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この世界には9月という月があったんだ

2023.9.1 (金) September


9月になったようだ。
テレビで誰かが言っていた。
「8月32日の気分です、9月になった気がしませんね」
確かにそうだなと思った。9月=秋というのは、昔に流行った歌の歌詞の中くらいにしかないのではないか。

さて、9月である…
…いくら考えても9月だからという話のネタは思いつかない。
昨年の9月1日のように、雨も降ってないし竹内まりやの「September」の曲ももう聴かない。
本当に今日は8月32日かもしれないぞ(なわけない)

昨年と違うことは、マンションの周りが工事現場だらけになったことだ。
古くからあったビルが取り壊され、新しい何かが建設されている。
ベランダからざっと見渡しても4箇所の工事現場が見える。
工事現場フェチとしては楽しい光景ではあるが、時々ものすごい音がするのにはびっくりする。ガゴ〜ン、キュイィ〜ン、ドッスン、などの音がするとネコと顔を見合わせて驚いている。
何ができるか知らないが(1箇所はタワマンだと聞いている)なんか、楽しく便利なものができるといいなぁと思いながらクレーンの美しい動きを見る。

昨日買った本たちを紐解き、その中の一冊を読み始めたのだけど、
むず痒い違和感が読んでる最中ずっと付きまとっている。
何でだろうと考えながら読んでいた。
それがさっきわかった。
その本は『もっと楽に自分らしく生きるためにこういうことを実行しています。あなたもやってみませんか』的な話を多方面のいろんな方々の言葉でエッセイ風に書かれたものだ。
その内容はそれぞれの考えの元に書いてあって間違ったことは何もないのだけど、そこに登場している方々は、自分の好きなことを仕事にしている方々ばっかりだった。これを一般の方が読んで「わぁ、素敵。私も真似しよう」と思うとかなり危険だなと思った。
自分の好きなことを仕事にしている人と、日々の生活のために好きでもない仕事をしている人との差は大きい。
理想の仕事に就いて理想の生活をしている方々がそうでない一般の方々に『こうすると生活が楽しいよ』と提案するところに私のむず痒さがあるのだと思う。
私が編集者なら、日々の生活のために好きでもない仕事をしている方々の話を載せるだろう。それの方がよっぽど人生の参考になる。
でもそれじゃ売れないのか…と、冷笑する。
ポリコレってこと? ん、違う…?

そんなことをあれこれ考えていたら、スマホに緊急連絡が入った。
『大津波が発生したので3階以上の建物に避難してください』
と表示されている。
大阪880万人避難訓練だと知っているからびっくりはしない。
「ここは15階だから大丈夫!」と、何もしなかった。
これで訓練になるんだろうか…?
いざとなったら…と、思うと何もかもが甘っちょろい。

9月だってさっ。









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イトカズ
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。