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朝日を見て人について考える

私は朝早く起き、日の出を拝みに山に登った。夜明けの鮮やかな赤色の空は日の出の前座としては勿体ないほどに綺麗で、朝日が徐々に山を照らしていく。山道を一時間ほど歩き、山頂にたどり着いた。昇ってくる太陽が辺りを黄色く染める。私は朝の四時に起きたかいがあったと思いながら、生暖かい朝日の光を浴びた。

すると後ろから「ガサッ」という音が聞こえ、振り向くとそこには鹿がこっちを見つめていた。写真を撮ろうかと迷ったが、変に動くと逃げられてしまう。私は何もせず、鹿も安心したのか、辺りの草を食べ始めた。

そうか、君は日の出を見に来てないのか。

私はまた日の出の方に目線を戻し、ふと思った。

鹿も鳥も犬も魚もこの美しい朝日を見て何も思わない。詩や感想を書こうと思わない。誰かにこの絶景の話をすることもない。人間だけだ。

他の動物は今を生きている。その瞬間お腹が空いていたら食べる。眠たかったら寝る。だが人間は過去から学び、未来を描き、それに向かって歩んでいける。それは人間しかできないことだ。

それならこの感性を大事にしないといけない。この日の出が奇麗だと、この美しい地球を守れなければと思える内は何かしらの責任があるのだ。

私は山頂でそう思い、人間として生まれてきたことに感謝した。

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