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あのひとの

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noteでみつけた、すてきな写真や絵、そして文章をあつめています。
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2014年8月の記事一覧

イッカクの身体を、真っ白な灰に

イッカクの身体を、真っ白な灰に

このイッカクの身体を
真っ白な灰になるまで焼いてみる。

その粉にいくつかの顔料を
混ぜ合わせたものを少量の水で溶き、
ペースト状になるまで煮詰める。

それを唇に塗った人たちが
煽情的な打楽器のリズムに合わせて踊り出す。

男も女もみな、意識という意識が溶け合い、
どろどろになる。

そんな夢を見た。

宇宙の濃度

宇宙の濃度

【小説】 ※無料で最後まで読めます

雨音を聞きながらコーヒーを飲んでいたつもりがいつのまにか逆になっていた。雨水をすすりながら降り注ぐコーヒーの音を聞いている。おそらく砂糖ひとつ分の濃度のコーヒー。注がれているこの世界は巨大なコーヒーカップの形をしている。誰かにひょいと持ち上げられてしまう。中身が揺れてしまう。あるいは僕自身がカップに降り注ぎ、何者かにすすられ、音を聞かれ、砂糖の濃度を推量されて

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