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《物語》ママ友

久々にみんなで集まった。

幼稚園の友達

親子5組



私はママ友の集まりが苦手だ。

私は自分の意見を言ってしまう。

何の権力もないくせに

態度がデカいと思われる。


誰がその場所を仕切るのか

誰と一緒にいるかで

態度がコロコロ変わる人たちが苦手だ。



一番仲良しのさっちゃんのお家。

クラスの中では目立たない5組と言える。


ベッタリのママ友付き合いが
ひどく苦痛だ。



私は本当はどこにも所属したくない。

特定のママ友に限定しない私は
嫌われている。

でも子どもたちはお友達と遊ばせてあげたい。

仲間はずれは可哀想だ。


私は私なりに

必死でみんなと仲良くした。


ただ、誰かに媚びたり

常に決まった人とつるむのは嫌だった。

これはいくら努力しても

どうしようもなかった。



ひとまず
今日は一番仲良しのさっちゃんママがいるから

安心していた。


ところがだ。


とても大人しいと思っていた佐藤さんが

他の子どもやそのママの悪口を言い始めた。


そんなこと言う人だったんだ…


他の皆もその話で盛り上がっている。

子どもたちにも聞こえるじゃないか。


もう帰ろうかな…

私はママ友たちの輪から離れて

子どもたちの遊ぶスペースに移動して
子どもたちと遊んだ。


話し声は聞こえたが

今度はヒソヒソ

私の悪口を言っているようだ。


さっちゃんママも…


すごくショックだった。

さっちゃんママは友達だと思ってた。

一緒にいて楽しいと思ってたのに…


涙が出てきた。

情けない。


子どもに声をかける。

「ごめん、今日はもう帰らなきゃ」


みんなにも
「ごめんね、用があるからお先に、またね」

と足早に帰ろうとすると

さっちゃんママが

「え〜、もう帰っちゃうの〜!ゆっくりしてってくれたらいいのにぃ」

その顔が何とも気持ち悪い
半分笑った笑顔だった。

私には

『ざまーみろ』という彼女の心の声が
聞こえてしまった。


涙が出るのが悔しい。

こんなヤツのために泣きたくない。

急いで「おじゃましました」

と帰ろうとするが

子どもの靴がなかなか履けない。


さっちゃんママはみんなの方へ行き

「泣いてたぁー」と笑っている。

私のことをバカにして盛り上がっている。



こんなにも醜い人がいるんだと

ものすごくショックを受けたものの


これ以後はあんな人とは

私と2人の時に
どんなに優しくされても

距離を置かなければ

と気づいた私だった。








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