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#13.私が弁理士試験合格に5年かかった理由

 よく弁理士試験を1発合格した体験記をブログ等に投稿してる優秀な方がいらっしゃると思いますが、私は合格したものの5回も受験しました。

 今日はその体験を活かして、やや自虐的に受験生時代を振り返ることにより、これから弁理士を目指す皆さんのお役に立てればいいなと思い投稿します。

 ちなみに今年の弁理士試験の日程は、まだ以下のリンク程度の情報しか開示されていません。受験生の皆さんは不安もあると思いますが、頑張ってほしいです。

1.私が弁理士を目指した理由

 まず、私が弁理士受験を受けようと思った動機を説明します。私はメーカーの材料の本社研究部門に所属してました。結婚し30歳となり妻が妊娠したタイミングで、急に今の研究テーマが終わったらどうなるんだろ?と将来に不安を感じました。

 そこで何か資格でも取ろうと思い、辿り着いたのが弁理士でした。部門内で特許リーダーをやっていて、ちょうど他社特許読みをしないといけない時期で特許の無効理由を調べたりしているという事情もありました。特許が好きだったし、知財や社内弁理士に憧れがありました。

 受験生の合格率を知り、この資格の難しさをすぐに知りました。ただいつか合格すれば、自分が行く道を迷った時に保険の一つになるかな?と思い勉強を開始しました。保険って言っても今考えると無茶苦茶で、「資格あれば定年後に特許事務所入れるかな?」「資格あれば定年後に知財部で再雇用されるかな?」程度のノリでした。

2.独学で勉強を開始した

 弁理士受験生の多くは予備校に入り、1年から2年で合格するためにレギュラー通学をしてると思います。私は授業料の高さ、毎週予備校に通い家族との時間がなくなることに躊躇い、エレメンツ、法文集、過去問を購入し独学で勉強を開始しました。

 1回目の受験は、上記に加えて短答模試を2回受けて受験。29点という結果に、もう少し頑張ればイケるかな?と手応えを掴みました。

3.勉強してることは会社に内緒だった

 少しずつ勉強にのめり込み、Tの通信講座を開始しました。ただ、勉強してることは開発の仲間にも、知財の知り合いの方にも黙ったままでした。開発をいつか辞めるつもりであることがバレたくなかったからです。ちょうど主任への昇進争いが始まったタイミングだったからです。たまに学生時代の友人との飲み会で勉強してることを明かしてましたが、受験仲間はいませんでした。

4.落ちたら諦めるつもりだった

 2回目の受験は31点しか取れませんでした。お金も少し投資し、時間も投入したのに1年間の成果はたった+2点だったのか!?と自分に絶望しました。妻からも「この試験は頑張ればホントに受かる試験なの?」と詰問されました。

 ただ、この頃は本業が順調だったため、次ダメだったら開発の仕事続ければいいや!と考えていました。

5.3年間短答式の対策しかしなかった

 3年目もTにお金を払いました。ただ、またしても短答式対策のみ。あとは法改正のスポット講座に課金。この年は今振り返っても2年目より勉強していなかった気がします。でも3年目は短答式で43点を取りました。個数問題で偶然2点取るという運もありました。この年落ちたら受験から撤退するつもりでしたので火事場のクソ力でした。でも、論文はノー勉でしたから、当然ながら論文試験は無残な結果に。。

 そのタイミングで、本業は、本社部門の予算削減を受け、開発部隊の事業部吸収やメカ部門との合併の話題がチラホラと。

6.本気で受かりたいと思える日がやっと来た

 2回目の論文はTの小松先生の答練を自宅で受けました。勉強は順調で模試で上位25%に入る回も数回ありました。これはイケるかもと思ったときに、本業でメカ部門への異動が決定しメンタルが不安定に。

 結果、2回目の論文は平均52.5という結果。あと1.5点だったか!と悔しがってるときに、異動したメカ部門が事業部に吸収されるという噂が駆け巡りました。自分の会社の未来が暗い事業部に行く気はさらさらなかったので、ここで異動願いを出し、知財部に異動をしました。

 異動に際して開発の仲間に弁理士を目指してることを打ち明け、三振できないぞ!と強い気持ちを持てるようになりました。知財に行けば、35のオールドルーキーに対し、弁理士の勉強してるならプレゼンスを高めるために絶対に資格を取った方がよい!と発破をかけられ、足掛け5年で、やっと多くの受験生の本気のレベルに追いつけました。弁理士受験に絶対合格すると胸を張って言えるようになりました。

7.絶対に負けられない戦い

 落ちたら三振、色んな人にも落ちたことがバレる。快く送り出してくれた人達、資格取れば色んな仕事を振ると約束してくれた上司、土日のどちらかを勉強に集中させてくれた妻と妻の両親、そして自分のために、5回目の受験は気合いが違いました。

 追い詰められ口述試験の前日は腕がストレスで上がらなくなりましたが、何とか合格し、今に至っております。


 この資格をどれだけ取りたいか?取りたい気持ちが強いならば、多くの早期合格者がどういう講座を取って、どう勉強したか?を調べて、あとは自分のやり方を信じて勉強に邁進してください。

 そうすれば私のように5回も受けなくても弁理士の資格は取れると思います。受験生の皆さん、頑張ってください!

記事を読んでいただきありがとうございました。 支援をいただければ、また新しい記事を書くモチベーションに繋がります。よろしくお願いします。