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意地悪な、夏

2024.7.25 (木) malicious summer


蝉が早朝から元気である。
「今年の蝉は少し元気がないな...」という意見を述べている人がいた。
私は「へぇ〜そうかな?」くらいにしか思わなかったが、その意見を聞いて
「私も」「私もそう思っていた」という方が続々現れて、そうなのか…と思っていたが、やはり今朝の蝉の鳴き声を聞いているとなかなか元気だと思う。

それはそうと、元気がないのは我が家の夫である。
昨夜、新型コロナに罹患していることがわかった。
「熱がある」と言いながら会社から帰宅して、夜間診療をしている病院で検査を受けたら陽性だった。
「ヤバいよ、ヤバいよ」と、出川哲郎の声がする。
出川さんのあのギャグはどんな時に使うのだろうと思っていたが、こんな時なのだな。今の私は本当にヤバい。
私にうつると、私はお芝居(現在進行形の)に出れなくなる。出れないと代役を立てなきゃいけなくなる。それだけならまだしも、他の劇団員にうつしでもしたら…想像力が膨らむ。
夫もあちらこちらに今入っている仕事のキャンセルの電話をしていた。
熱はあるものの軽症らしいので5日ほどで良くなるらしい。
今日から私は夫の症状が良くなるまで単独でホテル生活に入る。食料などは私が買って届けることになる。

大変な夏の幕開けといったところだろうか。
暑さだけでも大変なのに、と、ため息をつく。

出しそびれている暑中見舞いの葉書が一枚ある。
夫の大先輩に向けての暑中見舞いで、素麺を送って下さったことに向けて
3日ほど前に書いたやつだ。
そこに『夫婦共々元気でやっております』と書いたのだ。
年賀状や暑中見舞いに書く『元気です』などの言葉はある意味決まり文句みたいなもので、いちいち『体調崩して寝込んでいます』などと書く人はいないだろう。
そうは思うが、嘘を書いて出すのは…と、躊躇している。
いっそのこと出すのをやめようか、夫が回復してから出そうか?
いや、もうそんなことも考える暇はない。私は生き延びねばならぬ。

今日は天神祭の本宮で、祭りのお囃子の音がこの街にも流れている。
さっきスーパーに行く途中で、こども神輿が通って行ったのを見た。
私は祭りは嫌いではないが、それに参加するのは好きではなくて、少し離れてところからその音や騒めきなどを聞くのが好きだ。
奉納花火も打ち上げられるが、それも音だけで十分である。
雲が多く、天気は不安定。花火は大丈夫だろうか。
とはいえ、今年はその音すら楽しむ余裕すらないかもしれない。

スーパーで飲料や簡単に食べれる食料を買い込む。
看病してやれない申し訳なさも含めて心を込めて買う。
心を込めて買う…ってどういうの?自分で書いておきながらうまく説明できない。

さっきの暑中見舞いは出した。
社交辞令たっぷりの文面で…

みなさまもご自愛ください。




読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。