永遠を旅するⒶ
単なる俳人だろうか?
雛の家の句は訪問者の目に触れるように貼られた。
すなわち分かる弟子には分かる文面になっていた。
泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も眠れず
物騒な事態のなか目覚める人はいらっしゃるかも⁉
破壊された町に涙を流しても目覚めない人はいる?
善い伝統を後継者につなぐ‥芭蕉のなかに観える!
中国文化を採りいれた卑弥呼の究極に通じる覚悟!
偉大なる意志に導かれるように芭蕉の旅は始まる!
古きを去って新しい時代を出発する‥門出の叫び!
病鳫の夜寒におちて旅寝かな 芭蕉
(やむかりのよさむにおちてたびねかな)
悠久を素敵に旅するには旅寝を恐れていられない。
使い古した過去に囚われることなく始めなければ。
旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 芭蕉
(たびにやんでゆめはかれのをかけめぐる)
今生(の旅) を終える際に芭蕉の意志が顕れた一句。
旅はまだまだこれから何度でも何遍でも愉しもう。
一貫した姿勢に芭蕉の文化・想いを見た気がする。