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ズブロッカ蒸留所探訪


BenFiddich店主の鹿山です。

クマリンの香気成分があるズブロッカ草(バイソングラス)で香り漬けされるポーランド伝統のウォッカが好き過ぎてポーランドにあるズブロッカ蒸留所へ。

ズブロッカ蒸留所の入り口。
そびえ立つ巨大精留塔。

そう、まず最初に言わなければいけないのはズブロッカ.ウォッカの親元であるMaspex社は超巨大酒類企業である。
酒類だけではなく飲料水から健康食品まで幅広く言わばポーランドのサントリーのような企業。つまりはズブロッカ.ウォッカはMaspex社の1つの部門に過ぎないと言う事。ただ、サントリーがウィスキー事業が社歴としての根幹であるようにこのMaspex社もズブロッカは社内においても歴史においても大切な立ち位置にあるブランドである事は揺るぎない。

因みにMaspex社はポーランドを中心にチェコ、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ラトビア、エストニアなどに蒸留所、食品工場、清涼飲料水工場などを持っている。
ズブロッカが作られてるのはポーランド北東部のビャウィストクの街にある蒸留所。
近くにはズブロッカ草を食べるヨーロッパバイソンが生息するビャオヴィエジャの森の近くである。

ズブロッカ草はここの森から。
蒸留所はここ↓




Google mapでも見ればわかる通り簡素であり基本的に関係者のみしか受け付けていない。
行っても入れさせてもらえないだろう。
社内秘な場所がたくさんあり写真も限られた所しか写せないので了承を得れた部分だけお伝えしたい。

ここの蒸留所だけでもズブロッカ以外の違うブランドのウォッカも作っていたり、様々な製品を作り分けている。およそ500酒類以上のブランドが作り分けられている。
そのズブロッカも作られているCEDCビャウィストク蒸留所自慢がこちらの精留塔

1日9万ℓのウォッカを生産できる怪物塔である。750mlのボトル換算にすると1日で11万2500本のウォッカを作れるという事になる。
(24時間稼働)



因みに原料から発酵でのアルコール製造は行なっていない。
原料用Lowアルコールを20か所からそれぞれの場所から買い付け(どこからかは秘密)
自社で精留するのだ。

鹿山
『そこまで大きい会社なら自社で原料を調達して発酵して作らないの??』
という問いに

Maspex社
『自分達で原料からやるとコスト面で大きく負担になってしまう。我々は精留する高い技術を持っている。それで様々な原酒も作り分ける事ができる』
との事。

そう、カットする場所によってもハイクラスのウォッカに振り分けられるものもあれば下級ウォッカに回るのもある。一番下のランクは手洗い用などの消毒用アルコールに回るらしい。

後、ウォッカと言えば水だ。

96度の限界点まで研ぎ澄まされた純アルコールにその後何で違いを出すかと言うともう水という手段しか残ってないのだ。ウォッカの世界では何の水を使っているのかが大きな焦点となるし謳い文句でもある。
96度から40度のウォッカ製品
にするには半分以上が水なのだ。

ウォッカの世界というのはフレンチ料理のソースのように足し算➕の積み重ねの世界線ではなく
和食のように引き算➖の研ぎ澄まされた狭角な世界線。故に日本人には実は良く合うと思う。

Maspex社のここCEDCビャウィストク蒸留所
自前で深い所まで井戸を掘っており
この井戸水の加水がテロワール(風土)となる。
蒸留所もビャオヴィエジャの森から近い。故にここで作られるズブロッカウォッカの加水液もここの井戸水のテロワール。

念願の御対面であるズブロッカタンク


そして念願のズブロッカ草(バイソングラス)


実はズブロッカ蒸留所へ送り込まれるズブロッカ草(バイソングラス)は等級が五つある。

然るべき人がクマリン含有量を判定。

幽遊白書的に言うと
①S級。黄泉、軀は1kg200€で取引。箱入
②A級。仙水忍。飼料用袋で梱包
③B級。戸愚呂兄弟。飼料用袋で梱包
④C. D級。結界外妖怪。返品。
Dに関してはバイソングラスと間違えたイネ科の雑草。

左の箱入りバイソングラスはS級。
右はA. B級
ビャオヴィエジャの森は国立公園なので採取できる人間もライセンス制である



ここでズブロッカ.ウォッカの作り方。


①ズブロッカ草(バイソングラス)を80度で煮出す。時間は2時間。
理由は二つあって
消毒細胞膜の気泡が開く

ズブロッカ草を煮沸させるタンク


②ズブロッカ草(バイソングラス)を取り出し70度のアルコールで浸漬。三日間。



3日経過後ズブロッカ草を抜き
オークの樽で熟成。その段階で加水52度。
1ヶ月間寝かせる。

空気に触れさせる事が大事。



そしてセルロース素材でフィルタリング。
ズブロッカ草の澱があるのでクレームがあってはいけないので必須。


そして加水され製品となる


因みに日本には未入荷だが
ズブロッカ草(バイソングラス)が浸漬されたズブロッカ.ウォッカ以外にも
ズブロッカ草を浸漬した果実リキュールもたくさん存在する。

オレンジやレモンやリンゴやミント、スイカなどなど。もちろんズブロッカ草が浸漬されてるのが大前提


ズブロッカ蒸留所からバイソングラスが採取されるビャウォビエジャの森は車で90分。
徒歩でベラルーシ国境抜けれる辺り。

この国立公園ではズブロッカ草を食するヨーロッパバイソンが保護されている。


そしてズブロッカ蒸留所が威信をかけて作った森の中にあるズブロッカホテル。

木彫りのバイソングラスがお出迎え


ズブロッカ尽くしな夢のような3日間を送ってきました。

ズブロッカ蒸留所
ズブロッカの森(ビャオヴィエジャ)探訪
ズブロッカ草を食べるヨーロッパバイソン御対面
ズブロッカホテルで寝泊まり(森の中)
ズブロッカ✖︎BenFiddichセミナー
(ポーランドバーテンダー向け)


昔から大好き過ぎて大好きと言い続けてたら招待を頂き夢がまた一つ叶いました。

関係者の皆様
ほんとーにありがとうございました。

BenFiddich✖︎ズブロッカセミナー

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