Bar BenFiddich 鹿山博康

畑を持つ農家バーテンダーであり 『Farm to glass』を提唱 日本在来種の自生する草根木皮をカクテルにし自然を愛するバーテンダー。 最近バースプーン辞めて枝で回す人 2023年World Best Bar50→37位 2023年Asia Best Bar50→4位

Bar BenFiddich 鹿山博康

畑を持つ農家バーテンダーであり 『Farm to glass』を提唱 日本在来種の自生する草根木皮をカクテルにし自然を愛するバーテンダー。 最近バースプーン辞めて枝で回す人 2023年World Best Bar50→37位 2023年Asia Best Bar50→4位

マガジン

  • ジュニパーベリー農家

    『畑を持つバーテンダー』 バーテンダーだからこそできる酒類にまつわる 草根木皮を育てている。 ジンの主原料であるジュニパーベリーである セイヨウネズ((Juniperus communis)を育成中でありジュニパーベリー農家

  • 日本の薬草酒

    歴史が紡ぎ現代にも続く日本の薬草酒を紹介。 養命酒、桑酒、順徳酒、保命酒、梅酒 忍冬酒、紫蘇酒、あやすぎ酒、せうせう酒、 延寿酒、蘭麝酒、機那サフラン酒、皇帝酒、陶陶酒、浅芽酒霙酒、枸杞酒、赤酒、菖蒲酒、 蝮酒、養老酒、鳩酒、地黄酒五加皮酒、豆淋酒、山葡萄酒、枸杞酒榧酒、栢酒、延命酒etc...

  • 『木のお酒』日本の林業の新しい選択肢

    木から発酵させアルコールを作り飲用目的として蒸留する。世界初の木本原料のお酒が誕生する。 日本にはおよそ700種類の樹木がある。 とゆう事は700通りの『木のお酒』ができる。 いつの日か お客様 『杉の木をロックで』 バーテンダー 『樹齢部位100年物と200年物がありますがどちらになさいますか?』 なんてゆうやりとりがいつの日かくるかもしれない 国の機関である森林総合研究所の知見をお借りして 2022年にスタート予定

  • 和ハーブカクテル

    日本の固有の和ハーブ、又はBenFiddich畑で栽培している草根木皮で作る『Farm to glass』カクテルを紹介

最近の記事

  • 固定された記事

木のお酒 〜木から醸し生まれる飲用目的のアルコール製造技術の確立〜

お酒の原料といえば万国共通で 紀元前の時代から現代の2020年に至るまで 穀物原料もしくは果実原料である。 (例外で乳製品) 例えば ワイン→果実原料(ブドウ) 日本酒→穀物原料(米) 焼酎→穀物原料(芋、米、麦等) ウィスキー→穀物原料(大麦、トウモロコシ等) ウォッカ→穀物原料(小麦、ジャガイモ、大麦) ブランデー→果実原料(ブドウ) カルヴァドス→果実原料(リンゴ) etc..... 書き上げるとキリがないのでここまで それはお酒のアルコールは微生物の酵母が発酵に

    • 榧酒(カヤ酒)を仕込む。1700年代の珍味書。料理山海郷より。

      榧酒というものがある。 榧(カヤ)の実を炒って砕いて日本酒と砂糖を混ぜ合わせ漉して造る日本伝統のリキュール。 『料理山海郷』は寛延2年(1749年)江戸時代中期に刊行され著者は博望子(はくぼうし)。当時の日本全国各地の名物料理や珍味を収録した料理書として知られている。 その中の一つに榧の木の実で作った榧酒というものがある。 という事で江戸時代に造られていたであろう 榧酒を作ってみる事にする。 まずは榧の実をフライパンで炒める。 そして殻を砕いて中身を取り出す。 中身を

      • 戦後日本のBAR文化を支えた模造品リキュールの功績

        日本バーテンダー協会がかつて会員の為に発刊していた『The Drinks』という機関紙がある。 そんな中にこんな対談記事を見つけてしまった 中身はというと、モロゾフ酒造(現モンデ酒造)の初代が、戦前の満州国時代に白系ロシア人や欧州を追われたロシア系ユダヤ人から様々な酒類の製造方法を学ぶ。戦後帰国、終戦後の物資不足や外国酒類製品の輸入関税による価格高騰を背景に、バーテンダーにとって必要不可欠なカクテル用の副材料系リキュールを安価な値段で次々と作り上げるという偉業を達成した人

        • ポーランドにあったシンガポール.スリング.カクテル

          BenFiddich店主の鹿山です。 シンガポール発祥のシンガポールスリングという歴史あるカクテルがある。名の通りシンガポールで生まれたカクテルであり1915年ラッフルズ・ホテルのロングバーのチーフバーテンダーであったニャントンブーンさんが考案したカクテル。 当時は女性でも飲みやすいようにとパイナップルなどを使いグレナデンシロップを用いて色鮮やかにしたジンカクテル。このカクテルが現代に至っても受け継がれているのはやはり伝統と歴史あるラッフルズホテルの格式だろう。 レシピ

        • 固定された記事

        木のお酒 〜木から醸し生まれる飲用目的のアルコール製造技術の確立〜

        マガジン

        • ジュニパーベリー農家
          10本
        • 日本の薬草酒
          7本
        • 『木のお酒』日本の林業の新しい選択肢
          4本
        • 和ハーブカクテル
          13本

        記事

          マラスキーノリキュールに狂喜乱舞した琉球王国の役人。

          ペリーが1853年に日本の浦賀を訪れ江戸幕府へ開国を迫り、後に西洋文化が訪れ現代に至る。 これは日本人なら誰もが学校で習ったこと。 ペリー提督一行は日本側をもてなす為に様々な酒類を黒船に積んでいた。その中の一つの酒類でマラスキーノ酒というものがあった。 僕はマラスキーノが大好きだ。 マラスキーノについての歴史を数年前に書いたので見て欲しい。 話はもどして黒船の事。 黒船率いるペリーが日本本土を2回訪問してるのに対して実は琉球王国(沖縄)は5度訪れている。 1853年 

          マラスキーノリキュールに狂喜乱舞した琉球王国の役人。

          スペインのタップ.ベルモット文化。

          スペインのマドリードへ行ってきた。 目的は2024年度のWORLD'S 50 BEST BARSにBenFiddichが選出されセレモニーへ出席する為。 有難い事に世界25位という栄誉を頂けた。 それとは別で マドリードにはもう一つ目的があった。 老舗バル(Bar)巡りで タップのベルモットを飲む事。 スペインには歴史伝統的に 『ベルモットの時間』(la hora del vermut) というのがあった。(過去形) その時間は主に昼前、食前に軽いおつまみと共に仲間と

          スペインのタップ.ベルモット文化。

          金木犀瓶内二次発酵炭酸ドリンク

          10月の季節の香りと言えば金木犀。 歩いてたらそこかしこにフワッと漂ってくる甘い香り。この香りと味わいはカクテルにおいてとてもうまく乗っかってくれる良き素材だ。 香りが強いカクテルというのは カクテルとしてとても扱いやすい。 ウォッカに漬け込んでみたり 金木犀のシロップを作ってみたりと汎用性はとても高い。 BenFiddichでは金木犀の花を使って自然の炭酸を作る。 【材料】 金木犀の花 金木犀の枝葉 レモンピール レモンジュース 砂糖 水 生のサトウキビ BenF

          金木犀瓶内二次発酵炭酸ドリンク

          ベルギーにいたバーテンダー家系。

          とあるウィスキーの会社と友人のベルギー人のバーテンダーからのオファーでベルギーのブルージュにてBenFiddichセミナーとゲストバーテンダーをしてきました。 ブルージュは古都であり中世の世に交易の拠点として栄えた街。街全体がドラクエの城下町の世界観をそのまま残している。 そんな世界遺産の古都の街並みに世界的にも有名なバーテンダーがいる。 Ran Van Ongevalle氏。 世界的に有名で権威のあるカクテルコンペティションであるバカルディレガシーカクテルコンペティショ

          ベルギーにいたバーテンダー家系。

          スイバ(酸い葉)をカクテルに多用する国ウズベキスタン。

          日本ではその辺に生えており雑草として片付けられるスイバ。日当たりの良い畦道の脇なんかに良く生えてるんじゃないかと思う。 スイバはタデ科スイバ属の多年草の草 グラスと蓋の間、空間の余白を多く残し香りをとりやすく閉じ込めている。カクテルは液体なので空間の中は湿っており、その空間に畔道の雑草が入り混じる。つまり『雨上がり畦道の香り』がグラスの中で表現できる。 僕の中でこのスイバの仕事はとても大きい。 独特な酸と素朴な緑緑しさが大地を感じさせるのだ。 そのスイバを多用してる国

          スイバ(酸い葉)をカクテルに多用する国ウズベキスタン。

          ウズベキスタンBAR文化発祥の地

          ウズベキスタンに行ってきた。 ウズベキスタンというとプロフだ。 (ビリヤニの兄貴分) イスラム教徒の国だしBARなんかあるのか?って日本から見ると思ってしまうがしっかりあるんです。 今回のウズベキスタンの渡航の理由は ウズベキスタンのバーテンダーからの依頼で 『日本のBAR文化』と『BenFiddichの哲学』について話して欲しいと。 変わらず日本のアニメ文化は世界中で大人気であって例に漏れずウズベキスタンでも人気だ。 その中で城アラキ先生の漫画『バーテンダー』もウズベキス

          ウズベキスタンBAR文化発祥の地

          ズブロッカ蒸留所探訪

          BenFiddich店主の鹿山です。 クマリンの香気成分があるズブロッカ草(バイソングラス)で香り漬けされるポーランド伝統のウォッカが好き過ぎてポーランドにあるズブロッカ蒸留所へ。 そう、まず最初に言わなければいけないのはズブロッカ.ウォッカの親元であるMaspex社は超巨大酒類企業である。 酒類だけではなく飲料水から健康食品まで幅広く言わばポーランドのサントリーのような企業。つまりはズブロッカ.ウォッカはMaspex社の1つの部門に過ぎないと言う事。ただ、サントリーがウ

          ズブロッカ蒸留所探訪

          江戸時代ロシアに渡った大黒屋光太夫とウォッカとズブロッカの考察。

          BenFiddich店主の鹿山です。 ポーランドを代表するお酒で ズブロッカ.ウォッカがある。 ピュアなウォッカのそれとは少し違い イネ科の芳香植物バイソングラス(Bison Grass)を浸漬させたウォッカ。 クマリンの芳香成分を持っており桜餅にも似た日本人には記憶を呼び起こさせる味わいのウォッカであり鹿山も大好きなウォッカのひとつ 毎年10月には『ズブロッカの日』というイベントまであり鹿山は参加してズブロッカカクテルを振る舞ってしまうほどの情熱を持っている。 Be

          江戸時代ロシアに渡った大黒屋光太夫とウォッカとズブロッカの考察。

          雲南キノコオールドファッション

          中国の雲南省に行ってきました。 場所は【麗江 Lìjiāng】【香格里拉Shangri-La】の2ヶ所。 そして雲南省といえば『キノコ』。 中国出身の方に雲南省は何が有名?と聞けばキノコという答えが返ってくるだろう。 最近中国人のバーテンダーの間でもキノコの旨味と香りを合わせた『キノコカクテル』が静かなブーム。もともと食に貪欲で尚且つ食の歴史がある国なのでバーテンダーがこういった旨味系食材に手が伸びるのも必然。 今回手に入れたキノコ。 あとどこにでもキノコが売ってい

          雲南キノコオールドファッション

          雲南省の隠れ家BAR

          上海と深圳で招待されカクテルを作りにゲストバーテンダーをしてきました。中国における金融と文化の発祥地では力のあるバーテンダーが集まり、またカクテル文化に舌鼓をする舌の超えたお客様も多く存在する。  つまりはバーテンダー、お客様共に練度が高く中国国内におけるBAR文化の中心地だ。 では中国の地方のBARは? 今まで鹿山(僕)は 上海、深圳、北京、成都、重慶いわゆる中国を代表する大都市圏でしかBar巡りをした事がない。 今回は御縁があって上海、深圳のゲストバーテンダーイベ

          雲南省の隠れ家BAR

          【Asia's 50 Best Bars 2024】今年も選出させて頂きました。

          BenFiddich店主の鹿山です。 【Asia's 50 Best Bars 2024】 というのがある。 ウィリアム.リード社が主宰する世界に散らばる専門家の投票者が覆面で投票するランキング。 (投票者は各国の選ばれた酒類ライター、バーテンダー及び酒類BAR業界関係者) 今年も有難い事に選んで頂きました。 そう、5位。 とても,とても,とても身に余る光栄。  セレモニーが行われた香港での会場ではたくさんのBAR&酒類関係者がアジア中から集まりたくさんの人に声をかけ

          【Asia's 50 Best Bars 2024】今年も選出させて頂きました。

          BARにおけるフレッシュハーブの最適な保管方法

          BenFiddichの新しいフレッシュハーブ保管方法 新鮮な摘みたてハーブにおいての最高の 適温と湿度を保つ方法を紹介 そう、冷蔵庫ではない。氷式保冷庫だ。 日本においては世間一般に電気冷蔵庫が普及したのは1960年代以降。 それ以前というのは氷屋から買った純氷で冷蔵。というよりは保冷。電気冷蔵庫はまだ贅沢品であり、氷屋の存在が人々の日常生活を支えていた。 BenFiddichの氷式保冷庫。 実はこれ表題にある通り BARにおけるフレッシュハーブの最適な保管方法。

          BARにおけるフレッシュハーブの最適な保管方法