寒晴れ...想いは果てしなく清浄
うすのろ日記 2025.1.17(金) symbolize purity
寒い。
でも晴れている。
この季節が好きで、寒晴れの日はなおさら好きだ。
洗濯物を干しにベランダに出る。
サングラスが欲しくなるほどの眩しい光とピリッと刺すような冷たい空気。
清浄を感じる。
洗濯物を干す手を少し休めて、その清浄さを身体中で受け止めるべく深呼吸をする。素敵だ、私は生きている。
昨日、20数年前からお付き合いのあった大先輩が亡くなったという知らせを受けた。
文学に精通してらして、作家と読者あるいは作家と作家志望を繋げるという活動を長年やってらした女性で、私はその方のおかげでいろんな方と知り合いになり、さまざまなことを教わった。
数年前に股関節を骨折されてからほぼ寝たきりになったということは知っていたが、その後数年間の介護生活の末、最終的に誤嚥性肺炎で亡くなられたとのことだった。
いろいろお世話になったのに、どうして私は彼女が一番苦しい時に何もお手伝いができなかったのかが悔やまれる。
私の家から徒歩10分くらいのところに住んでらして、お元気な時は通りをご主人と仲良く歩いてらっしゃるところや、ライブハウスの片隅でお酒を飲んでらっしゃるところによく出くわしていた。
私はそんな姿を最近見かけなくなっていたことに何の疑問を感じずにいた。
自分のことで精一杯だったのだと思う。
「ありがとうございました」の一言も言えずじまいだった。
寒晴れの空の下、心の中で「ありがとうございました」と言った。
『あんたさ、今頃何言ってんのよ』と叱られそうだが…
最期は、彼女が好きだった本の一節をご主人が読み上げて旅立ったらしい。
彼女は何の本が好きだったのか、それさえ私は思い出せないでいる。
生きてる人間は生きる義務がある。
悲しくても寂しくても、それは義務なのだ。
洗濯物を干し終わる。
私のいち日が、彼女が味わえなかった1月17日という日が始まる。
*
口角炎が痛い。
そんなことしか思い浮かばない1月17日の私であるが、
長いよ、これから。
まだまだ私の人生はは続くのよね。