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【雑記】大学入学共通テストに挑戦してみた
2025年1月18日・19日は大学入学共通テストでしたね。通勤電車の中、土日なのに制服姿の方々がたくさんいて、最初は気づかず「??」と思いながら乗っていました。
私もかつてはセンター試験を受けた身です。通っていた高校は田舎ながら進学校でして、東大・京大受験を目指す秀才・天才組と机を並べて授業を受けていました。そのため実力テストは彼らの実力を測るため、「あえて平均が30点になるよう作りました」とかのたまう教科があり、トップレベルを除く一般people号泣の三年間。それでも100点を取る人がいるから次はさらに問題がひねくれる。あ、私は当然一般の方。烏合の衆です🐤
まあ実力はともかく、高校三年の冬はとにかく勉強をした記憶があります。授業はそのころにはとっくに終わっていて、センター試験前は、模擬試験(過去問)日→復習日→予習日→模擬試験(過去問)日→復習日→予習日……という無限ループがきつかった記憶があります。一日風邪こじらすともうドロップアウトなスケジュール。
そして受けたセンター試験。別に遅刻しかけたとか、何のドラマもありません。時間通りに受けて、結果は……イマイチでした。いまだにそれぞれの教科の点数を覚えているのです。悔しかったのでしょう。今となっては、もっと取れるはずだったとは思いません。それが実力だったということです。
まあそんな思い出もあり、会社についてから新聞をペラペラとめくる。中央あたりにありました。明らかに文字が小さくて読むのが嫌になるエリア。ちゃんと解答も載っている。覚える系のものは無理だろうけど国語はいけるかもしれない。ちょっとやってみようかな、と思い古新聞になったあとで持ち帰りました。
そして迎えた受験日(定休日)。早起きして時計で時間を計り、受けてみました。
国語:-7点(現役時代の点数との比較)
…………微妙。ネタにするにはあまりに微妙。
いやいや。国語だけで一概にはいえない。他もやってみよう。
世界史:-13点 日本史:-7点 英語:-24点
※英語はリスニングが受けられないので、リーディングの点を2倍して比較しています。
暗記ものの科目なんですが、想像していたよりはずっと良い。正直、もっと点数を落とすと思っていました。というか落としてほしかった。格差が無さすぎると「何だったん、あの三年間」となる。めちゃめちゃ詰め込んだのに。
なお、こちらの3科目は正直言ってちんぷんかんぷんでした。
ただし記憶力を問うというより、設問が文章になっていて、全体的に見て多分こっちだろうなとか、こういう話に持っていこうとしてるんだろうなとか、提示された資料を読む限りこれだろうなとか、あたりをつけることができました。
昔よりもマクロな視点を持てるようになった、とポジティブに解釈することにします。
そんなことより(というのもなんですが)、問題は国語ですよ。国語力って人生経験を重ねることで上がっていくもんじゃないの? 何故下がる。古典・漢文もありましたが、そちらは現役時代とだいたい同じくらいの割合で取れていました。
こちらも考察すると、昔に比べてじっくり読むということが出来なくなっている気がします。最近ネットでも本でも流してしまう癖がついています。ちょっと別のことを考えていて読めなかったり聞き取れなかったりしても、そのまま流してしまう。
「マクロな視点を持てる」というと聞こえがいいけれど、きちんと捉えられないのであればそれはNG。今回の出題元の著者にも申し訳ない気持ちになったため、購入することにしました。
国語 第1問は、高岡文章「観光は『見る』ことである/ない――『観光のまなざし』をめぐって」の一部より。こちらは以下の本に掲載されているそうです。
↑なんと品切れ中。
共通テストに採用されるなんて一大事なのだから、増版&大量仕入れすべきですよ、本屋さんも是非。『全国共通テストで出題されました』コーナーを作りましょう。
しかたないので私は古本をポチりました。
ミシェル・フーコーの「まなざし」の概念を用いて、ジョン・アーリが「観光のまなざし」を出版。それを主題にした論のようです。
出題されていた一部だけですが、言語化されることで気づかされる視点があり興味深かったです。まあ、きちんと捉えられてないんですけどね!
国語 第2問は、蜂飼耳「繭の遊戯」(2005年発表)の一節より。こちらは以下の本に掲載されているそうです。
↑絶版? 現在お取り扱いできないそうです。
共通テストに採用されるなんて(以下同文)
こっちは古本も見つからず探し中です。コメント欄に書いてくださっているのを見ると「野性時代 第21号」に掲載されたようですが、それも2005年。手に入りません。というか、極上掌編小説ってタイトルが良いじゃないですか。是非こっちを手に入れたい。
この「繭の遊戯」、一節ではありますが面白い。人間の生々しい感情が描かれていて、私には書けないやつだな、と思う。そして設問がまたすばらしい。「最も適当なものを選べ」系なんですが、なかなか言葉にするのが難しい要点をさらりとまとめてるんですよ。秀逸な選択肢を見つけると「うぉぉおおそれーー!!」と叫びそうになりました。いや、家だから叫んでもいいんだけど。
問題は解かなくとも、日頃より掌編に親しんでいる方は是非、数日前の新聞を開いてみてください。
ちなみにこの掌編、「ヒス構文」が使われていたことに注目が集まっていました。私は読み飛ばしてました。読み返して「……ああ、ほんとだ」と無感動に呟いてしまった。普段から気にしてないんだろうな。
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