グランディア冒険奇譚 番外編「グランディア」プログラマー座談会<前編>
『Beep21』で好評連載中の回顧録コラム「グランディア冒険奇譚」。
こちらの連載を開始する際、「グランディア」ストーリー監督の本谷利明氏のリクエストで、「グランディア」の開発でプログラムの中心人物であった3人に集まってもらい、座談会を行った。元はコラムの執筆ネタの取材でもありましたが、「グランディア冒険奇譚」の内容を補完する「番外編」としてお届けすることにしました。当時のことを話すうちに、トータルで4時間(!)もの座談会となった中から、今回はその前編をお届けします。ぜひご覧ください。
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まずは自己紹介から
本谷:今日はお集まりいただきありがとうございます。「グランディア」における私の仕事は、イメージボードやストーリー、シナリオなどが中心だったのですが、セガサターンというハードや3DCGグラフィック技術やそういう話も聞きたい人も多いだろうと思い、皆さんに集まっていただきました。
「グランディア」開発当時、ゲームアーツさんの社内にアニメーター用の作画机など置いてもらったんですが、実際にゲームを作っている方々のエリアにはあまり入らせてもらえなくて。開発チームの皆さんとお話しする機会っていうのは、開発スタートしてから2年ぐらい経ってからだったと思うんです。なので、その間に何があったのかをお聞かせいただきたいな、と思っています。
まず最初に自己紹介をしましょうか。「グランディア」では監督という役職に就きました。プログラムなど開発周りの監督は宮路武さんで、ストーリー関連の監督は私と2人監督体制になったんです。最初はデモの演出をやるということで、制作期間も半年程度ということだったんですが、最終的には監督ということでストーリー全部を任されることになりました。
石川:石川と申します。「グランディア」では戦闘システムの設計から演出も込みでプログラムを担当しました。「グランディア」の前は「LUNAR エターナルブルー(1994年)」(メガCD)で、やはり戦闘システムを作っていました。
大畑:大畑と申します。よろしくお願いします。メインプログラムを担当させていただきました。「ぎゅわんぶらあ自己中心派(1990年)」「天下布武(1991年)」という流れで「グランディア」立ち上げに関わりました。「グランディア」では主にフィールドの移動や開発支援ツール等を担当しました。
小山:小山と申します。クレジットでは「システムデザイン」と出てます。「LUNAR エターナルブルー」に関わっていたのですが、セガの新ハードの新規大型タイトルをやるということで「グランディア」に入りました。セガさんから借りた開発途中の基板だけのサターンで、技術テストやシステム関係を作っていきました。
「背景が回るRPG」としてスタートするも……
本谷:では私から皆さんに聞きたいこと、いいですか? まず「グランディア」の企画はいつごろから始まったのでしょうか?
大畑:この中では初期から「グランディア」に関わっているのですが、いつごろだったかな……(笑)。元々は「フロンティア」というコードネームで進めていたものです。それまで「ぎゅわんぶらあ自己中心派」や「天下布武」に関わっていたのですが、様々なジャンルのゲームを作りたいと考えていたこともあり、(宮路)武さんから「次は何をやろうか?」と言われたので、RPGを作りたい!と。ちょうど自分がメガドライブの「ランドストーカー(1992年)」にハマっていて、「クォータービューでやりたい」「背景がぐるぐると回ったら楽しそう」みたいなところからスタートしました。
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