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「あたたかな欠片4〜will〜」

雪の降る日だった。 
私たちは、駆け落ちをした。
ホームも線路も雪景色。

言葉少なく、いや、、、なかったくらいで、
ただ目を合わせた。



「・・・一緒になるか。」
と、あの日のふとした言葉。

わたしは、この人と生きていく。

兄弟、親の反対も、2人の未来には勝てなかった。
それでも、わたしはこの人と共に生きていく。

そう決めた。


雪の降る日だった。
2人で列車に乗って、
列車と雪と共にこの故郷から旅立った。


それから何30年以上も経ったある日。
その頃には、わたしにも子供が出来て、紆余曲折の中家族とも少しずつ距離が縮まり、年1回は故郷に帰れるくらいの間柄になっていた。

ふと、兄弟との話の中で

駆け落ちをしたあの日、
家族がふたりの駆け落ちを止めようと
駅に向かっていたことがわかった。

「私たちが着いた時にはもう遅かったんじゃ、
あの時。一本遅かった。」

と、兄は少し苦笑い。

あたたかな苦笑い。


あの時、もし駆け落ちが止められていたらどんな人生になっていたのだろうか。
いや、時期はずれてもきっとわたしはこの人と生きていくためにいろんな方法を模索していたのは、間違いない。 

ただ、若さゆえの旅立ち「駆け落ち」は

(あの時しか出来なかった、、、かもしれないな。)

と、心の中で小さく微笑んだ。


今日も雪が降っている。

ストーブやこたつの上に置いてあるみかん、
まあたたかな空気の中


「ほら、おもちみんなでたべるでぇ。」
母が
集まっていた親戚一同に聞こえるように
大きな声で言った。

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ある人の人生のキロク。
断片的だけど、少しずつ載せていこう。
かけらをあわせて
パズルを完成させる日はいつになる?

*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*

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