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「弾ける」ということ

昨日は小さな子が着替えができるってどういうこと?というお話でした。工程を細かく分解してどこでつまづくのかを考えると、何ができて何ができないのかがわかりやすいです。

今日は、バイオリンに当てはめて考えてみたいと思います。

「この曲のこの部分がいつも止まってしまう」
「もっと弓を使ってと言われるけど正直どうしたら良いのかわからない」
「頭ではわかっているけど体がついていかない」

これ、大人の生徒さんの口癖あるあるかもしれませんね。特に3番目。

*これはあくまでも私個人の考え方、私の教室での教え方です。ここで書いてあることが絶対的な正解ではなく、インターネットに漂っている1意見ですので、間違ってもご自身の先生に「ネットではこう書いてあった」なんて言わないでください。そう言われるのは先生の立場としてとても不愉快です。ここで読んだことは「そういう考え方もあるんだなぁ」くらいに胸の内に秘めておいてくださいね。絶対に!

そもそもバイオリンて、日常生活ではやらない姿勢で、普段動かさない方向に体を動かして弾く楽器なので、これまで〇十年やって来なかったことをいきなりやってすぐできる方がすごすぎます。

しかし、楽器の演奏に姿勢はつきものです。なぜその姿勢が良いとされるかにはちゃんと理由があります。なぜ楽器をこの角度に構えるのか、なぜ弓をそこにその角度でのせるのか、なぜ肘の関節を使って弓を動かすのか。なぜ左手首がネックにつかない方が良いのか。

それぞれ、やってみるとよくわかります。そうじゃないと弾きにくいんです。良い音が出にくいんです。
この、「なぜ」がわかるのは大人の生徒さんの強みだと私は考えています。小さい子にいくら説明したってなかなか理解は難しいですが、大人はちゃんと理解すればご自分で考えて弾くことができるのですから。

「正しい弾き方」がどういうことかわかったら、次は、それを定着させることが大切です。それが難しいんですけどね。

そのためには開放弦の練習が最適です。左手はそのあと。

鏡を使っても良いと思います。目印をつけても良いと思います。
が、どちらも目を使って、自分の目で見て確認をします。
最初はそれで良いと思いますがこの時に気をつけるのは、目で見ただけでよし、ではなく、その時自分の体をどんなふうに使っているのかをご自身の体で感じることです。

「自分で思ってたより肘を上げた方がいいな、下げた方がいいな」とか、「気づくと背中が曲がってるな」とか、「だんだん楽器が前にずり落ちてくるな。もっと鎖骨の上に乗せるのかな」とか。

見た目ではなく、自分の体でどの部分がどんなふうに動いているのかを自覚して体の各部位の動きを感じながら弾いてみることが大切です。

そして、それが正しくできているのかどうかを判断するのは「耳」です。

自分がどんな音を目標にしているのか。
それは弓をどこからどんなふうに使って弾くのか。
どうやったらそんな音が出るのか。

どうしても、「弾く」となるとがむしゃらに弓を乗せてただただ左手のことばかりを考えて夢中になりがちですが、まずはゆっくり、どんな音が出したいのか、どうやって弾くのかを頭の中でシミュレーションしてみてください。
あとはそれをトレースしたら良いのです。

そのために、ゆっくり弾く練習や、音階の練習などさまざまな副教材が出ているのです。

あせらないで、ゆっくり一つずつ。

もう少し詳しく具体的な話もいずれしたいなぁ。

Bee

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