~アイルランド紀行 vol.6~「ゴールウェイ〜ゲーリック・フットボールと牡蠣と、意外とスイス〜」
語学学校に通うために目指した街は、ダブリンから西に約200km、電車で3時間のところにあるゴールウェイ。
アイルランド固有のスポーツであるゲーリック・フットボール(GAA: ゲーリック体育協会)チーム「ゴールウェイ」の本拠地。
ゲーリック・フットボールは、1チーム15人の対戦で、サッカーのコートで、サッカーボール的なものを使い、ラグビーのゴールのようなH型ゴールにボールを放り込んで得点する。
Hの下の方はネットがあって入れたら3点、キーパーがいる。
Hの上の方はネットがなく、バーの間を通過させたら1点。
選手はボール持って4歩まで歩いていいけどドリブルしたらまた4歩オッケーで、サッカーなのバスケなの?それともラグビーなの?って感じ。
分かるかなぁ、分かんないだろうなぁ。
ということで百聞は一見にしかず。
https://youtu.be/M35-SmxNq9o
日本では馴染みがないスポーツだけど現地の人気はすさまじく、蔵田の現地滞在中、アイルランド全国シリーズでゴールウェイが優勝した時の街の騒ぎっぷりったらなかった。
まるで街全体が揺れ続けてるような熱狂ぶりだった。
その頃はバーというバー、パブというパブで試合の中継がされていて、地元の人とゴールウェイの得点シーンで歓喜の乾杯を、相手チームの得点でため息をつきながらリベンジを誓う乾杯をしていた。
ゴールウェイ、人口約7万人。
コリブ川(ゴールウェイ川)の河口にある港町で、ゴールウェイ競馬場がある。
9月のオイスターフェスティバルには10万人以上の人が集まるとか。
フェスティバルでなくても牡蠣が美味しく食べられる素敵な街。
そこでゴールウェイ・カルチュラル・インスティテュートという語学学校に通い始めた。
クラスメートの出身地は、スイス、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、チェコ、中国、韓国、日本など。
なぜかスイス人率が高く、10人程度のクラスの半分以上がスイス人なんてこともあった。
自然、スイス人の友達がたくさんできて、アイルランドでスイス事情をいろいろ学ぶことに。
「スイスって4つの言語があるんだよね?」
と学校の教科書で得た知識を披露すると、
「いやほとんどスイス・ジャーマン(スイスのドイツ語)で、イタリア語とフランス語は国境近くのちょっとだしロマンシュ語なんてほとんどしゃべってる人いないよ。」
と言われたりした。
「スイス・ジャーマンってつまりジャーマン(ドイツ語)よね?」
と余計な一言を言って
「スイス・ジャーマンとジャーマンは違う言語よ!」
と怒られたりした。
いや自分で「ジャーマン」言うてる時点で、違う言語じゃないんじゃね?
言わんけど。
チューリッヒから来た女の子がバーゼルの男の子に「バーゼルなんて田舎町!」と言ってたり、他のヨーロッパの人たちよりずっと保守的だと自他共に認めていたり、「ビュッフェミューズリー」というシリアルとフルーツとヨーグルトを混ぜたものがみんな恋しくて仕方がないと言ってたりした。
ビュッフェミューズリー(発音しにくい)、家庭それぞれの味があるらしく「ママの作るビュッフェミューズリーが最高なんだよ!」というのは、若者からおっさんまでの完全共通見解だった。
この時点で、スイスに行ったらチーズフォンデュよりもなによりも、その「ビュッフェミューズリー」を食べるぞと心に決めた。
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