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セガサターン30周年! 当時の制作者が語る秘話シリーズ「RAMPO(ランポ)」─「夢見館の物語」制作後の出来事─ 鈴木幸一
『Beep21』セガサターン30周年記念臨時増刊号の特別寄稿として、セガサターン初期に発売された実写とCGの融合したタイトル「RAMPO(ランポ)」の制作秘話をお届けします。語り手はメガCD「夢見館の物語」で新境地を開拓した鈴木幸一氏。
「夢見館の物語」の制作秘話はメガドライブミニ2発売時に、3回にわたり初公開エピソードが明かされています。
今回の「RAMPO」の制作エピソードは、「夢見館の物語」からのつながりと、その後「サクラ大戦」に至るまでの接点が、初公開資料とともに明かされていきます。ぜひ最後までご覧ください!
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セガサターン30周年記念号というお目出度い席で、有り難くも恐れ多いことに当時の回顧録を書かせて頂くこととなりました。末席を汚し恐縮の至りですが、せっかくですので「夢見館の物語」の後の出来事を、少しだけお話しさせて頂こうかと思います。
夢見館の次の話
メガCDで「夢見館の物語」を作り終えた後、私はシステムサコムを退職。フリーランスとして活動をはじめました。
当時社内では「夢見館」の続編の企画が進んでいましたが、ここで私は一旦夢見館シリーズのプロジェクトから離れる事になります。
とはいえシステムサコムにはその後も外部企画メンバーとしてお世話になり、特にマーク・フリントと一緒に取り組んでいたのが、CD-ROMの莫大な容量をテキスト辞書として使用した、感性入力による新しいストーリー分岐システム(プロジェクト名: 「サンチョ (SANCHO)」)の研究開発でした。
宇宙船内の人工知能と会話をしながら物語を進めるストーリーで、一見ノベルウェア的な「テキストを読ませる」ゲームに回帰したように思えますが、ポイントはプレイヤーの感情によってストーリーを分岐させる、という点。
見た目は普通の選択式アドベンチャーゲームですが「テキストの早送り(スキップ)タイミング」や「選択肢が表示されてから回答するまでの時間」といったプレイヤーの操作をシステムがキャプチャし、それらをパラメータとしてプレイヤーの感情を分析。「現在の会話にイライラしている」「集中して会話を聞いている」といったプレイヤーの感情によって、ゲーム中の人工知能がプレイヤーへの対応を変化させる、という仕組みを考えていました。
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『Beep21』セガサターン30周年記念臨時増刊号
1994年11月22日に発売され、セガの国内家庭用ゲーム機で一番普及したセガサターン。その30周年を記念して当時のクリエイターの方々からの…
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