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パワハラ要件がすべてそろって初めて「パワハラ」になる⁉ ~その1

皆さん、こんにちは。人材開発アドバイザーの梅沢佳裕です。「パワハラ」という略語がだいぶ世間に浸透してきましたが、実は正しく認識されていないところも、まだまだあるようです。

例えば・・・
*大声で怒鳴られた
*本来の業務とはいえない事を無理強いされた

こういった場合、すぐに「それってパワハラじゃない!」と言いたくなります。でもそれが本当にパワハラと認められるか否かという判断をするのは…まだ時期尚早なのです。

●パワーハラスメントの要件は5つ

「労働施策総合推進法」にあらたに新設されたパワハラの要件は5つあります。

①職場において


職場とはさまざまな人が行きかう場です。つまり社長や理事長、取締役や理事、上司・同僚・部下など、同じ職場であることが条件の一つ目です。

 そこで疑問が湧いてきます。
*職場とは、自分の職場(社屋など)だけ?
*営業職の方は、上司と取引先に同行した時は?
*仕事終わりの飲み会の席では?

ここでいう「職場」とは、業務を遂行する場所を指しています。もし、『取引先』の企業で相手からでたクレームに対して、上司がその場しのぎで「すみません、こいつ仕事できないので、ミスばっかりで…」と部下の頭をグイっと下げさせた場合、それはパワハラ要件①に該当すると思われます。

次に『飲み会』の席の場合ですが、仕事上の関係が維持された状態での飲み会の席は、職場と考えることができます。職場の行事としての忘年会や新年会、暑気払いなどは「職場」と理解していいでしょう。

②優越的な関係を背景とした言動であって


職場というものは、上司は部下の指揮監督役を担っています。
だからこそ「優越的な関係」もともと職場では、パワハラが発生しやすい風土というものがあるのだと思われます。

優越的な関係とは、「業務上の指示や命令に従わざるを得ない関係」を指しています。

しかし最近の職場では、働き方の多様化で、年配のパート労働者や再雇用の労働者が増加しているため、労働者からすると年下の上司という関係性も
十分にあり得ます。

むしろ上司の方がベテラン部下に対して気兼ねしてしまうケースもあるでしょう。

そこで一つの疑問ですが、
*部下から上司に対してのパワハラもある?

パワハラと言うと、どうしても上司が部下を叱責しているイメージが強いですが、実は同僚や部下から上司などに対してのパワハラもあり得るのです。

「優越的な関係」とは・・・
上司から部下に対する関係性が一般的ですが、先に述べたように、
以前は上司だった人が退職・再雇用となった場合などでは
確かに部下になったとはいえ、知識・技術を備えたベテランですし・・・

関係性が逆転していますから、再雇用だからといってそう簡単に気持ちの整理はつきません。

そうなると、部下から高圧的な態度をとられて仕事やメンタルに多大な影響が生じるとすれば、それはパワハラと成り得るのです。

●皆さま職場のハラスメント防止対策研修についての講師依頼のお問い合わせは、当研究所のホームページからご連絡をお願い致します。


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