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【年末】和歌山 南紀白浜 川久トラベルノート|振り返り✈️羽田-南紀白浜1名往復0(ゼロ)円旅の記録(航空券、ホテルのキャッシュアウト0円)

今回は書き溜めたトラベルノートの16話目。

2021年12月年末、和歌山の白浜にあるホテル川久に妻と旅行に行ったときの話を記録していきます。

因みに、この旅は前回の旅から1年経過していますが、この時点でもありがたい事に「新型コロナウイルスの影響でコロナ前に予約した旅行がキャンセルになりJALから返還されたeJALポイント」が残っていたことと、「毎月のクレカ等で蓄積するマイル、出張も含めJALに搭乗すること自体で蓄積するマイル」のスピードが、「旅行の時に使うマイル消費」に対し上回っていたため、今回も航空券・ホテルについてキャッシュアウトがなく旅行ができています。

〈0円旅のわけ〉

突然ですが皆さんはバブル期(バブル景気)はご存じですよね?
一般的には1980年代後半から1990年代初頭にかけて、銀行や企業の資金が土地や株の購入にまわり、地価や株価が上昇した経済状態を指しますが、このトラベルノートで訪れたホテル川久はバブル期の話題とは切っても切り離せない場所ですので、今回のまくらはこの「ホテル川久」について少し触れてから本編に移ることにします。
この日本バブル期に建てられた建物は今では考えられないような贅沢な建材や職人の技術を駆使した建築物が数多くありました。その後バブルが崩壊すると、一部の建物は廃墟のような姿になってしまったものも多くありますがホテル川久は今もなお当時の豪華絢爛さのまま残ってる希少なバブル遺産といえる思います。

今回訪れたホテル川久を旅先としたきっかけは、コロナ禍に放送された「世界さまぁ〜リゾート」の国内特集の回で知ったことでした。それまで、その存在をまったく知らなかったので、言葉は適切ではないかもしれませんが、”和歌山の海辺の田舎街”には到底不釣り合いな豪華絢爛な巨大建造物に興味をそそられ、少し調べてみることにしました。
調べる過程で見つけて拝読した、都築響一氏の著書「バブルの肖像」でも、川久について触れられていて、バブル期の写真がふんだんに使われた構成で、わかり易く理解できました。

ホテル川久の建設費は、世界中から建材料を集める過程で当初の予算150億円を軽くオーバーし、最終的には300億円、総事業費は400億円にも達したそうです。このホテルは延床面積が2万6千㎡あり、面積から想定できる部屋数は1000室近い部屋を持つことができるそうですが、ホテル川久には89室(現在は88室)しかありませんでした。開業当初は会員制(今でいうタイムシェアリゾート事業)として数千万で約2000口の販売を予定していたそうですが、実際に売れたのは400口強で、開業後の客室稼働率は20%という厳しい状況になり、1995年に会社更生法を申請することになったそうです。その後1998年に北海道のカラカミ観光に買収された際の金額はなんとたった30億円だったそうです。

結果、私たちのような一般人にもこのような豪華絢爛なホテルが利用できるようになった訳ですが、希望に満ち溢れていた建築期から数年後に急転直下、会社更生法申請という当時のオーナーの内心を想像すると何ともいえない気持ちになります。今の時点の価値観では決して推し量れない、人間の判断が狂気に満ちた時代だったという事なのでしょう。

今回のサムネイルは当時一本1億円したとされるドイツのシュトックマームアという技法を用いた巨大柱が24本立ち並ぶホテルエントランスと、「フィッシャーマンズワーフ白浜」の生簀取れたての伊勢海老のお刺身を撮影した写真を使いました。それでは本編をどうぞ。


2021年12月29日(水) バブルの巨大遺産

前回の沖縄旅行からほぼ1年が経った。今回は南紀白浜にある「川久」というホテルに2泊することにした。コロナ禍で返還されたeJALポイントがまだまだ残っているため、航空券の他宿泊費についても全額eJALポイントで賄うことができる。このホテルは、妻がずっと行きたがっていた場所で、「さま~リゾート」で紹介されたのがきっかけだった。

特に楽しみにしているのは、「王様のブッフェ」と呼ばれるディナーブッフェだ。妻がぜひとも味わいたいと言っているので、私も興味が湧いてきてどんな料理が並ぶのか、今から楽しみにしている。

今回のJALダイナミックパッケージを利用したツアーは、1名87,000円、2名174,000円のところに12,000円の割引クーポンが適用され、162,000円となる且つ、eJALポイントで全額支払うのでかなりお得な旅行だ。ただし、食事は朝食ブッフェのみで、お目当ての「王様のブッフェ」は含まれていない。そのため、30日分の夕食として、別途「王様のブッフェ」を予約しておくことにした。

当日、羽田空港から出発で1年ぶりにダイヤモンドプレミアラウンジに立ち寄り、軽食やビールを堪能した。

メゾンカイザー製のパンやおにぎり

妻も久々のラウンジにテンションが高め。時刻通りに羽田を出発、南紀白浜空港に無事到着した。そこからタクシーでホテルへ向かった。道中、ローソンに立ち寄り、小腹用に水や軽食を購入して、準備万端でホテルに到着。ホテル川久はバブルの遺産として有名な超豪華なホテルと聞いていたが実物をみて納得した。

まさにバブル遺産
一本1億円の柱と柱の間に門松等のお正月飾りが設置されていた。
美術館のような空間

とにかく空間の使い方が贅沢すぎる。贅沢な空間の使い方に圧倒されながらも、ふと、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」、平家物語の語り出しを思い出す。時の流れを感じさせる空気が漂っていて、そこには切なさが入り交じった雰囲気だ。建物から感じる達観した落ち着きがあり、とにかく素晴らしいホテルであることは間違いない。
今の自分の気持ちを言葉ではうまく説明できないが、心地よい空気感。なんとなく落ち着く。
軽く館内写真を撮りながら散策した後、温泉の様子を見に向かった。

温泉は2種類あり、日替わりで男女の湯が入れ替わるとのこと。今日の男湯は2階の「ROYAL SPA」で、広々とした4つの湯船があり、寝湯も完備されている。露天風呂からは海が見える設計で、夜なので景色が見えないのは残念。明日の朝は男湯が1階の「悠天の森」に入れ替わる予定なので、こちらも楽しみ。

温泉の下見の帰りにフロントで白良浜までの距離を確認すると、徒歩で約20分。さらに、自転車の貸し出しサービスもあり、30分以内であれば無料、超える場合でも500円で時間無制限とのこと。天気が良ければ、この自転車で移動できるのも便利だと感じた。

その後、温泉から戻った妻と明日の計画を立てた。朝食ブッフェは7時からで、温泉は5時から10時半まで利用できるため、それをベースに妻が旅の栞を作ることにした。とりあえず、朝食ブッフェは7時から9時までの2時間たっぷり楽しむ予定で、9時半から温泉に行くという流れで考えた。

自転車の件も検討したが、スカートでは乗りづらい問題があった。歩いても20分ほどとのことなので、白良浜までは歩いて行くことに決めた。それでは、明日のためにおやすみなさい。

2021年12月30日(木)巨大伊勢海老と王様のブッフェ

7時頃起床。外は晴れていた。朝焼けに照らされる海を見ると透き通っていてとてもきれいな海であることがわかる。

朝焼けに照らされた海は美しい景色

そんな時、スマホにJALからメールがきていることに気が付いた。
タイトルに【重要】とあるので、気になってすぐ開けると、なんと明日の復路の飛行機が欠航の影響が出る可能性があるとのことだった。ほかにも対象に挙がっている空港はどれも雪が降りそうな日本海側の空港で、南紀白浜空港が対象に入っていることに違和感を覚える。こんな晴れているのになんで?と。とりあえず、今は朝食にと気を取り直して、結局予定より40分ほどオーバーで朝食会場へ向かった。

この朝食ブッフェの目玉は自分でもる海鮮丼と朝からのすき焼き。ひとまずそれを引き上げに行く。小ぶりのどんぶりに軽くご飯をよそい、いくらとイカとマグロを盛り付ける、よくばってイクラが盆に少しこぼれた。妻も海鮮丼をつくり、それとすき焼きをとり、とりあえず食べようということで写真などをとって食べ始めた。

海鮮丼とすきやきをちょっと。

名物だけあってとても美味しい。妻も気に入ったようだった。そのほか、高級ホテルの朝食にありそうなものは大抵あった。変わり種は具を選んでその場で握ってくれるおむすびや、今流行りのマリトッツォなんかもあった。

握りたてのおむすび
マリトッツォで締めコーヒー

朝食をたっぷりと食べ、部屋に戻ってから温泉に向かった。
今日の温泉は昨日妻の入った温泉で、広々した内風呂が1つ、岩風呂の露天風呂が1つ。確かに設備面では昨日の温泉の方がお風呂の数やサウナもあり人気だというのも頷ける。でもこちらも周囲に森がありそれを見上げるように配置されている露天は気分がよかった。

部屋に戻ってから、外の雲の流れを確認するとそれほど風は強くないように感じた。

風はたいしたことはなく透き通った海が眼下に広がる

JALに欠航の件について電話で確認。結局、まだ欠航が決まったわけではなく、明日の寒波の影響で強風になる可能性があるとのこと。もし欠航になれば、便の変更や払い戻しは受けられるが、天候による欠航のため宿泊費や移動費は補償されないとのことだった。それでもJALカードの保険で2万円までの見舞金があるようだ。妻に今は心配させたくないので、口にせずいることにした。

妻も部屋に戻ってきたので気を取りなおして部屋をでた。
川久のエントランスを出たところで何枚か写真を撮った。昨日は暗くて良く見ていなかったが外観も素晴らしい。台湾の台北圓山大飯店を想起させるような宮殿のような造りに圧巻する。

台北圓山大飯店を想起させる
外装、内装共に一流

徒歩で白良浜へ向かう。20分ちょっとかかって、白良浜へ到着。

やや疲れたものの、白い砂浜とゆったりとした雰囲気の白良浜が見えると妻が来た甲斐があったといっていた。

白良浜の砂は、オーストラリアから輸入されています

白良浜は、かつて周辺の開発や自然環境の変化などによって砂浜が痩せていたため、1989年から2010年にかけてオーストラリアの砂を約14万トン投入して砂浜を復活させたそうだ。今の白良浜は「日本の快水浴場百選」等にも選ばれた屈指の美しいビーチになっている。
確かに映像でも見ていたが実物は広々して迫力のあるパノラマが広がる気持ちの良い風景。右の方に目をやると石の鳥居を発見した。

砂浜の一番奥にある石の鳥居

ガイドブックにもあった「熊野三所神社」だ。

熊野本宮大社にはやや遠すぎていけないのでゆかりのある神社で手を合わせ今年の嫌なことは清めてもらおうとお参りにいった。
昭和天皇、古くは斉明天皇も来たことがあるとか、由緒正しい神社、境内には県指定文化財の「火雨塚古墳」という石室を持つ立派な古墳がある。

古墳も良く見える場所にあり、妻は興味深そうにカメラに収めていた。

古墳について興味深く熟読していた
古墳内部

お参りがおわり、海岸線沿いを散策、どんどん風が強くなる。道路を歩いていると砂が顔にぶつかってくるくらい。足湯に入りたいと妻が言うので地図を見ながら足湯スポットを探す。しかし行く先々でいくつか点在している足湯はクローズしていて妻は残念そうだった。白良浜の一番端まできたところでやっと営業中の足湯「つくもと足湯」を発見した。

妻が喜んでいると思いきや、一点を見つめて黙って考え込んでしまった。どうしたのと聞くと、既に入っている人の脱いだ靴やズボンが、強風によって飛ばされた足湯のお湯で、かなり濡れているのを気にしているようだ。カバーするものももっていないので数分沈黙、妻は残念そうに足湯をあきらめた。
ブラタモリでやっていた崎の湯はこの先にあるとの情報をみた妻は、

そこに行きたいと思っているようだったが、更に風も強くなったので引き返すことにした。なにか美味しいものでも食べてホテルに戻ろうとなった。和歌山ラーメンも良いかなと思ったが、少し先100メートルのところに漁師直営海鮮市場「フィッシャーマンズ・ワーフ白浜」という施設があり、そこで海鮮が食べられるとのこと。

どうせ食べるならそこに行こうという事になり向かった。中には生簀がたくさんあり、今日港で撮れた新鮮な魚や伊勢海老をその場で調理してくれる。どれもおいしそうで目移りする。特に伊勢海老の生簀ではいままで見たこともない巨大な伊勢海老がたくさんいた。伊勢海老といかにも脂ののった中トロを注文することにした。

暴れる伊勢海老。相当でかい

値段は伊勢海老一尾(1.2キロ)11000円と中トロ一人前2500円、伊勢海老の頭の味噌汁、ごはんで14000円程。普通の昼食から考えれば相当高い昼食だが、これだけ巨大な伊勢海老を東京の料理屋で食べたら軽く3倍は行くだろう。

妻の追記:伊勢海老は生簀から出してその場で刺身にしてくれる。頭の部分は4つに割って味噌汁にしてくれるとのこと。伊勢海老の刺身は多分初めてでとても美味しかったし、頭の部分はミソがたっぷりで本当に感動した

妻が追記していたメモ

念のためWEBで豊洲の仲卸価格を調べてみたところ、1キロ7千円程が相場とのこと。相当お値打ち価格であることは間違いない。
注文が来た。びっくりしたの伊勢海老の頭が大きすぎて想定外に味噌汁が4つきた。

味噌汁が4つ
具たっぷりの伊勢海老
脂ののった中トロ

相当な量であったが、美味しかったので全部ぺろりと食べてしまった。4時間後には王様のブッフェがあるのというのに。
腹ごなしするために少し遠回りをしてホテルにゆっくり向かった。

海辺を遠回りしてホテルへ

部屋に戻り、風で冷えたので身体を温めるために夕食の前に温泉を済ませ、いよいよ楽しみにしていた「王様のブッフェ」。昨日とはうって変わってレストランの入口が混雑していた。
席に着くとまずは、いかにも高級そうなステーキと天ぷら、クエ鍋などを先に攻めることにした。ステーキを何度か繰り返して、寿司や刺身、伊勢海老のオードブル等に手を付けた。どれもうまいのだが、寿司のとろが特に脂がのっていて美味しかった。

ステーキに天ぷら、クエ鍋。
大トロは何度もおかわりした

ちょっとしたハプニングもあった。食べているすぐ後ろで、トレイに料理を大量にもったご婦人が運悪く椅子の足に足をひっかけて派手に転倒してしまった。ホテルスタッフが何人すぐに駆け付け対応して結果、怪我はなく良かったのだが気の毒なハプニングだった。

暫くして、王様のブッフェで行われる恒例のショーが始まった。旅行前にYotubeでみた、「カフェ・ド・ディアブル」というコーヒーカクテルの調理実演だ。

調理中、アルコールを飛ばす際に大きな炎がでるため、ショーの演出の為に所々で照明を落とし、炎を際立たせる。

オレンジの皮に火のついたお酒をかける演出。
カフェ・ド・ディアブル

出来上がったコーヒーカクテルは、その場の客に振舞われる。コーヒーカクテルはオレンジの香りがして美味しい、2人ともお代わりした。最後にコーヒーと一緒にスイーツをたくさん食べてレストランを後にした。

スイーツ盛り合わせ

部屋に戻り、本日3回目の温泉に入りに行った。
そして充実した一日が終わり就寝した。

2021年12月31日(金)川久ミュージアムの展示品はやはり凄かった。

最終日、6時に目覚ましで起床した。6時半ごろから朝風呂に向かう。強風は相変わらずで、そのせいで帰れなくなるかもしれないことが気になっていた。便の変更がない1便早い便に変更したほうが良いと考え、JAL受付は8時からなので、食事後に連絡することにした。妻が朝風呂からもどり、朝食ブッフェへ向かう。昨日二人とも相当食べたので、少し控えめに妻は野菜中心からスタートしたものの、結局、豪華な食材を前に我慢できず、海鮮丼やすき焼き、フレンチトースト等を楽しんだ。妻のお気に入りの生絞りメロンジュースは2回もお代わりしていた。
食事を終えて早速JALに電話をすると時間変更することができた。そのことを妻に伝えると安心した様子でよかった。でも、これだけの強風なので実際には飛ぶまでは安心できない。
川久ミュージアムを観て周ることにした。私設美術館「川久ミュージアム」は、オーナーの数百点のコレクションを展示している。

YouTubeでも見ていたダリやシャガールなどの数々の有名作家の作品を妻は写真に収めていった。とても私設美術館にあるような展示物ではないように思った。当時本当に巨万の富があったことが伺える。

サルバドール・ダリ
マルク・シャガール

部屋全体が現代アート作品になっている部屋に行くとラルクのプロモーションを行った時の様子がビデオで流されていた。

現代アートの巨大ドーム

妻に教えてあげると嬉しそうにずっと見ていた。 
空港の運行状況をチェックしながら過ごし、搭乗予定の機材が東京を出たことを確認できたのでホテルからタクシーに乗った。
空港につき、JALカウンターでは特に問題なさそうな対応で一安心。飛行機が到着するまで、しばしベンチで待つことに。程なく対象機材が着陸したことをJALの係員が大きな声で伝えてきた。これで帰れることはほぼ間違いない。14時40分、約1時間定刻より遅れて出発した。
羽田からはモノレールで家路についた。
帰宅後に、ポストを確認すると不在連絡票があった。
ふるさと納税で頼んでいた妻が一目ぼれした福岡のフロアカーペット。トルコからの輸入品らしい。不在連絡票はそのフロアカーペットだった。即座に再配達時間を確認したところまだ、間に合う時間なので再配達を依頼した。
1便早く帰って来られたのでスーパーで買物もできた。
旅行衣類の洗濯や後片付けをしているとカーペットが届いた。二人とも疲れていたが年内のうちにやることは全部やって就寝。1年締めくくりのご褒美旅行は終了した。

旅の費用

今回もeJALポイントで航空券・ホテルについてはキャッシュアウトがなく旅行ができた。

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