タットん、ティアが押し入れから降りてきて、僕の方を見る、 「まだ飛行機の轟々は止んでないけど、大丈夫なの？」
外はすっかり暗いから、普段の首輪を外すと、ふっと首を伸ばす、LEDで光る首輪を装着。 「はい、準備OK」
とたんに、長い尾をつんっと立てて階段をすったかすったか 尾の先がゆらゆらゆらりん♪ 階段を降りきる一段手前で、僕を見上げ 「爺、遅い」
廊下のLEDを点けて、簾に顔を突っ込んでいる猫を見ながら、ロックを外す、 ぶはっとドアを開けると、センサーが反応して玄関灯が白色光色に ぼんやり灯り、 ティアがととっと飛び出すと白色の防犯灯も点いては消える。
ぎょおおおおおんんっ 空を飛行機が滑ってくる 西南と東南 ルートが２つみたいで、けっこうひっきりなし、管制で高度の指定もするのか、微妙に大きさが変わる。 一番大きくて煩いのは手のひら大、小さいのは胴体が指くらい、それにウィング。
会社によって飛行灯が違うみたい、どれもボディに２つ？ ウィングの先に１つずつ、 どれかは、必ず赤色。 西新宿の高層ビルを掠めるように、南西の羽田を目指していく、まだ、ギアダウンしている機首のタイヤが見える。
風が髪を揺らすくらい、ティアが怖がるほどじゃない、風の強さや風向きで、飛行機が頭の上を飛ぶ日、飛ばない日が出来るのかしらん。
空を見上げていたら、だんだんに暗くなってきて、飛行機のちかちか灯が綺麗に見える。 キジトラのティアは保護色で闇に溶け込んで、首輪のLEDが無いと、発見は難しい
暗がりで、何をするわけでもない、ホルスタイン柄の外猫くんが 当王国に侵入しないか、庭の隅々を警戒、 フェンスに張り付いては前足を乗せて、外を覗いている。 夜でも飛ぶ鳥の声を聞くと走り出し、 飛行に着いていく。 仔猫のころは、そのまま道路に飛び出し、隣家のベランダに飛び込んだりしたけれど、 成長したのか、僕のそばを離れず、外へ行きたい時も、着いてこいと、振り返り振り返り。
後は髭に風を受けて、何かをじっと見ている。 暗いと写真を撮るわけにも行かず、僕もじっとしている、 猫独特の動きを見つめて、風に吹かれ、頭の上を双発のジェット旅客機が飛んでいる。
ティアが楽しんでいる、 何ものにも代えがたい時間。 僕も楽しい、そしてぼぉっとしている、 意識が半分、深層意識へ出かけている。
この文章も、今日の夕方の散歩の時に、言葉が浮かんできて、思い出し出し、キーボードを打っている。 これが気に入ってるキーボードじゃないと、打つ端から言葉が消えていくのだけど、 ロジクールのBluetoothキーボードは丸いキーボードと独特のタッチが気に入っていて、言葉を喪失することはない。 それどころかタッチのスタッカートがリズムを刻むと、どんどん言葉が溢れてくる。
介護のブログにも書いた、末妹のノン子に、それはそれは理不尽をされている、 ただ、話し合いに応じようとせず、メールで罵ってくるのみなのだが、言うことが無知蒙昧すぎて、とても50過ぎの大人とは思えず、 僕は一切の手続きから手を引くことに決めた。 文句を言うなら、自分でやれば良いし、僕が不正を行っていると言うならば、 正すように訴訟なりとすれば良い、 先日、僕の方から内容証明を送付したら、 脅されたと騒いでいる。 同じ両親に創造された筈なのだが、DNAの配合が違うのかしらんｗ
一切無視することにした、他の姉妹にも影響があるけれど、 なぁに 皆大人だから、自分で何とかすれば良い。
惨子、ヤンコ、ノン子に押し付けられた介護をトン子と2人で全うし、父を送り、 遣り方が気に入らないと いちゃもんを着けられている。
自分達では、社会的な手続きもできず、税金の申告も間違え、トンチンカンをして、損害が出たとか出ないとか 知らんがなｗ 僕は一切質問すら受けていない。 かき混ぜて糸をこんがらがせた者が 解けば良いのだ。
当初、こちらから訴訟と思ったけれど、なんで、介護が終わってまで、僕が手を煩わせなければいけないのかと思ったら、馬鹿らしくなった、 奴らは人に何かを押し付け、してもらって当たり前どころか、 それにいちゃもんを着けるのが常だったと こんな年寄に成ってから思い出しているｗ
もうね、ティアが救いなのさ
飛行機の音に慣れて、暗闇で鳥を追い、かすかに残る狸の匂い、外猫の気配に、 必死で遊んでいる。
猫の動きは 犬と違う意味で美しい、自由で無駄がなく、 まるで踊るようで 見ているだけでインスピレーションが降りてくる。 生きていて良いんだ、この子を自分の命1つだけ守るのが、これからの僕が生きている意味だと、 整理してしまうと、すごく気持ちが楽で、ホッとする。
ねえ 入ろうか そろそろ羽田便も終わりだよｗ 今日も巨人がスコボコにされているみたいｗ 王さんが鍛え上げたホークスに いつになったら勝てるかしら、 でも きっといつかは、勝てる巨人になると思うの。 今起きている事象に ひとつひとついらいらしないで、先も見て、 それで今を大事に生きよう。 楽しい先へ行くために今を大切に、ティアを慈しんで生きていくの
感情は脊髄反射に使わない、 そうしなきゃ危ないならともかく（笑） とりあえず、悪い感情はファイリングして、 何が原因か分析、 対応をシミュレーション、 結果を予測、 いくつか困難も想定。 最後は絶対大丈夫と信じ込む。
だって、僕には愛しい命が居るもの、 負けるようには創られていない。
どんなになっても 愛しいって思える時間が長いほうが勝ち（笑）
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