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#007 学びと営業の旅(北海道編)-PART2

 意識して旅行をするようになって約1年。1年前も「行こう!行こう!」と勢い優先で北海道を訪れましたが、今年は初日に厳しい天候に見舞われ、流石に参りました。なんとかたどり着けた余市SAGRAでゆっくり食事を楽しみ、ご一緒した金田夫妻のお子さんのアクティブさにほっこり。
 翌日は移動距離も一番短く、予定も未定。まだまだ旅慣れてない状況でどんなことを経験できるか自信がありませんでしたが、流石は北海道。2日目も充実した1日になりました。


〇DAY 2(2024/01/26)

2日目の行程

1.昨年行けてなかったところへ-ニッカミュージアム編

 レンタカーを余市SAGRAさんに取りに向かい、改めて昨夜のお礼を伝えて出発。夜の会食まで時間があったので、余市をめぐるか、小樽によるか、札幌入りするか。
 そういえば昨年「ニッカミュージアムありますよーまだ行ったことないんですけど」みたいな話を聞いた記憶があって、その話をすると「いいじゃん、行こうよ」と昨日の同じノリで向かうことに。

 余市駅前から見えるニッカウヰスキー余市蒸留所。道から見える看板には「見学には予約が必要です」、「予約者限定駐車場」...

おっと、これはいきなり躓いたんでは...
調べるとウイスキー製造工場は予約ツアー限定ということで、今回は予約なしで入場できるニッカミュージアムへ。
ツアーの予約状況をみるに競争激しいみたいですね。行かれる皆様はお早目の予約を。

寒い中お疲れ様です。

 行く前はウィスキーの良さがイマイチ良く分かってなかったし、連続テレビ小説のマッサンも未履修。さてさてどのようなものかなと思いましたが、非常に良かったです。
 入口にはブレンダーズラボ。ウイスキーを飲んだことはあるものの、知識はほぼゼロ。人生経験豊富なビジネスパートナーによる解説を聞きながら展示を見ていきます。
 続いてニッカウイスキーの代表ブランドの紹介。良く見聞きする余市、竹鶴、ブラックニッカ、フロム・ザ・バレル。ライトアップされたガラスボトルと琥珀色の色合いにうっとります。ボトルの造形美と歴史的な背景に大いに惹かれましたね。

冬季&平日の昼間ということもあり、ミュージアムはほぼ貸し切り
ライトアップいいな…

 つきあたりにテイスティングコーナー。もうこの配置戦略的ですよ。これだけこだわりを見せられて、飲めるとなれば飲むしかない。ビジネスパートナーは思いっきり悔しがりながら私に新たな世界を教えるために、ハンドルキーパーをかって出てくれ、「せっかくだから飲みなよ」と。

 おすすめのシングルカスク余市の10年(今回は2007年樽詰め、アルコール度数59%)をテイスティング。とにかく香りが素晴らしく、飲んだあと心地よい余韻が口の中に広がります。これまでの展示で感じた魅力が一気に腑に落ちていく。皆さんが集めたくなる気持ちが一気に理解できるようになりました(笑

17年前に仕込まれた深み

 ごきげんで次の展示へ。

 次は竹鶴政孝氏の歴史。スコットランドの蒸留所を訪ね歩いて学んだことを書き記した手帖が印象的でした。非常に整った文字と柔らかいタッチの挿絵。書き手の性格が表れているようでした。

"のしかかる重圧に耐えかね、オーロラの下で思い切り泣く"

ニッカミュージアム展示より

 この記述も何とも言えない気持ちになります。当時を思えば苦難の連続だったことは想像に難くありませんが、これだけの行動力の方がこうなると思うと壮絶さが伝わってきます。
 その後も苦難の歴史は続きますが、積み上げてきたことが高く評価されている今現在を思うとテイスティングしたウイスキーがより味わい深いものに感じられてきます。
 一生産者としても当時のこの熱量をもってここまでのものに仕上げ、さらに未来へ続く形となっていることに感動を覚えます。

皆さんも是非。

2.一歩前に-西洋料理NiNi編

 ニッカミュージアムを後にして、一路札幌へ。どうもその日に日教組の全国集会が行われるようで交通規制でそこここで道が混んでいたのでそのままホテルにチェックイン。サウナに入って体調を整えてから夕食の西洋料理NiNiへ。
 余裕をもって出たつもりが、場所が分からず到着は予定時刻ギリギリ。しかしながら雪のせいで他の参加者が遅れてしまい、昨日とは逆の様子。1年ぶりにお会いした人もいれば、うちのお肉を食べて頂いてリアルで会うのは初めましての人も。あと驚いたのが「すごい美味い牛があるって言われたから呼ばれてないけど来たんだよ」という方も(笑

 食事はウサギのラグーパスタが好みでした。昨日の余市SAGRAもそうでしたが、ジビエが良い味を醸し出しています。まさに北海道、食材の宝庫。

ウサギのラグーは食感がワイルドで、パスタとの絡みも素晴らしかった

 今回は事前にうちのお肉を送り、シェフにお願いして1皿追加して頂くこともできました。金田さん、手配してくれてありがとう。

山岡牛の肩ロースとネックを使った一皿

 お肉の火の入れ具合も絶妙で、下のそら豆のペーストもお肉とマッチしていてよかったです。シェフに調理して頂くことに加えて、その料理を一緒に食べるなんて夢のよう。有名産地の名産品ならいざ知らず、北海道という大生産地において、うちのような小さな農家の食材を使って頂けるなんて想像もしていませんでした。

 これまでの1年、今まで味わうことのなかった経験がいくつもありました。前回の北海道旅行の際にお会いした方からご注文頂いて、パーティーで使って頂いたり、年末の贈り物にして頂いたり。そしてこの日、シェフにお試し頂き、その一皿を皆さんと味わうことができました。生産者としてこの喜びを感じ続けるためにも、より一層精進していきたいと思います。

3.一年越しのリベンジ

 西洋料理NiNiでの会食を満喫し、ご一緒した方からアパッチという良い店があるとお聞きしたので、「行きますか!」とまた同じノリw
 金曜日とということもありますが、非常に活気のある夜の街。昨年は3軒目でギブアップをしてしまいましたが、今回はやられないようにと気合をいれます。

案内看板も賑やか。流石すすきの。
2軒目はレモンビールで口直し
(かなり酔っていたことを実感しはじめている頃)

 先日のニュースですが、札幌の観光客数はコロナ禍前の水準に回復したそうですが、それでも外国人客はまだ戻っていないようで、今後の伸びしろを残しながらのこの活況。3軒目を出たのが大体3時でしたが、外は酔客でごった返していました。最近は金曜日に広島の流川に行く機会がありませんが、このレベルの盛り上がりは広島では経験したことないですね。物凄い勢いを感じます。

 ホテルまで歩いて帰って、部屋に戻った記憶はあるもののあれやこれやと放置して就寝。翌日は少し移動距離があるので、寝坊できなかったんですが今思えばかなり不安なことやってますね…

〇積み重ねたものの魅力

1.ニッカウイスキーの積み上げてきたもの

 気軽な気持ちで行きましたが、非常に魅力にあふれていました。確かにこれはドラマ化しますよね…納得です。
 「万年筆一本で、わが国のウイスキーの秘密を盗んでいった青年がいた」と言われるほど学び、国内で再現し、その技術を研鑽して今日のブランドに繋がる。得た知識を技師一人一人に注ぎ込み、本場イギリスの技師を驚かすほどの人材が育て上げられている事実が、大きな蓄積であると思います。
 ブレンダーがテイスティングノートに記したという香りの表現も目を引きました。これまで生み出した顧客から期待されている味と香りをどう守るか、同時に新たなウイスキーを追求していく姿勢を持続していくためにはしっかりしたプレゼンテーションは必須。
 この繰り返しをすることで今日の商品ラインナップが形成され、将来を見据えてウイスキーが寝かされていることは歴史を重ねてきた結果を強く実感させてくれます。

2.自分はどう積み重ねるか

 では自分はどう積み上げていくか。うちのお肉をどのように表現し、顧客に伝えていくかは大きなテーマ。今回の旅を通じて、うちのお肉を言語化することがまだまだ足りないことを痛感しました。それに限らず、どのようなスタンス・思想で仕事に取り組むかなど、より包括的に物事を捉えていく必要性も感じています。
 だからこそ今の仕事の分野に限らず、様々な分野の知識を学ぶことによっていろいろな表現から着想を得たり、物事の切り取り方を参考にしなければならないと思っています。ニッカウイスキーのような偉大な歴史ももとは竹鶴政孝氏の小さな積みかさねから始まっています。同様に日々の仕事は着実に積み重ねつつ、その取り組みがどのような目標に向かっているのかをしっかり意識して自身の商品を魅力的なものに磨きあげていきたいと思います。

 刺激的だった2日目はこちらに宿泊。札幌駅からは多少離れていますが、今回はレンタカーで移動するので問題なし。結果的にすすきのから近くて助かりました(笑
 今回のお部屋はシャワーのみですが、広くてリーズナブル。サウナにも湯舟や水風呂はないのでそこはご注意を。個人的にはサウナの混雑具合を部屋から確認できるようになるともっといいなと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も田舎の小さな肥育農家のリアルを伝えていきたいと思います。スキ・コメント・フォローなどを頂けますと励みになります。

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