ふしぎ
息子が学校で使っている国語の教科書に金子みすゞの「ふしぎ」という詩が載っていました。平易で読みやすく、さまざまな技法が一通り取り入れられているので、テスト問題も作りやすい(?)詩です。教科書ガイドには「4連の口語定型詩」と説明がされていました。
教師向けの指導要領を読んでみると、金子みすゞのこの詩を元ネタにした自分流の口語定型詩を生徒に作らせるとあり、それではと即興で作ってみました。
ふしぎ(50代バージョン)
わたしはふしぎでたまらない
歳を取る毎に一年が
どんどん短くなることが
わたしはふしぎでたまらない
後悔するとわかってて
誘惑に負けてしまうのが
わたしはふしぎでたまらない
同じ時を過ごしたあの人が
いなくなってしまうのが
わたしはふしぎでたまらない
やがてすべてがなくなって
静かな世界になることが
ところで詩を教える時、先ずは「自分で書いてみる」というのは大事かもしれません。あまり言葉を駆使しようとせずに、素直に出てきた言葉こそ本物です。言葉を駆使すればするほど、表現に込めた作者の狙いは見透かされ、詩としての魅力がなくなってゆく気がしました。
ちなみに、息子(中一)が書いた「ふしぎ」ですが、誤字脱字もなんのその、詩そのものが不思議な散文詩となっており、金子みすゞもげっそりの大傑作でした。本人の許可が降りたら公表したいと思います。