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ケニアの食卓 カジュアルな朝食、マンダジ

はじめに

30年近く、アジアとアフリカを舞台に、国際協力という仕事をしていましたが、最後は、去年まで3年間赴任したケニアでした。ケニアには以前にも3年間赴任したことがあり、通算6年間、母国日本以外で最も長く滞在した国です。そのため、思い出が沢山あり、その中には毎日のことである食の思い出も大きな部分を占めています。そして、近年はスマホの発達で、いつもカメラを持ち歩いている状態なので、食べることが好きな私は、ほぼ毎食を撮影しています。そこで、3年間で撮り溜めたケニアの食卓を紹介したいと思います。

1日に食事をとる配分

色々な国に行ってみると、食事の内容ばかりではなく、1日にどんな配分で食事を取るかもお国柄があることが分かります。日本では、朝食、昼食、夕食の3食が基本で、朝食と夕食は人や過程によって時間的なばらつきがありますが、大抵、朝食は午前7時ごろ、昼食は正午12時、夕食は午後7時ごろが模範的な日本人の食事ではないでしょうか。覚えている限りでパキスタンとケニアでは、一般的な朝食はお茶とパンぐらいの軽いもので、お腹が空くと午前中のティータイムにおやつを食べて、昼食は午後1時が定時でした。そして、午後3時に、また、ティータイムがあって、夕飯は遅い時間にドカット食べるのが標準的なようです。

カジュアルなカフェの朝食

ナイロビにはたくさんのカフェがあり、大抵のカフェは朝から営業して朝食を提供します。この辺の事情は日本とあまり変わりませんが、ケニアの方が一口にカフェといってもピンからキリまであります。ホテルやショッピングモールにあるカフェは質的にも値段でも日本にあるカフェと大差がありません。一方で、街角にはとても庶民的なカフェもあって、そうした店は凝った内装もなく、素朴な飲食だけが供されます。値段も、もちろん、日本ではあり得ないリーズナブルなものです。そうしたカフェの朝食の定番は、「マンダジ」と呼ばれる揚げパンです。

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マンダジとミルクティー

普通のマンダジは3角形で、中が空洞になって膨らんでいます。朝、早いうちにカフェにゆくと、厨房ではマンダジを揚げているので、作り立てがもらえます。屋台のような小さなカフェだと、朝食はマンダジしかないため、注文を受けてから作られるので、常に揚げたてが食べられます。少し、良いカフェは、朝のうちにマンダジを作り置きするので、朝早く食べにゆくのが美味しいところをいただくコツです。味はドーナッツのようですが、ドーナッツほど甘くなく、厚さはクレープ程度ですが、食感はクレープと違いサクッとしています。そして、マンダジの供は何といってもミルクティーです。日本ではフレンチの影響でレモンティーも一般的ですが、イギリス植民地を経験したケニアで紅茶と言えばミルクティーです。普通、ケニアの人はマグカップに注がれたミルクティーに大さじ3〜4杯ほどの砂糖を入れて飲みます。まあ、私は砂糖を入れなかったり、1杯程度にしておきます。

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ケニアのオムレツ

マンダジとミルクティーだけで朝食をすます人も多いようですが、それだけではもの足りないので、卵料理を頼む人もいます。そして、よく通ったカジュアルなカフェではオムレツが人気でした。ただ、ケニアのオムレツは日本人が思い描くものとは違い、フワッとした質感はなくて薄く、日本人にとっては薄焼き卵と呼びたくなるものです。それでも、ホテルの朝食であれば、スパニッシュ・オムレツと頼めば、野菜の微塵切りが入ったものが出てくるので、それはオムレツと納得できます。でも、カジュアルなところでは、本当に卵の薄焼きだけで、これに塩をかけて食べます。日本人にとってのオムレツを期待しなければ、これはこれで素朴な美味しい卵料理です。特に、素朴なマンダジとミルクティーには最高のコンビネーションと言えます。

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まとめ

今回も、伝統的で素朴なケニア料理を紹介しました。ただ、ケニアも、日々、発展しているので、私が最初にケニアに住んだ20年前と比べると、ケニアの一般の人の食文化も広がっています。そのため、ケニア料理は素朴かというと、伝統的にはそうだけれど、手の込んだ料理も増えてきています。料理には流行もあり、また、以前は欧米系やインド系の人だけに食べられていた料理が、一般のケニア人に広まったりと、時代による食文化の変化があります。次回以降は、そうしたケニアの食文化の新しい動きについても紹介して行きたいと思います。


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