療育セラピストのお仕事
私は自宅でバイオリン教室をする傍ら、児童福祉施設で療育のお仕事もしています。どちらがメインでどちらが副業、というわけでもなくどちらもメインです。
療育というのは「治療+教育」で、特性に合わせたまなびを提供することでその子自身の持っている強みを伸ばし、社会で生きていくための力を身につけるサポートをすることだと私は考えています。なので、障害ゆえに持っている苦手さを克服する、とか、特性をなくす、という考え方は好きではありません。苦手なことがあってもそれをサポートできる方法がわかれば良いのです。
覚えるのが苦手な人がメモをわかりやすくとるためのノート術を学ぶように。
療育と音楽教室の相性は良い
共通点は多いです。
どちらも1対1の個別指導であり、一人一人の個性に合わせた指導が必要。その子が得意なこと、苦手なことを見極め、できることから一歩ずつ積み重ねていく。
相手に障害があろうとなかろうと、習得するスキルが違うだけでやっていることはどちらも同じです。療育の仕事で身につけた待つことや「できた」の基準を明確にする習慣が役に立っています。
何よりも大切なのは、療育者が保護者に寄り添うこと。子どもの特性を理解し、保護者と一緒に子どもをたくさん褒め、時には促し、励ましながら成長を見守る伴走者であることです。
私自身、発達障害のある子どもの子育てに悩んだ時期も長く(というがほとんど!)、特性の違いはあっても悩む親の気持ちは本当によくわかります。
今はもう成人して就職していますが、その当時は
なんでできないの?
私の育て方が悪いの?
他の子はみんなできてるのに
なんで?なんで?
ってずっと思いながら子どもと向き合う日々が続いていました。
だからこそわかること、保護者に言えることがたくさんあると思っています。
当時は個別の療育施設なんてなかったし療育という言葉も知らなかったので、本当に手探りで我が子と向き合うしかなかったのです。あれから20年近く経って状況は少しずつ変わってきています。
昔と比べると便利なこともあれば生きにくさを感じることも多い時代になりましたが、いつまでも過去を振り返ってああだこうだというよりは、みんな「現在(いま)」を生きているので、これからの時間をより楽しく充実させるためにできることを1つずつ、探していきたいです。
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