SHANK/SPARK!!SOUND!!SHOW!! (2024.09.10) at 秋田 Club SWINDLE / 20th Anniversary Tour BRAND NEW OLD SHIT
SHANK周年ツアー東北シリーズ。青森、盛岡と終え、一日挟み東北の最後を締めるこの秋田公演の記録。対バンは青森・盛岡に引き続きスサシことSPARK!!SOUND!!SHOW!!。
定刻を5分ほど過ぎて場内が暗転。「Ladies and Gentlemens, welcome to SPARK!!SOUND!!SHOW!! Live........」とSEの『BRUSH UP remix』が流れ、次第に4人がステージに登場。
「SHANK、3本ありがとうございました!」というタナカユーキ(Vo, Gt)の挨拶も早々、「悪い子はいないか〜!」となまはげを模した言葉をフロアに投げかけ、自ら「SHANKのお友だち」と称し、1曲目は『†黒天使†』。1曲目の冒頭から客席最前ゼロ距離でギターを弾くタクマ(Syn, Gt, Cho)。そして、サビのシンガロングも1曲目にして早くもそのグルーヴ感は確かなもの。そして、『TV SHOW』、『SKIMMING ME!!』と立て続けに畳み掛けてゆく。
更にそのまま『JUNGLE BUN DEM』に雪崩れ込むと、中盤のブレイク箇所では、「カッコいいやつやるよ。ちっともダサくないから。」というタナカユーキの言葉を合図に、ドラムセットの定位置から抜け出したイチロック(Dr, Cho, 169)が袖からSHANKの早川尚希を連れてステージ中央に。そして、下手側からイチロック、早川、タナカユーキと並んでのダンスタイムがスタート。更には、タナカユーキの無茶振りからソロダンスパートを挟み、最後はイチロックのポーズを表情込みで華麗に決めて袖へ戻っていく早川。
「あんな最速で、あんなに誰よりもカッコ悪く踊れる尚希、そりゃSHANK入るわ!改めて尚希、SHANKに入ってくれてありがとうございます。これからよろしく。良い旅にしましょう。」(タナカユーキ)
と、早川への賛辞の言葉を送ったのち、曲はラストスパートへ。そしてバンドは更に『感電!』を投下。今度はタナカユーキがマイクスタンドごと客席側へ突入。まずは、天井とその下に伝ってる鉄パイプのわずかな隙間にマイクスタンドを挟み歌い上げると、サビでは観客の方にマイクを縦横無尽に向けていく。最後は、観客に支えられながらもロックスターポーズを決め、曲を歌い上げる。演奏後、「怖いここ、家帰らして。」とステージへ戻すよう促してステージへと戻ってゆく。
最初のMCでは、タナカユーキが桃鉄をやっていて、毎回秋田のなまはげにお金を取られることから、秋田が嫌いになりつつあるという話を。すかさず、チヨ(Ba, Cho)が、「でも街歩いてたらべっぴんさん歩いてるよ。」とフォローを入れると、「じゃあこれから秋田大好きになります!」と話す漢、タナカユーキ。
一変して盛岡でも伝えていたが、スサシが今年15周年を迎える中で、バンドとして1年を迎える前からSHANKはスサシと出会ってくれて、スサシの活動の90%もの時間を共に過ごしてきたことを話す。
そして改めて「尚希おめでとう、ありがとう。」と伝えると、そこから早川がイチロックのことを何故かわからないけど「木村拓哉」として見ているのではないか、と話すタナカユーキ。
「ずっとイチローのそばにいてバイブスをあげてくれる」ような存在だという早川がSHANKに加入したことで、「ここに来てSHANKと俺らの付き合い長いけど、ここに来てアナザーストーリー始まってます、イチロックと尚希の。」と突然のアナザーストーリー宣言も飛び出すほどにその親密性たるや。
そして、「じゃあそのLOVE伝えて次の曲行こう。」とタナカユーキが話すと、何故かイチロックは「尚希今夜3Pしようっ」と謎の3P宣言。もう1人誰やねん。
そんなMCから続いては『ダンザーラ』、そして、「尚希との旅が終わっちゃう。」と、もはやこの日のスサシのライブはSHANKどころか早川尚希1人に対してなのか、そんな言葉から『HAPPY BIRTH DIE』に突入。曲中、客席頭上に設置されてるミラーボールにライトが当てられ光り輝く場内。そして、サビの「yeah-yeah」では、「男鹿フェスの街、そんなもんですか?『yeah-yeah』っていうだけの簡単なお仕事」と諭すようなタナカユーキの煽りに口から「yeah-yeah」と出ずにはいられない。
また、この曲中に限らないが、フロアを見渡すチヨの表情は、時々まさに「泣く子はいねえか」と迫りくるなまはげのような力強さを感じる。
そのまま『踊らない』、『STEAL!!』とプレイすると、「ありがとうございました、SPARK!!SOUND!!SHOW!!でした!」と1人袖に捌けようとするタナカユーキ。しかし、すぐさま、「アンコール!アンコール!」とセルフアンコールをしながら。すぐさまステージ中央に戻ってくる。
そして最後のMCでは、前日のオフについても軽く触れる。
「移動するのに、ホテルの下に集合して車に乗った後のイチロックの一言目が『昨日楽しかった。』で、その後のタクマの一言目も『昨日楽しかったなあ。』で……。」(タナカユーキ)
と話すと、チヨがまた「小学生の感想みたい」とツッコミを入れる。それもそのはず、前日もオフにも関わらず、わんこそばの様子を一部リアルタイムでインスタライブしたり、ストーリーにスポッチャでの様子を上げてしまうほどにはその充実しているであろう様子が伺える。
「SHANKのお世話をしてるのは俺たちです。
SHANKの笑顔を作ってるのも俺たちです。」(タナカユーキ)
改めて3本振り返ったのち、このように言えるのもSHANKとスサシの間柄が確かなものである証拠であり、更には「この笑顔をずっと守っていこうな」と客席へ伝える。
「SHANK、3本ありがとうございました。
移動含め5日間最高に楽しかったです。
『旅』と書いて『パーティー』と呼べる日々。」
ラストに鳴らされたのは『still dreamin'』。
「ああこのまま ずっとそのまま......」と歌い始めるこの曲は、まるでこの東北シリーズの日々を回想するかのよう、そして最後それを体現するかのようにギターを掻き鳴らすタナカユーキの後ろ姿が忘れられない。
転換が終わり、ステージを緑と赤のライトが照らす中、SE「Backyard」が流れ、3人がステージに登場。
「SHANK始めます!」(庵原)
早川尚希(Dr)のドラムと松崎兵太(Gt, Cho)のピックスクラッチから一気に駆け抜けてゆくイントロ。この日の幕開けは『Long for the Blue moon』。そして、「皆、楽しんで帰ってって。」と庵原の言葉から2曲目は『Movie』。更に『Life is...』と続き、ラストのギターソロでは松崎がステージ中央前方まで駆け寄りそのギタープレイを見せつけると言わんばかりの姿は実に雄々しい。
「皆調子良さそうですね。20歳になりましたSHANKです。最後まで楽しんで帰ってって。」(庵原)
MCも程々に歌い始めたのは『Set the fire』。この曲は特にライブの終盤に配置されると、その日のライブの様子が走馬灯のように脳内を駆け巡るように感じるのだが、序盤に配置されればそれはそれでここから更に加速するぞ、というSHANKからの提示、合図を受けるかのように感じる。実際、ここからライブは更に勢いを増していく。
若干の間を置いて庵原が歌い始めたのは『Candy Cruise』。そして、庵原のタイトルコールから続くは、盛岡では即興でリクエストに応えプレイした『The One Second Future』。
次のMCでは、以前秋田に来た時の話に。前回は、G-FREAK FACTORYのツアーの対バンで来たこと。そして、「やっぱり東北に来るのは夏が良いですね。」と話しつつ、話題は男鹿フェスの話に。松崎のほうを見て「これ言って良いんかな?」と確認しつつも話し始める。
「SiMが(MAHの体調不良で)出れなくなったときに、実は連絡いただいてたんですよ。でも、『もう空港なんですみません』って断って出れなかったんですよね。」(庵原)
とまさかの裏エピソードを。ちなみに今年の男鹿フェス1日目の前日がこの周年ツアーの仙台公演だったということで連絡がいったであろうと思われる。
「都合のいい女みたいに扱っていただいてありがとうございます。いつでも股開けるように準備しておきます。」
と若干とは言えない皮肉を込めた例えで出演への望みを伝えたところで、「じゃあ夏来れなかったということで、夏を取り戻すために真夏の曲やります。」と『Midsummer's Wave』。この日随一と言って良いほどに色鮮やかな照明がステージを照らし、その照明からもどこか夏の昼間の様相を感じつつある。
続く『Departure』では、タイトルコール後にステージ中央前方で旅立ちの敬礼の如くポーズをした後、そのまま最前の観客とグータッチをかわす場面も。そのままもはや繋ぎの十八番『Two sweet coffees a day』、そして松崎のギターリフが冴えわたる『620』と続く。
次のMCでは、先ほどのスサシのライブ中にダンスで乱入した早川をいじる庵原。「もっと早く言ってくれたらもっと練習した」という早川に、「練習しても変わらん。センスの問題。」とバッサリ切り捨てる庵原。そして、スサシとのツアーが終わることへの寂しさを言葉にしつつ次の曲振りへと繋がってゆく。
「スサシと秋田県の全男性に送ります。男は飲んだあとでもやらなければならない時もある。そんなときは自分の息子に語りかけてあげてください。『Get it up, Get it up』と。」(庵原)
そんな曲振りから『Mind Games』。途中からは、今度はSHANKのステージに「Dance : イチロック」が乱入。一旦袖に捌けた…かと思えば再びステージに舞い戻り、そのまま曲の終わりまで見事なフリースタイルを決める。特にサビの『Get it up, Get it up』の所ではそのイチロックの振り(江頭2:50のドゥーンみたいなイメージ)が炸裂。
「あそこ見事に入ってたな。もうこの曲イチロックいないとやる気せんわ。今度ヘイスミとイチロックとコラボしましょう」と演奏後に庵原も笑いながら話すほどには、3人もツボに入っていたであろう。
今度は松崎がギターを一音鳴らし、庵原のタイトルコールから『Time is…』。曲中、なんと下手のスピーカーギリギリのところまでやってきてギターをプレイする松崎の姿がとても印象的。そして続く『Weather is Beautiful』。始まった瞬間にダイバーがステージ目がけて飛んでゆく光景は、もはやこの曲の欠かせない要素のひとつ。
次のMCでは、冒頭松崎が前日のオフでの出来事、主にスポッチャとフィリピンパブの話を。結末はお察しください。爆
「まさか35過ぎて男同士で寂しいなんて感情になると思わんよね。」(庵原)
と話すと客席から「可愛い!」の声が飛ぶ。しかし、すかさず「そんなん全然可愛くない。もっと汚いもん見せたろうか」と再びバッサリの庵原。
そして松崎のギターリフから『Knockin' on the door』。そして「アルバム「STEADY」から1曲やります、『Classic』!」とタイトルコールをし、次の曲『Classic』に入るも、残念ながら『Classic』が収録されているのは、「STEADY」ではなく、「Candy Cruise EP」。本人が気づいたかは定かではない…。この曲のギターソロも何度聴いても痺れる。そして間髪いれず『drama queen』へと雪崩れ込んでゆく。
「同じ港町出身のものとして、港町の歌を歌いたいと思います。」(庵原)
そういって歌い始めたのは『High Tide』。先ほどまでの雰囲気から一変、静まり返った場内に鳴り響く演奏がまた堪らない。更に続く『Silent Vibes』では、庵原のタイトルコールに歓声があがった。
そして『Silent Vibes』の終わりから雰囲気を一変させるかのように早川が叩き始めたリズム、そしてベースが庵原からスサシのチヨにバトンタッチされて演奏されるは無論、『Grimy window』。途中、チヨが松崎のほうへ駆け寄り、向かい合って楽器を演奏する場面もあれば、最後は庵原が両手でピースサインを作り、「What's so funny!」と絶唱。
演奏後、チヨが庵原のベースを持ったまま袖に捌けようとするので、すかさず「いや、ベース返してくださいよ」と庵原。そして、「どうしてそんな眼鏡似合うと?」とチヨがかけているサングラスに触れ、徐に庵原がかけてみると、「浅香光代や」とツッコミを入れる。しかし、「こっち見て!」の客席からの言葉に振り向く優しさも。
最終ブロック前のMCでは、「また東北が好きになりました。また必ず戻ってきます。秋田県のすべての人と、スサシのご多幸とご発展をお祈りして締めの言葉とさせていただきます。」となんとも終わりらしい言葉を投げ、「Peace!」という言葉からは『Wake Up Call』。そして『Love and Hate』、ラストは『Surface』、『submarine』の連打で本編は終了。
ほどなくして、アンコールの声にステージに戻ってくる3人。
「東京都にお住いのイチロックさんからのリクエストです。」という言葉から、アンコール1曲目は『Extreme』。イントロでは上手袖からイチロックが客席へとダイブを試みるも1回目は客席最前あたりで早々に沈んでしまい、2回目で客席の頭上をきれいに宙を舞っていた。
ライブはそのまま『Cigar Store』、そして庵原の「ラスト!」という言葉から『My Special Reason』へと雪崩れ込み、これで演奏終了......かと思いきや、松崎の大ジャンプを合図に正真正銘のラスト『BASIC』!。まさに駆け抜けるという言葉が相応しい、アンコール実に4曲を鳴らし、秋田公演の夜は幕を閉じた。
以下、個人的な話です。