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【vol. 7】UCU Strikes 感じること

UCU=University and College Unions

今月から来月(2023年2月〜3月)にかけて、英国に位置する大学が一体となって、教育現場における公正な労働賃金を求めるストライキが起こされている。

約7万もの教員やTA(=Teaching assistant)が自らの人権、保障されるべき労働条件を求め、賃金が支払われないことを覚悟に授業をキャンセルし、声を上げる。想いを共にする学生も授業をボイコットし、教員陣やTAと連帯する。

ストライキする日は決まっていて、ストライキに参加するか否か、どの日にストライキに参加するかなどは、各人の自由だ。参加する先生もいれば、参加しない先生もいる。

先日、友人から一通のメッセージを受信した。
ストライキに伴い授業がキャンセルされる週に、一緒に海外旅行に行かないかという内容だった。

その翌日、南アジアルーツの教員陣によって組織される”Gender, Marginality and Social Change”というコースの先生のひとりが、「性別における賃金格差」と「人種における賃金格差」という二つの重荷を背負って日々教鞭に立っている旨を学生たちに訴えていた。

その日の午後、海外からの留学生であるTAが率いる、ディスカッションベースの授業tutorialがあった。TAが、その方自身はビザの制限によりストライキに参加することができないと説明してくださった後、授業をボイコットするか否かは本人に任せるが、それをホリデー期間であるとは捉えないでほしいと訴えていた。

落ち着いたトーンで話していたものの、彼女の肉声には、言葉では表現し難い力強さを感じた。

その翌日、わたしは友人からの海外旅行へのお誘いを丁重にお断りし、エディンバラに残ることを決意した。

そして今日、UNU Strikesをエディンバラ大学内で率いるStaff Student Solidarity Network Edinburghという団体主催のストライキの作戦会議に参加してきた。

作戦会議の前、数ヶ月ぶりの友人に出会して、
“oh i havent seen you for ages! do you remember me? how are courses you take this semster?”
と、いつも通り挨拶をすると、

簡単に互いのキャッチアップをした後、
その友人は、
“i havent attended any course this semeter yet due to the strikes.”
と真剣な表情でわたしに返してきた。

  • お気に入りの授業やtutorialがキャンセルされることにたいする不満、ストライキに参加する為に授業を受けることができないことへの不満、その状況を傍観するだけの経営陣にたいする不満

  • ストライキによって授業がキャンセルされた分や、ストライキに参加したことによって受けることができなかった授業の分の学費の返金を大学の経営陣に求める運動を立ち上げないかという提案

  • ストライキを起こしても自分たちにインパクトが何もないから経営陣はびくともしない。だったら、現学長の自宅に向かって行進するのはどうかと提案をする者

  • できるだけ数多くの学生も連帯して、一緒にストライキで立ってほしいというTAの切実な声。視覚的に声を上げる学生の数が増加したことが見て分かれば、意思決定者らによいプレッシャーを与えられるという主張

在るべき教育環境を求めて、自らの教育機会を犠牲にしてまで、真剣な想いでストライキに参加し闘う同世代の学生たちの姿の目の当たりにした。

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エディンバラの夜、強風に飛ばされそうになるのを必死堪えながら、寮に戻る途中、わたしは自分のポジショナリティを再考していた。

この2ヶ月間、わたしは、どんな立場で生きることが一番しっくりくるのだろう。

そんなことをぐるぐる考えながら、今日も眠りにつくのです。

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