執着に打ち勝つためのロジック
2024.8.1 (木) a system of reasoning
ホテルの窓から下を覗き込むと、駐車場が見える。
常に20台ほどの車が停まっているが、真上から見る車体には眩しいほどの太陽の光がこれでもかと照りつけていて、いつかその光で車が爆発してしまうんじゃないかと不安になる。
こんなことって起こるの?ということが今は起こる時代で、ニュース番組で『駐車中の車が太陽の熱のより爆発しました』とアナウンサーが叫ぶ日も近いかもしれない。
休演日だ。
明日のソワレまで休みなのでほぼ1日半の休みだと言ってもいいだろう。
そして良いか悪いか、あれよあれよと8月に入った。
あまり、いやまったく好きじゃない月だ。
理由は何度も書いているので書かないが、とにかく1分1秒でも早く過ぎ去ってほしいと思っている。
飽きずに窓から駐車場を見つめる。
駐車場の横にある歩道をジョギングする年配者がいる。
外の気温は38度だ。
その年配者が私の親族なら、首根っこをひっ捕まえてでもやめさせる。
今、見えている人は名も知らぬ他人だから私の預かり知るところではない。
先日、ドキュメンタリー番組で救急隊を特集していた。
熱中症での救急搬送が多いために通常の病気での搬送が遅れているということを言っていた。
ほぼ休みなく救急隊員は動き回っている。かかってくる電話は『熱中症で…』ばかりだ。
この番組の最後に、登壇していたコメンテーターの方が、
「熱中症は自分で予防ができる疾患です。私だけは大丈夫と思わずに、自分でできる予防はやりましょう。エアコンをつける、水分を摂る、暑い時はなるべく外に出ない、日傘や帽子などを利用する。こういうことをするだけである程度防げるし、本当に救急車が必要な人に対応できるようにしてあげましょう」
と言っていた。私もそうだなと思った。
『風が吹けば桶屋が儲かる』という諺があるが、自分が熱中症になれば…
どこにどんな影響がありどういう結果になるのか、という想像力を養ってほしいと思う。無理か、今の日本じゃ…
昨夜の公演の帰りに劇団員数人で、居酒屋に寄った。
そしたら近くに若いグループの人たちがいて、大きな声で話していたので内容がまる聞こえだった。
『執着』と『こだわり』は似てるようでまったく違うということを延々と話していた。
彼らが言うには「執着は、何かに執着していないと不安という気持ちの表れ」で「こだわりは誰が何と言おうと自分の決めたことをつら抜く気持ち」という結論に達したようだ。そして『執着は今すぐ捨てよう!こだわりを持って生きよう!』と盛り上がっていた。
私たちもわかるわかると頷きながら聞いていた。
でもね、誰もが執着は捨てたいけどなかなか捨てられないものなのだよと言いたかった。過去の栄光や、好きじゃない友達や、やりたくない仕事や、SNSなど、本当ならそんなものに執着しないで、切り捨てたいけどそれが心の拠り所な人って確実にいると思う。
などと、思いながら生ビール2杯飲んだ。
さっきジョギングしていた年配者も、
何かの執着から離れられないのだろうな。