ヤマザクラの種を拾いました
いまの時期は、蜂場のヤマザクラに赤い実がたくさん成っています。サクラは花を愛でるのも良いですが、実を愛でるのもまた趣きがあります。サクラの実はミツバチの受粉によるものだからです。この時期に真っ赤な実をつけたサクラを見ると、ミツバチがたくさんやってきたんだなと嬉しい気持ちになります。サクラの実を見て喜んでいる人はほとんどいないとは思いますが。。
ところで、サクラは自家不和合性と言って、自分と異なる遺伝子を持つ花粉でないと実を結ばないので、実から育てた実生苗はさまざまな遺伝的な特徴を持っています。しかもヤマザクラはサクラの中でも特に個体変異が大きく、多様性に富んでいて、花の色や葉っぱの形、開花時期もさまざまです。
一方でソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを交配させて、接木で増やしたクローンで、個体は違っても遺伝的な多様性はありません。そのため腐朽病やてんぐ巣病などの病気に侵されて、そのまま放置しておくと一気に蔓延し、最後は枯死してしまうと言われています。一斉に開花して一斉に散るソメイヨシノの姿は見事ですが、人間の管理を必要としているサクラなのかも知れません。都会のビル群や学校の校庭などで一斉に咲くソメイヨシノの美しさは、野に咲くヤマザクラの良さとは明らかに質が違います。
拾ったヤマザクラの実はよく洗って冷所で保管し、冷蔵庫で休眠打破した後に播種してみようと思います^_^