アラフォーで20年住んだ英語圏を出て、仏語圏でカナダに根付こうとしている私②:改めて「カナダ」再認識
前回は、そもそもなぜカナダに来たのか、という経緯を書きました。
今日はその続きのお話。
トロントという英語圏に20年も住んだ後に
なぜに、フランス語圏に行こうなんて決めたのか。
それには、きっかけが
大きく分けて、2つあります。
1)コロナ禍で思い直した「カナダ」
コロナ禍で、外出禁止だった頃、
コミュニティの会合などは、Zoom で行われるようになっていきました。
今までなら触れ合う機会がない人たちとも
オンライン上でつながることが増えたのがこの時期でした。
コロナの真っ只中に
カナダ全土から人がオンライン上で結集するような
大きなイベントなどに参加することが増え、そこで改めて気づいたこと。
「カナダは、フランス語も公用語だ」という事実。
そんなこと、私にとっては分かり切ったことで、知識としては入っていた。
でも、トロントという英語圏で暮らしていると
フランス語の必要性なんて、まったく感じない。
州の公用語も英語だけだから、
フランス語を目にしたり、耳にしたりする機会もほぼない。
強いて目にする機会があるとすれば、
店に並ぶ商品のパッケージや、カナダ連邦政府の建物の看板くらい。
求めれば、フランス語は見つかるけれども
日常にあふれているわけではない。
そんな暮らしの中で、カナダ全土が対象の会合に参加すると
プレゼンターがフランス語話者だったり
英語とフランス語の両言語表記などの配慮がなされたり。
そういった行事に関わる中で
「フランス語を学んでこそカナダという国の
全容をやっと知ることができるのでは」
と思い直しました。
実は、似たような体験を2008年にしていました。
当時は、カナダ全国から対面で集まった会合で
ケベック州から来た若い女性が
英語を一言も話せなかったことがとてもショックでした。
この時も、知識として、
「ケベックにはフランス語しか話せない人がたくさんいる」
と聞いてはいたけれど、実際に会ってコミュニケーションしてみて
感じる衝撃というのは、とても新鮮で、
かつ、大きく、長いインパクトを残しました。
私の心の奥底には
「カナダ人になりたい。
カナダ人と同等になって、
カナダという社会に貢献できる人間になりたい」
という想いがあります。
そのためには
「フランス語は欠かせない」
という認識が再度、生まれて、
2021年、37歳でフランス語を勉強し始めました。
私がとかくこだわったのは
「ケベックのフランス語」。
日本語や英語に方言や種類があるように
フランス語にも地域差があります。
特に、ケベックで話されるフランス語は
他のフランス語圏とは大きく異なる特徴があることで知られており、
それがまた、
ケベックという州に住む人たちのアイデンティティにも
カナダという国の分裂騒動にも
大きく関わっていることは、これまた知識として知っていました。
でも、やはり「知識」だけでは
事の全容を知ることはできない。
人の想いまで知ることはできない。
人の想いを知らずして、人の考え方を理解することもできない。
その謎を知るためにも
フランス語をマスターして
カナダのフランス語圏の世界をのぞけるようになりたい
と切に思っているのです。
とは言え、当時は
「オンタリオ(英語圏)にいながら、学校とかレッスンに通いながら
地道にフランス語を伸ばしていこう」
と思っていたのですが・・・。
人生とは、何が起こるか分からないものです。
もう一つのきっかけは、私の人生の転機になりました。
⇒ 「アラフォーで20年住んだ英語圏を出て、仏語圏でカナダに根付こうとしている私③」へ続く