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わたしね、ぜんぜんだめなんだけどでもわたしが好き

こんにちわ。id_butterです。

『何年経っても忘れられない言葉』の2回目です。
今回は、大学時代の友人がふと漏らした一言について書きます。
たぶん、はじめて「自己肯定感」という概念を知った瞬間でした。


「わたしね、ぜんぜんだめなんだよ。自分にだめなところいっぱいあるの、わかってる。でもね、わたしはわたしがすきなんだ。」

尊い。
目の前の友人に後光が差してみえた。
今でもこの時のことを鮮明に思い出せる。

こんなことば、聞いたことない。

このときから、わたしはこの時のこのことばのように在れることを目指して生きてきた。

当時のわたしは、多分人生の中で一番荒れていた。
毎日、朝が来るのがいやだった。
明るい光の下でくすんで見えるであろう自分を直視できなかった。
息をすうのも苦しくて、自分がいやでいやでたまらなかった。
たのしさを感じてもその後に後悔が襲ってきた。
夜と男の子と仲良くしている間だけ、苦しさを感じなかった。
でも、その後の一人になったさみしさは耐えがたかった。
何かできても、達成感もなく虚しさだけが残った。
それを悟られないように、必死で笑顔を貼りつけ続けた。
終わらない日々がはやく終わることを心の底から祈っていた。

友人のおうちの話にも衝撃をうけた。
家でビールを飲む彼女を見て、彼女のお父さんは「CMの〇〇ちゃん(当時人気の女優さん)みたい」と微笑んでいるらしい。
「ばかみたいでしょ?」と笑う彼女が眩しかった。
持てる者と持たざる者があると知った。
もはや妬みすら起こらない、焦燥にも似た憧れを抱き続けた。

20数年が経ち、彼女との友情は続いている。
彼女は今も、ひたすら明るい。
話していなくても、彼女はおひさまみたいなオーラを発している。

2年前くらいだろうか、彼女に会ったときにこのときのことを話してみた。

それでね、わたしずっとあの時のあなたを目指してきたんだよ。
ずっと、わたしの支えだった。
ほんとうにありがとう。
子ども育てるときもね、「じぶんが好き」って言える子になるようにってずっと思ってきたんだよ。

そうだ。
子育てに迷ったとき、彼女がわたしの指針だった。
自分の中に、ただしい子育てがなかったわたしは、あの時の彼女のように「じぶんを好きだ」と子どもが言えるには何が必要かを常に考えて、子どもに接してきた。
いつか聞いた彼女のお父さんのように、子どものことを肯定し続けた。
叱っても、その後にはずっと「でも大好きだよ」と伝えてきた。

え、わたしそんなこと言った?

当人は、覚えていなかったけれど笑
まあ、そうだろうと思う。
わたしには神様からのお告げくらいの一大事でも、彼女の日常にはあたりまえにあふれていることなのだ。
そして、そういう屈託のない彼女の態度やことばのひとつひとつに何度もわたしは救われてきた。

今は当たり前に使われる「自己肯定感」ということばだが、20数年前はその概念は知られていなかった。
わたしが「自己肯定感」という概念を知ったのは、彼女のことばを聞いてから10年弱が経ってからだと思う。
彼女と彼女の家族との出会いは、わたしの苦しみを10年近く縮めてくれたことになる。


わたしは今、じぶんをすきだろうかと改めて考えてみた。

正直、どっちでもいいなと思った。
例えば、今回離婚できた自分は、けっこうイケてるんじゃないかと思う。無謀でかっこいいかもしれない。未来が見えない感じも意外と楽しい。
大好きな彼のよさをキャッチした自分の感性も褒めてあげたい。
ただ、恋に落ちてしまった点は、どうかな。恋じゃなくてもよかったんじゃない?とちょっと思う。
noteに投稿した自分の文章も、わりと気に入っている。自分の中身をリアルに言語化できている気がする。
自分ちの子どもも、なかなか味のある子たちだなと思ったりして、がんばったんじゃない自分と振り返る。
友人のやさしさを感じるとき、大事に重ねてきた時間を思う。
夕焼けを見ながら子どもと一緒に「スマイル」をうたって自転車を漕いだりしている自分も悪くない。

今のところ、わたしはわたしをすきだ。
でも、すきじゃなかろうと生きていかなちゃならないから、今はそれもどうでもいい。

もし、すきじゃないと思うときがきたら。
自分に時間をかけて、今みたいに丁寧に向き合ってあげよう。
自分にお金をかけてあげよう。ちょっとでもいいから。

自分だけは自分の味方でいていいのだ、どんな自分であっても。
だからすきじゃなかったとしても、「わたしはわたしをすき」だといい続ける。

あなたは幸せになっていいんだよ。

そう言い続けると決めている。


いつでもスマイルしましょう。
だれでもない、自分のために。



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