しょうもない 誤変換する 脳みそを 愛で慈しみ 誇りつつ酒
今日の英語
It’s all about the prompts. 要はプロンプト次第
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他大学との合同ゼミの楽しみは、学生の発表を見て「今時の若者も捨てたものではないな」と偉そうな感想を持つこと。そして各ゼミ担当教員について知らなかった情報を知りニヤニヤすることである。最近混ぜていただいた合同ゼミでは、朝一に各ゼミ代表によるゼミ紹介とセットで学生の情報収集と独断と偏見による教員紹介があり、午前10時くらいの段階で僕はそれなりに満足していた。懇親会まであと9時間。それまで何をしようかと悩む。
会場大学となった法政大学のN教授が111ヶ国を訪問されたこと、また関西大学のO教授のこれまでの印税は、ChatGPTの計算によると3000万円以上になるということを知った。景気が良く、誠に結構な話である。どの紹介もプライバシーへの配慮がゼロで素晴らしい仕上がりだった。ちなみに以前ChatGPTに確認したところによれば、僕は大学教員ではなく絵本作家らしい。3回確認したが相手は3回ともそう言い切り、最後は「あなたがしつこいからここまで教えますけど」という感じでかなり詳細に教えてくれた。自分がそれまで知らなかった自分について知ることができて嬉しかったが、ChatGPTが少しウンザリした風に答えた(気がした)ので複雑な気分にさせられた。こいつはシステムが認めた人間じゃないと正しい情報を生成しないAIなのかもしれない。ということは、きっとO教授はChatGPTが認めた人間なのだろう。これからはもう少し親切にしよう。
ゼミ生による僕の紹介もあり聞いていたが、ゲテモノを食べるとか、よく居酒屋にいるとか、どうも誤情報が多い気がした。ChatGPTで調べたのかもしれない。僕はシステムに認められていないと思われる人間なので、嘘八百並べられた可能性が高い。この辺りのリテラシーを指導するのも教員の仕事である。
この紹介の中で「先生は居酒屋で優勝することが好き」と言われた。
居酒屋で優勝... 。ナニソレ?
そういえば前日、錦糸町にある大正8年創業の焼鳥屋で飲んだが、閉店時間直前になると混雑していた店は僕一人になっていた。最後まで飲んでいた唯一の客ということで、ある意味優勝したのかもしれない。そういうことなのか?
調べたら優勝はネットスラングで「テンションを上げる」という意味とのこと。また件の学生を尋問したら、乾杯するという意味でも使えると供述した。優勝という言葉はここまで拡張された使い方をしても大丈夫らしい。
合同ゼミが終わり教員による挨拶の時間になった。印税が凄い関西大学のO教授は短歌がお好きらしく、歌人・升野浩一氏による「だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け」という作品を引用された。
最後の「咲け」が「酒」に聞こえて、僕は「今日の懇親会ではとことん飲んで、優勝を狙おう」と思った。