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『Beep21』─真・セガハード列伝 Vol.12─開発設計者・浜田和彦氏が明かす「セガサターン30年目の真実」 中編


セガハード開発者自身が当時のセガハード開発者へインタビューをしていき、当時の(ハード開発者も知らないような)知られざる真実を明かしていく「真・セガハード列伝」

ナビゲーターを務めるのは、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャストの三世代にわたり、セガのハード開発に携わってきた戸崎健司氏。

「真・セガハード列伝」のナビゲーターを務める戸崎健司(とさきけんじ)氏はセガでコンシューマゲーム機の開発部門に所属し、周辺機器などの開発を担当。セガ入社はメガドライブが発売された1988年。セガ退職はドリームキャスト撤退時の2001年。13年間セガのハード開発部門に在籍した当時の話はこちらの記事で掲載中。

セガサターン30周年を迎えた2024年。セガサターンの設計を担当した浜田和彦氏へのインタビューで明かされたセガサターン開発初期段階においては、3DOを出したパナソニックへの視察や、ソニーとの共闘提案、そして開発初期のライバル機が任天堂スーパーファミコンであったことから、"最強の2Dマシン"となっていった経緯などが明かされました。

▼「前編」はこちらから

今回は実際にセガサターンが設計されていく過程で、どのような検討があったのかについて、詳しくお届けしていきます。30年目に明かされる数々の証言をお見逃しなく!

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CD-ROMとカートリッジ両方載せてしまえ!

──前回のお話では、時代はまだまだ2Dの時代。3D CGのゲームを作れる人はセガの中でもAM2研の一部の開発者だけだった…という当時の状況が語られていましたが、一方でゲームソフトはカートリッジか、CD-ROMかという議論も当時はあったと聞いています。(セガの社長の)中山(隼雄)さん(※当時)は、カートリッジをしていたようですが、時代の流れを見たらCD-ROMは大容量であるし、安価でもあります。最終的に開発側ではどういう議論があったんですか?

【浜田和彦(はまだ かずひこ)】1983年4月セガに入社。鈴木裕氏と同期でもあった浜田氏は、鈴木裕氏が手がけた大ヒット体感ゲームシリーズの基板「ハリアーボード」「アウトランボード」「X-BOARD(アフターバーナー)」「Y-BOARD(パワードリフト/ギャラクシーフォース/G-LOC等)」の設計開発を担当。その後、システム32を手がけたのちに、セガサターンのプロジェクトにチームごと異動。任天堂のスーパーファミコンの後継機が登場する前夜、数々のライバルゲーム機がひしめく中、セガサターンを設計し、次世代ゲーム機として完成させた。その最初の経緯は「前編」にて公開中。

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