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国際連合の安全保障理事会って何?

前回は国際連合全般のお話をさせていただきました。
今回はそのうちの組織の一つ、安全保障理事会についてご紹介します。

安全保障理事会とは?

安保理は,今日の国際社会において唯一の包括的・普遍的な組織である国連の中で,国際の平和と安全の維持につき主要な責任を有しています(国連憲章第24条1項)。国連憲章上の主な権限は,紛争当事者に対して,紛争を平和的手段によって解決するよう要請したり適当と認める解決条件を勧告したりすること,紛争による事態の悪化を防ぐため必要または望ましい暫定措置に従うよう当事者に要請すること,平和に対する脅威,平和の破壊または侵略行為の存在を決定し,平和と安全の維持と回復のために勧告を行うこと,経済制裁などの非軍事的強制措置及び軍事的強制措置を決定すること,等です。
 安保理の具体的活動は,特に冷戦の終結以降,(1)国連平和維持活動(PKO)の設立,(2)多国籍軍の承認,(3)テロ対策,不拡散に関する措置の促進,(4)制裁措置の決定等多岐にわたっています。
国連憲章のもとに、国際の平和と安全に主要な責任を持つのが安全保障理事会である。理事会は15カ国で構成される。常任理事国5カ国(中国、フランス、ロシア連邦、イギリス、アメリカ)と、総会が2年の任期で選ぶ非常任理事国10カ国である。各理事国は1票の投票権を持つ。手続き事項に関する決定は15理事国のうち少なくとも9理事国の賛成投票によって行われる。実質事項に関する決定には、5常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票が必要である。

引用:外務省, https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/un_anpori/torikumi/anpori.html

国際連合広報センター, https://www.unic.or.jp/info/un/un_organization/sc/

知ってる?拒否権について

常任理事国である5カ国の反対投票は「拒否権」と呼ばれ、過去にそれぞれの国があらゆる場面で行使してきました。常任理事国の1国でも拒否権を行使した場合はその決議案の採択は阻止されることになります。

行使されてきた事例

2020年8月までの時点で行使されてきた回数を数えると、ロシア・ソ連が116回、アメリカが82回、イギリスが29回、フランスが16回、中国が16回です。

参考:SECURITY COUNCIL REPORT, https://www.securitycouncilreport.org/un-security-council-working-methods/the-veto.php

過去の報告・決議案も確認できるのでチェックして見てください。

国際連合広報センター, https://www.unic.or.jp/texts_audiovisual/resolutions_reports/sc/reports/

安保理改革について
「常任理事国が持つ拒否権は、自国やパートナー国の利益を優先して行使できるのでは?」という意見も少なからず唱えられています。
過去に話題となったのが「安保理改革」です。これは現在も問題視されており、世界中で議論されています。
2004年頃から、ブラジル、ドイツ、インド、日本(G4)が精力的に働きかけました。それをきっかけにアフリカ連合なども同じように改革案を提出しましたが、結局2005年に廃案になっています。実際に考えられていた安保理改革の内容を具体的に見てみましょう。

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引用:外務省, https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/un_kaikaku/kaikaku2.html


いかがだったでしょうか。
あまりメディアに取り上げられない部分かもしれませんが、世界に影響を与える国際連合に関わることですので知っておいて損はないと思います。
これからの安全保障理事会の動きに注目です!


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