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つまり、自分が幸せじゃないから 人に優しくできない。
後悔先に立たず。
私は旅行会社を経営していますが、
旅行は目標達成の手段、
ツールです。
20年近く会社を運営していますが、
とても良いお客様に囲まれて仕事を
しているにもかかわらず、
まれに大クレームが勃発してしまう
ことがあります。
後悔先に立たずですが、
すべてが終わってのち、
改めて「現場検証」を行うと、
その責任はほぼ100%、
経営者である私にあります。
・事前の準備不足
・まずい初動
・状況判断の甘さ
・顧客心理の読み違い
すべて、
経営の判断ミスです。
●キレるお年寄り
近年、サービスの現場で
クレームが増加していると言われます。
先日、SNSで知人がアップしていた話。
高校生の娘さんがファーストフードで
アルバイトしていた時、ご年配の女性に
「あんたの動き見ているとむかつくのよ」
と怒鳴られたそうで、親として涙が出たと。
ヨーロッパや北米で、高校生のアルバイトに
年配者が怒鳴り散らすなんて、ちょっと
考えられませんが、日本では良くある話です。
年配者がキレる話は、サービスの現場
だけではなく病院や介護施設でも
良く聴きます。
先日は調剤薬局で働く方向けに
クレーム対応の講演会をしましたが、
「待ち時間が長い!」と高齢者からの
苦情が多いのだそうです。
誤解を恐れずに言えば、
70代、80代のお年寄りは
5分、10分を争うほど、忙しくは
なさそうな感じですが・・・。
●キレる人が多い社会
年配者に限らず、キレる人は
性格や脳の構造の問題以前に
「幸せな毎日を送っていない」
つまり、自分が幸せじゃないから
人に優しくできない。
不寛容な社会構造は
日本人の「幸せ度」の低さから
来ていると、私は読んでいます。
日本には閉塞感が漂い、
みんな、息が詰まっているのです。
●クレーム対応はリスクマネジメント
一方、サービスの現場では
「クレーム」をお客様相談室で対応
することがほとんどです。
サービスの現場で起きたトラブルは
サービス責任者がお詫びして解決する。
そんなイメージです。
でもね、
それじゃうまくいかないのです。
おわび状を出しても、
ご自宅を訪問して、誠心誠意頭を下げても、
許して貰えないのは、
そもそも、その方は幸せじゃないから。
クレームは消火活動ではないのです。
クレームは顧客心理学であり、
リスクマネジメントとしての経営管理が
必要なのです。
セコムに警備を頼んだり、
災害への備えをしたり、
保険に入ったりするように、
クレーム対応=考え方の処方箋
を経営の中に予め取り込んでおく
必要があるのです。
転ばぬ先の杖です。
●守るもの、大切にするものを決める
お客様が大切です。
私たちはお客様に食べさせて頂いてます。
だからこそ、
その「お客様」を大切にするための
スタッフを大切にするのは当然のことです。
スタッフが不幸では、お客さまを幸せにはできません。
経営者がクレーム対応に振り回させていたら、
本当に大切にするべきお客様に充分な時間を
作れません。
クレームは、
「真っ当なお客さまを怒らせてしまった」
ケースと、
「そもそも、来てくれない方がいいお客」
に二分されます。
そこを判断していかないといけないのですが、
誠心誠意とかおもてなしとか言っているだけでは
このすみわけも出来ないのです。