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武道における気功の効用(単なるフラシーボ効果としても学ぶ価値あり)

はじめに

私はスポーツチャンバラを始める前に、長年、中国武術を学びました。その関係で、気功も結構やりましたが、「気功」と聞くと、どんな印象を受けるでしょうか。なんか怪しい、自己催眠、フラシーボ効果といったネガティブな印象が少なくないかも知れません。でも、自分の経験から気功は武道を稽古する上で、少なくとも、無くてもやって行けるけど、あった方が良いとは言えるだけの効用があります。その具体的な効用とはどんなものか、説明したいと思います。

効果1 正しい動作が確認しやすくなる

気功をある程度鍛錬すると、まず、手に感電したようなピリピリとした感覚が得られ、練度が上がると、体全身に何かが流れる感覚が得られます。こうした感覚を保ちながら武道の型を演じてみると、それが、理にかなった動きであれば、非常に気持ちよく自分の体の中を気が流れる感覚が得られます。気という言葉を使わなければ、自分の体の内部感覚に敏感になると言えます。そのため、型を学ぶ際に外見的に上級者の形を真似するだけではなく、自分の内部感覚を頼りに理に適った動きをできるようになります。

効果2 打たれ強くなる

気功の鍛錬を進めると、多くの場合、丹田を作っていくことになります。丹田に気を集める感覚が養われると、腹筋をしめずに腹圧を上げることで少々の打撃に耐えられるようになります。腹圧をあげるとお腹がポッコリと膨らみますが、その状態で腹が硬くなります。私も良くこの鍛錬をしていた頃は、素人相手ならば、いくら腹に突き蹴りを打たせても大丈夫でした。

効果3 防御能力が高まる

対戦に意識が集中しているときは、自分の体の中の気の流ればかりでなく、相手から出る気を感じることがあります。すると、相手の動きは目で捉えるばかりではなく、皮膚感覚でも捉えられます。すると、当然、目で追うばかりよりも防御の成功率が上がります。もっとも、こういう感覚は別に気功を鍛錬しなくても、意識もせずに使っている人々もいます。ただ、意識的にこうした感覚を伸ばした方が上達は早いと思います。また、断っておきたいのですが、気の感覚が分かって防御するならば、相手の攻撃が一切当たらないということではありません。気の感覚が分かったところで、やはり、上手なフェイントや機を得た攻撃はもらいます。

まとめ

気功というと、インチキと断定する人、それとは逆に、神秘的で絶対的なものとして憧れる人などが少なくありません。ところが、現実はその中間で、気功も筋トレと同じようにある程度の効果が期待できる鍛錬法の一種に過ぎません。また、気功をやれば楽に武道で強くなれるというものでもありません。実際にスパーリングを稽古することにプラスアルファーとして気功を実践すれば、少し、上達が早くなるといったところです。

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