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アナクレオン 歌詞、楽曲紹介文
♪アナクレオン
暮れかかる空に
星々の啓示をみつけ
魅入られたように
素足のまま駆け出した
燃えて輝く月のもとで
いのちよ踊り狂えよ
激しい風が吹きすさべど
霧は流れないまま
透き通るように
開かれた彼の心に
残酷なほどに
流れ込む風のことば
人々に語れと命じる
無数の精霊の声
息吹を集めて歌を織る
囚われのアナクレオン
口をついて出てくるは
ふるい恋の物語
片方だけの翼で
もう帰らない空を見ている
風のライラに乗せ歌う声は
時を突き抜けて
忘れられた神や
眠る山も起こすだろう
もの言わぬものが
みな彼に手をさしのべて
あらがえぬ力で
名もない彼方へ誘う
Lyric&Music 小夏 鮎
タイトルは古代ギリシャの詩人アナクレオンに由来する。言葉を紡ぎ、その名を歴史に刻むとは…彼は人間の思索を超えた、目に見えない聖霊のような存在に導かれていたのではないか。そんな想像からこの楽曲が生まれた。
20年以上前に作ったこの曲は、気に入っていた一方で苦い思い出も内包していたが、2024年、Kazuのリアレンジにより生まれ変わった。さらに、サックス奏者ichiの息吹が加わり、熱量が高まった。
尊敬するミュージシャンであるお二人が、私のわがままをおおらかに受け止め、惜しみなく力を貸してくれた。感謝と気恥ずかしさが綯い交ぜになったこの感情を、幸福な凡人である私は上手く言葉にできない。