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DOPING PANDA/the band apart (2024.09.16) at 札幌 PENNY LANE24 / mugendai CARNIVAL 2024 ~mellow fellow SAPPORO~

昨年に引き続き開催となったこのDOPING PANDA主催の「mugendai THE CARNIVAL」ツアー。昨年はワンマンで訪れたこの札幌だが、今年はサブタイトルに「mellow fellow SAPPORO」がつき、盟友the band apartとのツーマンライブでの開催となった。そもそも「mellow fellow」という企画は、ライブ本編でもYutaka Furukawa(Vo, Gt)も話していた通り、かつてこの2バンドが共同で開催していた企画であり、昨年21年ぶりに復活したものである。尚、札幌の翌週に行われる福岡公演も「mellow fellow FUKUOKA」と題したバンアパとのツーマン公演になっている。


定刻、SEもなく、暗転したステージに4人がゆっくりと現れ、各々の楽器をスタンバイ。やがて、『coral reef』からライブはスタート。そして『higher』『The Ninja』とここまで3曲をシームレスに立て続けに鳴らしていく様は聴いていてとにかく心地が良い。『The Ninja』では冒頭、真っ暗なステージの中、真っ赤なライトが原昌和(Ba, Cho)ただ一人を照らしつけ、その存在感、表情たるや。


最初のMCでは、DOPING PANDAのYutaka Furukawaがバンアパに対し「mellow fellowやろう」と説得なる勧誘がすごかったこと、そしたら今度は「スプリット出そう」と言われ、気がつけば「録音させられた」なんて荒井岳史(Vo, Gt)は言っていたが、このやりとりを聞くだけで、Furukawaのバンアパへの愛をひしひしと感じるし、逆に荒井の言葉ひとつひとつさえも盟友ゆえのリスペクトすら感じるほどである。


「じゃあそのEPの中から演奏したいと思います。」と荒井が話すと、DOPING PANDAのカバー『Crazy』から演奏は再開。今回のEPでは、互いの曲を1曲ずつカバーしたものが収録されている。ドーパンの曲の中からバンアパがチョイスしたのが、この『Crazy』。そして続くも同EPより『夢太郎』。「狂ったレインボー」と荒井が歌う中、確かに7色の虹色の照明がステージ上を照らし、そして本来であれば、このまま次の曲『夜の向こうへ』が始まるようだったが、木暮栄一(Dr)が話だし、何やら笑い出すステージ上。


「なんで笑ってるかというと、本来はここしゃべらないで、『夜の向こうへ』にそのままいくはずなんだけどしゃべっちゃった。この前ライブした時も同じ過ちをして、今日また同じことしちゃった。」(木暮)


と、まさかの2回続けてのハプニングだったようで、「よし!」と気合を入れなおしたところでいざ、『夜の向こうへ』


演奏後、「でね…」と今度こそ正しいタイミングで木暮が、前回札幌に来た時の席譲りのエピソードを話し始める。


飛行機に乗ると、最初、非常時に補助の役割が必要な座席に女性が座っていた。しかし、その女性がなぜかその補助の役割を拒否すると言い始め、木暮と席を変わることになった、という話。そして話は今回のライブ当日の移動の話に移り、空港からJRと地下鉄でこのペニーレーンまで来たという話に。やや混んでた地下鉄の車内で、『自分は健康な40代だから大丈夫』と立ってはいたものの、ようやく空いて席に座ったら、今度はベビーカー連れの女性がやってきて、秒で席を譲ったと。


そんなエピソード故に場内から拍手が発生するも、すかさず「こういう話を自分でするのは自分の行為を誇らしげに言ってるみたいでどうなんだ」と自分にツッコミを入れていた。そしてそんなMCの最中も立ち位置ゆえにステージ中央で表情を一切変えない川崎亘一(Gt)もさすがの一言。


最後はドーパンもEPでカバーした『DEKUNOBOY』『beautiful vanity』と2曲を畳みかけ、ライブのバトンをドーパンへと繋いだ。


《the band apart》
1.coral reef
2.higher
3.The Ninja

4.Crazy [DOPING PANDA]
5.夢太郎
6.夜の向こうへ

7.DEKUNOBOY
8.beautiful vanity


30分ほどの転換を挟んだのち、場内が暗転し、SEが流れる。Hayato Beat (Dr, Cho)を筆頭に、Taro Hojo (Ba)、そしてFurukawaとステージに登場。Hayatoはステージ中央で手に持っていた物販でも販売されているタオルを大きく掲げ、自らの位置へと向かう。


Furukawaが弾き始めたのは、『goodbye to the old me』。スプリットEP「MELLOW FELLOW」からの選曲でライブはスタート。続いては『beautiful survivor』、更には昨年発売されたアルバム「Doping Panda」から『Kiss my surrender』、そして痛快なロックチューン『Lost & Found』と4曲を鳴らしたところで、最初のMCに。


バンアパと一緒に札幌に来れたこと、そしてFurukawaが誰よりもこの日を楽しみにしていたことが、言葉以上にその全身から溢れ伝わってくる。


「僻みあったりなんてことはないけど、強いて言うなら……バンアパをぶっつぶしに来ました。」


と話すも、すかさず「そんなことはなく、HAPPYに最後までよろしく。」と話すFurukawa。更に、「今日は当然、バンアパとのセッション、EPの曲も世界初披露でやりますよ。皆さんがその生き証人です。」と、ますます特別な夜になることを感じずにはいられないFurukawaの言葉に期待が膨らむばかり。


そのEPに収録されているナンバー『DEKUNOBOY』から演奏は再開。このEPでドーパンがカバーするにあたり選曲したのがこの『DEKUNOBOY』。この日のライブでは、カバーした曲・された曲を両バンドそれぞれで2曲とも演奏していたので、この『DEKUNOBOY』と『Crazy』に関してはこの夜だけで2回ずつ聴けてしまうという、それだけでも特別な夜であることに違いないだろう。


続く『Moralist』を演奏し終えると、この曲を作曲していた当時のことを振り返り、「バンアパのデモテープを聴いた時からもう釘付けだった。あの頃はもうとにかく、バンアパ、バンアパ、バンアパだった」と語るFurukawa。そして、ドーパンはメジャーへと道を進んでいったが、そのままインディーズに残っていたバンアパに対し、「俺たちはバンアパには負けないつもりだけど、バンアパにも俺らには負けないでいてほしい」関係だったと。そして、そのような関係こそ「ライバル」なのではないかと語るFurukawa。冒頭のMCも「ライバル」であるからこそ出てくる表現であると思うし、繰り返しにはなるが、この日のFurukawaのバンアパへの言葉は、このMCに限らずまっすぐな愛の言葉で満ち溢れていたと思う。


そしてここまで真面目なMCをしていたのは、「ここから無限大な何かしらが始まるから今のうちに話しておかないといけない。」と続くブロックが、あれであることを予言するかのFurukawaの言葉。


そしてその無限大の何かしらが始まる前に、物販についての話が。X(旧Twitter)でも告知されていたが、この日からHayatoデザインによる「THE "mellow fellow" BAND T-Shirts」が発売されているのだが、このTシャツ、通常作成されている物販の品々とは扱いが異なり、なんとHayatoのポケットマネーで作成、販売まで至っていることがHayatoの口から話される。ゆえに、通常の物販とわけて販売を行うことになり、ゆえにHayatoによる手売りが行われていることなのだとか。実際、終演後に物販スペースを覗いてみると、本当にTシャツを手売りしているHayatoの姿があった。


そんな裏話が終わったところで、無限大な何かしら、いや、「無限大ダンスタイム」へ突入していく。まず初めを飾るのは、昨年発表されたFurukawa曰く”2番目に新しい曲"である『THE PROMISE』。そして、『The Fire』『Imagine』と続き、『Hi-Fi』の間奏では、「皆、いいもん見せてやる。I'm a ロックスター!」とギターソロへ突入。続く『Transient Happiness』では、今度はギターソロを弾き終えると、ギターを頭上で高く掲げたのち、今度は客席を煽る煽る。更に、「無限大ダンスタイム」というサンプリングの声から『beat addiction』へとなだれ込み、このダンスタイムを締めくくるナンバーは『MIRACLE』


ちなみに、この無限大ダンスタイムの間でも、Furukawaはバンアパとのやりとりをねじ込んでくる。「『行くぞ!』と煽ると、荒井と木暮は必ず『どこに』って言ってくる」とは、『beat addiction』前のFurukawaの言葉。


最後の曲を演奏する前にFurukawaが話し始める。


「今年でいわゆる「復活後」の活動は最後にする。来年からは、もうあたかも当たり前のようにDOPING PANDAがいるように活動をしていく。」


「活動を再開してから3年目になるが、いまでも、『ただいま』を言い過ぎてる俺らがいるし、『おかえり』を言い過ぎてるお前らもいる。3年というのはひとつの区切り(中学校・高校のくだり割愛)だし、今年はイチさん(LOW IQ 01)とツアーも周れてるし、ACIDMANともツアーファイナルを行えたりと、良い3年目を過ごせているので、来年以降は当たり前のようにDOPING PANDAが活動しているように動いていく」ことを強く宣言した。


「一旦この曲で締めます。けれども、このあとバンアパとのセッションもやります。みんなわかるでしょ?このアンコールが絶対ある感じ。」


とライブの冒頭でも話してはいたものの、自らアンコールがあることをさらっと話し、ある種の期待感のようなものを持たせたところで本編最後に『Crazy』をプレイし本編に幕を閉じた。


袖へと捌ける際、Hayatoは某気〇團の名曲のセリフを用いて「俺んとこ、来ないか?」と恐らくは物販をアピールし、ステージを後にしていた。


機材の準備もあり、少し長めのインターバルを挟み、まずはドーパンの3人がステージに戻ってくる。Furukawaは、徐に荒井のマイクスタンドで話し始めるも、「あいつ(荒井)こんなに高いのかよ…」とその身長とマイクスタンドの高さに苦笑いしつつ、ステージへとバンアパの4人を召喚。


荒井に「MELLOW FELLOWの制作秘話でも話したら?」と振られるも、何故か「物販でこのEPのCDを買えば、ドーパン3人のサイン入りのポストカードがついてくるので買って帰って」と、宣伝をし始めるFurukawa。しかし、その話し始めが、「今日ここにはサブスクだけで聴いて乗り込んで来たやつもいると思うけど…」とこれまたロックスターらしい毒づきから話を始めていたあたりも実にFurukawaらしい。


そして、「じゃあとりあえずやってみよう」のFurukawaの言葉を合図に演奏が始まったのは、世界初披露の『MELLOW FELLOW』。尚7人の配置は、上手から原(Gt)、Furukawa、荒井、川崎、Taroの配置で、『MELLOW FELLOW』でドラムを叩いたのはHayato。そして木暮はというと、一応定位置は川崎とTaroの間みたいだが、タンバリンを手にステージ上を右往左往。曲の冒頭では客席最前へと降りる場面も。続く『SEE YOU』では、ドラムがHayatoから木暮にバトンタッチし、Hayatoのドラムセットで木暮がドラムを叩いてゆく。そして「It's time to leave this place」という歌詞の如く、演奏を終えた7人はゆっくりとステージを後にし、このmellow fellow 札幌編は幕を閉じた。


DOPING PANDA
"mugendai THE CARNIVAL 2024 ~mellow fellow SAPPORO~"
2024.09.16 札幌 PENNY LANE24
w/the band apart

SetList
1.goodbye to the old me
2.beautiful survivor
3.Kiss my surrender
4.Lost & Found

5.DEKUNOBOY [the band apart]
6.Moralist

7.THE PROMISE
8.The Fire
9.Imagine
10.Hi-Fi
11.Transient Happiness
12.beat addiction
13.MIRACLE

14.Miracle

Encore
15.MELLOW FELLOW (with the band apart)
16.SEE YOU (with the band apart)

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