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日々是分岐─セガサターン名作「街」の総監督が語るサウンドノベル回顧録・第八回「サウンドノベルの原型と誕生」 麻野一哉


セガサターンの名作「街」の総監督を務めた麻野一哉あさの かずや氏のロングインタビューに続いて、麻野氏自らが当時の開発の裏話を回顧録としてつづっていく連載コラム日々是分岐ひび これ ぶんき

▼過去の連載コラムはこちらから

第八回目の今回は「弟切草」以前の最初のタイトル案の話が出てきます。

麻野一哉氏のインタビュー記事とあわせて、ぜひご覧ください。

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9.物語のはじまり

今回は、ひさしぶりにストーリーの話にもどる。

「大学生のカップルが、見知らぬ洋館に迷い込み、恐怖体験をする」

ここまでは決まった。しかし、細かいことはなにも決まっていない。

当時の仕事の進め方としては、コマンド系の仕様が決まったので、プログラマーはそれを実装していく。麻野は一人でシナリオを書き、それを会議で発表、みなの意見を聞いて修正。また次の会議までに書き直しと追加を書く、ということになっていた。会議は週1だったように思うが、当時のスピード感だと、2,3回はやったのかもしれない。もう覚えていない。

前にも書いたが、麻野はド素人しろうとなので、どうしていいか手探りで考えるしかなかった。シナリオ入門とかそういったたぐいの本を見ると、プロットや箱書きという言葉がでてくる。細かい内容を書く前に、まずは、全体のあらすじを決めて、つぎに、どういう事件がどういう順番で起きるかを、あらっぽく決めておくことらしい。

そういうことを知って、頭に浮かんだのは、こんなものだ。

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