見出し画像

湯船で顔を洗っていた、娘達が初詣に行く前に入浴したらしい、2時間も水に浸かったり出たりだったから、気づかずに身体が冷え切ったらしい、歳を取ると皮膚が暑い寒いを感じなく成ると言うが、なる程、歳を食ったなと嘲笑う。 筋トレは欠かさないけど、やっぱり下腹が弛んできている、普通に飯を食い、酒を減らして老いに逆らっているけど、上手く言っているのだろうか?

前年、20歳ちょっと生きたミケが死んだ、何軒も獣医を回ったが、老衰で仕方ないと言われ、必死に栄養食を食わせるくらいしか出来なかった。   普段3kgが1,600gまで痩せ細り、食えなくなって息を引き取った。

猫、犬は人より、業が浅いから寿命が短く苦しみも少ないと言う、
次女が学童クラブに預けられなくなって、一緒に居てもらうために迎えたジョナサンも老犬になって、川に落ちるくらい衰えた。

もっと衰えている奴からSOSが来た。
正確には奴を看ていると称していた、僕の末の妹からだ。

ジョナサンと正月の寒中水泳をしてから7日後、10年ぶりくらいの電話。 僕の妹は四姉妹、三女と四女が双子だ、僕と末とは一回り離れている。
「お兄ちゃん?」
四女・末っ子のノン子は久しぶりも無しに長女惨子の悪口を言い出した、如何にマウントばかりしてきて、偉そうで馬鹿で、その合間に、惨子が父の面倒を看ると称して、通い、何かと金目の物を持ち出している事、今回は有田白磁のどんぶりを持ち出した、それを指摘したら、名誉毀損で訴えると言われたと。

母は世紀が代わる前に身罷った、15年前の話だ。 その時、僕は父と揉めて、絶縁していた、東北・関東地震の時も様子を見に山手通りの内側まで、電車が動いてから、訪ねたが、門の扉の向こうで犬を追い払う仕草をされた僕の頭には父の記憶が無いし、気が進まない、断った。

「トン子も来るから、来てよ」
これで、のこのこ常磐線に乗ってしまったのが運の尽きだった。

地下鉄を上がって、実家へ向かう。わざわざ旭ヘーベルの建屋をぶっ壊して、立てた田舎臭い、スカシ倒した建屋。 母の死後、父にべったりだった、惨子がハウスメーカーに指示をして、建てた家、将来の介護を見据えてと惨子は言うが、エレベーターが有るだけで、段差は有るは、父の居室は3階だわで、やっぱり頭悪い、こいつ。


父が豚カッパと呼んだ、姉妹で一番ブサイク(雰囲気)が目の前に居た。
僕の顔を見ると鼻の穴を膨らませて、何やら訴えている、ノン子も何か言っているが、どーでも良い。

ノン子が言うように、有田白磁の丼は、油ものの中華でも盛ったのか、やや茶色に変色し、厚手のビニールの中に収まっていたが、一緒にブチネコの毛が出てきた。

惨子が持ち帰り、ノン子に言われて戻したのだろう。

次女のトン子はやり取りを黙ってみていた。
「使ったでしょ? でもって帰ってきた」
「違うもんっ」
アラフィフどころか あら60のおばさんが鼻を膨らませる、醜い、昔イケメンの父と、別嬪の母のDNAを混ぜた僕たち兄弟だけど、DNAの配合を、どの様に変えると、こんなに不細工になるのだろう。

いいなと思ったら応援しよう!

紅=猫の瞳に恋する執事 Ti amo♡ #キジトラ #note #小説 #エッセイ #猫がいる幸せ
お邪魔でなければ、サポートをお願いします。 本日はおいでいただき、誠にありがとうございます。