませんが、私は「企業価値を高める経営参謀」だと思っています。
そのためにもシステム化できるところはシステム化して、(エクセル作業に追われず)高効率に、また(属人化させずに)継続的に、その役割を全うできるような「仕組み」をつくりあげましょう。

経営参謀としての役割についてはこちらの記事もご覧ください。

この記事がみなさまの業務をアップデートする1つのきっかけになれば嬉しいです。

当社では、予実管理の精度を高めるクラウドシステム「Scale Cloud」を提供しています。
一般的な予実管理システムとの違いは、①結果指標だけでなく先行指標のKPIも集約してPLの予実管理と紐付けられ、②KPIの設計と運用のコンサルティングサポートがついていて、③料金は2分の1以下(月額10万円から)です。
Scale Cloudが管理部と事業部の共通のプラットフォームとなり、予実の達成や未達成の要因がどの部門のどのKPIにあるのかの共通認識を持ちながら議論し、一緒に予算達成に向けてPDCAを促進することができます。
少しでも興味を持っていただけたら、ぜひWebサイトをのぞいてみてください。

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