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理想の巣箱を考える

ミツバチの群は全体として一つの有機体です。体温と頭脳を持ち、ミルクで育児をする1匹の哺乳動物に近いかも知れません。極力ミツバチの生活を邪魔せずに(巣枠の配列を変えたり、蜂球を割らない)作業をし、採蜜の際は少労力かつ効率的に行えるようなメソッドを確立しないとならないのですが、これは蜂場周辺の蜜源環境や養蜂の年間スケジュール、また養蜂家のコンセプトによっても変わってくるので正解はありません。

自分の養蜂スタイル(定地養蜂 ほぼ放任で飼育し年2回採蜜、自然分蜂で増群)にふさわしい巣箱を考えた場合、日本で一般的に使われているラ式巣箱と継箱の組み合わせは「帯に短し襷に長し」でやや使い難い気がしています。ラ式巣ヒ枠の表面積では余剰の蜜や花粉が入ると産卵圏が圧迫され、女王は継箱にも産卵します。産卵圏が継箱にあると、育児圏が上下に分断されてしまい、さまざまな弊害が生まれます。

ところで、海外では、「ラングストロースジャンボ」と呼ばれるやや大型巣箱で育児させ、流蜜期に採蜜用の丈が短い継ぎ箱(スーパーと言います)を乗せて採蜜するというやや放任的なスタイルの定地養蜂をやっている人がいます。産卵圏が育児箱内だけで確保できるので、継箱は採蜜(余剰貯蜜)専用となり、理屈の上では育児を邪魔せずに余剰蜜だけを採蜜できるわけです。

今年の分蜂群は全て採蜜用の継箱(スーパー)に収納し、分蜂群に採蜜用の巣ヒを作らせる事にしました。巣箱が完成巣ヒでいっぱいになった段階で、新王群に合同し、夏の採蜜群に仕立てる予定です。

いまの課題は育児用の巣箱のサイズ感を決める事。一年を通じた蜜源花粉源の開花状況とミツバチの増減を鑑みながら、自分の養蜂スタイルにマッチした巣箱の図面を引いています。私は巣箱の図面を引いている時が一番楽しいです^_^



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