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酒部朔
2022年5月30日 01:09
赤い雲が裂けて森の奥の一本の樹に落雷する燃え広がることなく昼間のように明るく燃えるリスは非常食を持って逃げたひっそりと深い森の奥誰も知らないわたしの胸の中一本の木が燃える燃え尽きる様子のないそれは光の樹のようになり神様の遣わした大きな鹿ああわたしは滅んで行くんだねそして生きていくんだね涙は蒸気に変わるわたしの顔を焼く見知らぬわたしになるわたしはわたしの髪を捧げる
2022年5月22日 01:53
安全剃刀の音朝から響いて洗面台の角に当てる音する私は二度寝のクマに襲われ抱き合い布団絡れこんでる掛けっぱなしレコードの針見放して浮きスイッチの緑付きっぱなしバッテリーのない掃除機がすうすう言う炭酸水を飲む牛乳を温めるコーヒー淹れ怖いものない最強目玉焼き日曜の朝方はわたしたちの勝ちで終わる
2022年4月28日 03:18
2月生まれ占いは絶好調予定が全てうまくいく君に会うことをかっことじで全部保留にしている顔を上げると赤信号で占いは到底当たると思えない目の奥がたまに痛んで僕を小さくする住んでいた古いアパートが解体されるので毎週写真を撮りに通った5週間で更地になったそこには居場所を無くした幽霊が2、3人物憂げに佇んでいる新しい建物が建つのは早かった僕はよそへと越した越した家は角部屋
2022年4月24日 05:46
喉にナッツのカケラが詰まって咳き込んだ君が寝ているのに構わずに東京の月島のワンルーム川の匂いとソースの匂いのする中間流行りのモツ屋の行列で取っ組み合いの喧嘩を見たドラマのように川沿いを歩く二人を見た小型犬を抱いたサングラスの芸能人を見たボラを釣る人達はたくさんいた僕は小さい箱の中で寝転んで住人の騒音を聞いている君が小さい箱の中に切り取った求人票を隠しているのを知っているまるで