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ミャンマー再訪

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「私」のミャンマー・ラカイン滞在記。 「伝える」など高尚な目的はなく、ある出来事と私の心の変化を書いてます。 マスコミESに書けば確実に落ちる文章と内容。
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#雨

スタディーノート6 浸水

スタディーノート6 浸水

生まれて21年、初めて洪水というものと対面した。水位がサンダルの底の高さを越えた時、私は屋台で朝食を取っていた。幸運であったのは目の前に麺をすするフロントマンが座っていることである。一人でずぶ濡れのまま、凍えながら啜る暖かいスープなど孤独の極致に違いない。
 9月10日(月)、シットウェは今雨季でも群を抜く豪雨に見舞われた。浸水してしまったメインロード界隈の食品店の従業員たちは椅子の上にしゃがみ込

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スタディーノート5 アラカン人の一面が垣間見える日

スタディーノート5 アラカン人の一面が垣間見える日

現在私が滞在しているシットウェでは、多くのアラカン人が「アラカンヒーロー」として崇め奉っている一人の僧がいた。ビルマの英領からの独立運動に貢献した、ウーオッタマ僧である。
本日9月9日は彼の命日である。昨晩、ビールを飲んで酩酊状態のまま床に就いた私は、翌朝太鼓の音頭と特大スピーカーにより何倍にも増幅された歌声で目を覚ました。朝から何事であるか。歯磨き粉を乗せた歯ブラシを持って外に出ると、学生ほどの

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スタディーノート3 親密圏喪失の危機

スタディーノート3 親密圏喪失の危機

本日もシットウェは雨である。おそらくこれからの記録も冒頭は雨のことについて書くことになると思われる。元寇を打ち払った神風もかくやと思わせるほどの横殴りの雨なのである。

 壊れたレンタル自転車が直っているか確認するためバイクショップへ足を運んだ。昨日ロヒンギャ国内避難民キャンプへ向かう際、強く漕いだためかチェーンがはち切れていた。店に到着するとすでに自転車は修理されていた。お代もいらないそうだ。

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スタディーノート2 教職者

スタディーノート2 教職者

「シットウェ滞在2日目を終えて」
 9月6日(金)午後9時。とうとう2日目を終えた。今回の滞在で大誤算であったのは、未だミャンマーが雨季の時期にありスコールが頻発することだ。外にさえ出れないのである。ましてや高価なカメラを持ってなど。何か対策を考えねば。来月からは雨天の日が少なくなるらしい。
  この二日間でロヒンギャ国内避難民キャンプへは入り口まで行ったものの、警察の目がなかなかに厳しいため長

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スタディーノート1 副次的

スタディーノート1 副次的

9月5日(木)、シットウェタイ滞在1日目を終える。現在、「Kiss Guest House」というメインロードに面するホテルに滞在している。ホテル検索サイトで調べると出てくるホテルと同じクオリティであるが、約20ドル(他は35ドル)と格安かつ同年代のフロントマンはフレンドリーであり、居心地が大変良い。

実は一年と5ヶ月前にも同ホテルに滞在していたのだが、ここまで心地よさは感じなかった。フロントマ

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