キムテヒョンの言葉にならない世界
言葉は分からないことがある方が色っぽい。
テテの作り出す言葉たちはすぐに意味が分かるようには出来ていない。その言葉にはキムテヒョンが詰まっており、キムテヒョンの世界へ誘うための入り口となっている。そしてその入り口を突破するための鍵を探し始める時間から、もうすでに色めき始める。
気付いた時にはもうキムテヒョンの無邪気な罠に嵌ってしまっている。
シンプルな言葉から広がるイメージ。
テテは、言葉がない世界で見つけた、ふわふわ浮かぶイメージを、ギュギュッとシンプルな単語に結晶化してしまうのが得意。
「ボラヘ」もそうだけれど、私が1番好きな好きなテテの言葉の結晶化は、sweet nightの「夜の舟」だ。
「僕たちは夜の舟だった」
こんなにも色っぽく、しかしナチュラルに、プラトニックに、愛も友情も現す言葉が他にあるだろうか。
日射しに照らされた昼間の海ではなく、静かな夜の海。
舟に乗る「人」ではなく、波に直接触れる「舟」そのもの。
夜の静かな海の中で漂う僕たち。
上品さとロマンチックさと心地よい官能を、シンプルな言葉に詰め込んでしまった…テテは天才。
テテの頭の中の世界の美しさよ。
言葉にならない世界を、絵本に登場するような誰もが知っている、幼い子にも愛される言葉に置き換えることが出来てしまうということは、幼い頃と同じ目線を今も変わらず持ち続けられていられるからかもしれない。大人になってから知った言葉じゃなくても、テテの身の回りにある優しいものでテテの世界を描写することが出来てしまう。そこには美しい世界を見続ける「目線の愛」がある。
もうひとつ、空間、時間、言葉の共有を大事にするテテの忘れられない姿がある。
2020年のカウントダウン。NYからのVLIVEだったため、視聴者に映像が届くまで5秒の時差があった。
テテは、なんとかARMYと全く同じタイミングでハッピーニューイヤーを言おうとひとり頑張ってくれた。この時テテが見ていたのは、仕事ではない、言葉では説明できない「ファンと僕の気持ち」の世界だ。
これを真理と呼ばずなんといおう。
このテテの、ARMYと自分を言葉で繋ごうとしてくれた姿は、テテの真心としてこれからもずっと私の中に残り、優しく住み続けていく。