SHANK/SPARK!!SOUND!!SHOW!! (2024.09.08) at 盛岡 Club Change WAVE / 20th Anniversary Tour BRAND NEW OLD SHIT
SHANKの周年ツアー、盛岡編の記録。ファイナルシリーズ手前、いわゆる小箱シリーズもこの盛岡を含め残り3本。7月に仙台公演はあったものの、まとまった東北シリーズとしては今ツアー初。
そして、今回の東北(青森・盛岡・秋田)の対バンはスサシことSPARK!!SOUND!!SHOW!!。個人的なことを書くと、スサシを観るのは2015年のBAYCAMP以来の実に9年振り。当時のスサシはTOKIOの「LOVE YOU ONLY」のカバーとか演ってた記憶がある。それにそもそもメンバーが変わっている。
定刻18:00になり、場内が暗転。まるでテーマパークのアトラクションで流れるかのようなその独特なSE。そして上手からメンバーがステージ上に登場。
「イチロックさん、二日酔いです!
皆さんが盛り上げないといけません。
SHANK、おめでとうございます!」
とタナカユーキ(Vo, Gt)が話し、1曲目は『HAPPY BIRTH DIE』。そして『踊らない』、『YELLOW』と続き、『YELLOW』ではタイトル通り黄色い照明が場内を照らしていく。そして勢いが収まることはなく、『しあわせになる』、『MILK』と早くも一気に5曲立て続けにプレイし、ライブそのものを駆け抜けてゆく。
最初のMCでは繰り返し、イチロックが二日酔いであることを話すも、「でも良いんです。明日はオフだし、もう半分曲終わってるし。」と何故か自分のことではないけれども開き直るのはタナカユーキ。
「SHANKのメンバーはフロアをうろついたりしないと思うんですけど、イチロックさんは稀にみるそのあたりをうろつく人なので、SHANKを祝いたい人がいれば、その気持ちをお酒に変えてイチロックさんに渡してあげてください。」(タナカユーキ)
「SHANK20周年ということで、このツアー、僕も祝う気持ち満々で来たんですけど、昨日の青森で将平さんが『全然祝わなくていい。祝われるためにやってない。』って言ってたので、皆さん祝わないでください。SHANKの言うことは絶対です。」(タナカユーキ)
と話すも、秒で「おめでとうございます」とチヨ(Ba, Cho)にぶった切られる。同時にチヨの口からスサシも15周年であることと、大阪と東京で周年イベントが開催されることも告げられる。
一転して両バンドの出会いについてタナカユーキが話を始める。
「SHANKは、俺らがまだデモCDもない、物販ゼロ状態の時に見つけてくれてツアーに誘ってくれた。それからここまでずっと一緒にいれて、15年のうち14年半はSHANKと一緒です。本当に感謝してます。」
と話し始めるも、「なので、俺らのことSHANKだと思ってくれて大丈夫です。」とツッコまずにはいられない、壮大なボケをかましてくるところも実に彼らしいところ。
「SHANKよりも偉い、SHANKに20年も続けさせた『音楽』に向けて1曲。」(タナカユーキ)
そう言って鳴らされたのは『アワーミュージック』。歌詞の途中、「20年」や「7人(スサシ4人+SHANK3人と思われる)」と歌詞をこの日ならではの言葉に変える場面もあり、この日にしか鳴らせない『アワーミュージック』が確かに鳴っていた。更に、曲中に「将平さんが祝わなくていいって言ってるから祝わなくていいと思う。ただ、感謝してる。」とタナカユーキは話していたが、「感謝」というワードがここで出てくるのはスサシだからだと思う。
「俺たち何度かメンバーが変わっていく中で、今の4人で演ってる時が一番かっこいいスサシをSHANKに見せれてると思う。そんなこの4人で最初に作った曲を。」(タナカユーキ)
と言ってプレイされたのは、『good sleep』。ここまでのライブの雰囲気とは一変し、青い照明の中でどこかメロウな雰囲気が場内を包んでゆく。更には、タナカユーキからのスマホライトの呼びかけに、場内の至る所からスマホライトが点灯し、照明の消えた場内を照らす光景は、この曲に間違いなくマッチしていた。「ちゃんとじっくり聴いてくれてありがとう」とは、曲終わりのタナカユーキの言葉。
「アオキタクマさん、いや、アオキakumaサンに1曲捧げます。」(タナカユーキ)
『good sleep』で出来上がった穏やかな雰囲気も束の間、上記のタナカユーキの言葉からタイトルコールされたのは『akuma』。そして間髪入れず、『南無』、『スサシのマーチ』と続き、曲終わりにはタナカユーキが手に持っていたマイクが宙を舞うほどの熱量の高さ。ラストの『BRUSH UP』ではイントロでタクマ(Syn, Gt, Cho)が客席にダイブ。凄まじい熱量の中、40分に及ぶスサシのライブは幕を閉じた。
この時点で場内は既に灼熱のフロアと化していた。そして転換を終え、場内が暗転。お馴染みのSE「Backyard」が流れ、薄暗く照らされたステージに松崎兵太(Gt, Cho)を筆頭に早川尚希(Dr)、庵原将平(Ba, Vo)の順にメンバーがステージに現れる。最初の松崎は舞台袖から松崎の定位置までの距離があまりに短く、かつ客席を向くこともなかった為、気づいていない、もしくは見えていない人もいたであろう。それは、早川が出てきた時に歓声が大きくなったことからも感じとれる。
「長崎SHANK、始めます!」(庵原)
オープニングを飾るのは『First Light Anthem』。序盤からステージ前方でフロアを煽る煽るフロント2人。そして間奏では、1曲目にして早くも被っていた帽子が脱げてしまうほどにアグレッシブなプレイを見せる松崎。そのプレイとサウンドに呼応すべきと早々にダイバーも前方目掛けて飛んでゆく。そして、曲終わりにピースサインを見せた庵原が間髪いれず『620』をタイトルコールし、2曲目に雪崩れ込む。
「すごいですね。皆さん息してますか?」
とフロアの勢いを見て徐に話す庵原。続けて、
「僕わかるんです。6曲目くらいになってみんなつまらなさそうな顔して疲れた様子になるのが。換気しながらやりましょう。酸素って大事なんですよ!!」
そして庵原が歌い始めた次の曲は『Weather is Beautiful』。歌い出しと競い合うかのように早々にダイバーも飛び出し、果たして先ほどの庵原の言葉とは?である。しかし、この曲で早々にフロアが反応しないわけがない。サンソガタリテナイ。
「改めまして長崎SHANKです。20周年やってますけど、祝ってもらおうなんて思ってません。もし、祝いたければイチロックにお酒を渡してあげてください。そして、こうしてお金と時間を割いてきてくれた皆さんが一番楽しんで帰ってください。」
続く『Set the fire』。曲中、常に笑顔な表情でドラムを叩いている早川の表情がとても印象的で忘れられない。続けて『Life is…』をプレイした後、「魔の6曲目がやってきました」という庵原の言葉から投下されたのは『Brandnew song』。曲終わりに「ブランニューありがとう!」と客席から声が飛び出すくらいには、待ってました感の強い1曲であったに違いない。そして、息のつく間も無く終わりまで駆け抜けていくこの曲はとにかく松崎がギターを弾き倒すイメージがあるし、冒頭の「魔の6曲目」という言葉は久々であるゆえに、庵原が庵原自身に向けて放った言葉かもしれない。
「いつ以来か忘れたくらいには久々に盛岡に来ました。この間にドラムが変わりまして、前のドラムはお酒の国へと帰りました、本職につきました。そして新しく尚希が入ってくれてバンドを続けることができてます。尚希、自己紹介くらいしといた方がいいんじゃない?」(庵原)
そして自己紹介なのか、何故か松崎がSHAM SHADEの「1/3の純情な感情」を弾きだし、早川が歌い始めようとしたところでステージ上にイチロックが乱入。その光景に爆笑し満足してしまった早川は歌うことなくこのコーナーも終了。そんな早川が次に叩き始めたリズムは『Karma』。そしてイントロでこの日随一と言っても過言ではないほどの激しいフラッシュの照明が印象的だった『Hope』が続き、曲の終わりには早川が椅子から立ち上がってガッツポーズを見せる場面も。
「続いては東京都よりお越しのイチロックさんからのリクエストです。」
という庵原の言葉からタイトルコールが続き、曲に入るところだったが、ステージ袖にいるイチロックといまいち嚙み合わなかったのか、「後で反省会な。」と袖に向けて伝えて始まったのは、イチロックからのリクエスト曲『Bright Side』。そして間髪入れず『TOP WATER』を投下。
次のMCでは、冒頭から松崎が話をし始める。青森でのライブ後、盛岡に移動し、飲んだ後の帰り道で女性を見かけるも、瞬間で消えてしまった、となんともホラーチックな展開の話……になるかと思えばオチはここには書くには勿体ない内容なので割愛させていただく。SNSで検索すれば出てくるであろうフ…。
「今の3人になって初めてレコーディングした曲を。」と言って鳴らされた『Mignight Glow』。シングルのジャケットを彷彿とさせるような青を基調とした照明がこの曲の雰囲気にぴったりだ。そして庵原の力強いタイトルコールから『Smash The Babylon』。1曲目ぶりにステージ中央前方まで駆け寄ってフロアを煽る庵原。そして雰囲気が一変した『#8』でもタイトルコールで歓声が上がる。
「暑くない?酸素ある?」と庵原がフロアに聞けば、「ない」と返事が返ってくるわけで、そんなフロアに対し、庵原の足元にあったサーキュレーターを徐に持ち上げ、フロアに向ける。そして、
「ROTTENGRAFFTYだったら『消せ、まだまだやれるやろ』って言われるぞ。家に帰ったらちゃんと報告してくださいね、「SHANK、優しかったです」って」とまた内容もないような内容を話したのち、「やっぱり歌っといたほうがいいんじゃない?」と再び早川に振る庵原。そして再度松崎が「1/3の純情な感情」を弾き始めれば、今度はイチロックが出てくることもなく、歌いきる早川。
「ギターソロ行こうか」という庵原の言葉から松崎が弾き始めたのは、『Knockin' on the door』。ラスサビ前の「La-lalala」のシンガロングもばっちり決まり、『Take Me Back』と緩急のある選曲が続き、『Take Me Back』から雪崩れ込むは『Good Night Darling』。
そして照明もあたらない暗い中で松崎が弾き始めたのは『Wall Ride』。更に『Departure』~『Two sweet coffees a day』と続き、『Departure』のタイトルコール時には、「あともうちょっとだぞ、みんな」と灼熱のフロアを鼓舞するかのように言葉を投げかける庵原。
そしてスサシと対バンする時はもはやお馴染みになりつつの『Grimy window』では、庵原に変わり、チヨがベースをプレイ。庵原はマイクスタンドごとステージ中央に移動し、ベースを弾くことから解放された伸び伸びとした姿がとても印象的。曲が終わり、チヨが庵原に「待ってますね。」と言葉を残してすぐさまステージを去ろうとするも、「待ってますね、の意図が全くわからないんですけど。あの、無視しないでもらえますか?(苦笑)」と庵原。
最終ブロック、「しばらく来ないうちにラブソングができました」とまずは『Sandpaper』。そして『Love and Hate』と哀愁漂う2曲が続き、本編ラストは『Movie』。歌い出し直前には、袖にいたイチロックがフロアへダイブ。その後ステージに戻った気配がなかったので、そのまま客席の中に消えていったであろう。その光景を他のスサシのメンバーも袖から眺めていた。そんな中SHANKのライブの本編が終了。
ほどなくして、アンコールに応えステージに戻ってくる3人。3人が各々の楽器をスタンバイする中で、客席からひたすらに「The One Second Future演ってください!!!!!」とリクエストを叫び続ける女性の声。庵原がその声と言葉の内容を確認し、「そこまで言われたら演るよ」と急遽のリクエストに応え、アンコール1曲目は『The One Second Future』。続けて、「Keep on! Keep on! 『Keep on Walking』!』と庵原の力強くタイトルコールから『Keep on Walking』、そして「バイバイ!」と『submarine』を投下しアンコールも終了……。かと思ったが、止まないワンモアの声に再度メンバーがステージに戻り、爆速シュートチューン『Stop the crap』を投下し、この日のライブに幕を閉じた。
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