《謎の想》戦争
※フィクションです。
私が生きているうちに
戦争を体験するとは思わなかった。
もう家はない。
集団生活なんて
私には絶対無理だと思っていた。
そんなことを言ってられない。
砂とテント
戦車と戦闘機
黄土色の世界。
何で?
あんなに平和だったのに。
あんなにカラフルだったのに。
どうして?
どうしてこんなに怯えて暮らさなきゃ
いけないの?
家族もバラバラになってしまった。
無事なのかどうかもわからない。
家族を想うと涙が…
戦車の音
轟音ばかりの日々。
安心して静かに過ごしたい。
音楽を聴きたい。
音をあじわう余裕なんてないけど。
穏やかに過ごしていた日々が恋しい。
怖い。
1人はこわい。
他にも人はいるし
最低限、話はするけど
みんな孤独だ。
話す気にもなれない。
ここを離れて
家族を探す?
身体の弱い私が
無茶だ。
たいした距離を歩くとこもできないだろう。
私は何のために生きてるんだろう。
みんなのお荷物にしかならないだろう。
いつの間にか私はテントを離れ
あっさりと
この村から出てしまった。
これからどうしたらいいのか。
何も持ってない。
野垂れ死ぬってどんな感じなんだろう。
食べなくても
水はどうすればいい?
こうなったら
いけるとこまで行ってみよう…
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