中学受験と生理、どう向き合う?!
日本での平均初潮年齢は12歳。小学校6年生は、初潮を迎えることが多い学年です。昨年中学受験を経験したお子さまを持つ保護者5名にお集まりいただき、Bé-A〈ベア〉代表髙橋、自身も中学1年生の娘を持つ商品開発担当中村とともに「受験と生理」をテーマに話し合いました。
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初潮を経て変わる心と体
Bé-A〈ベア〉髙橋(以下、髙橋):本日はお集まりいただきありがとうございます。
Bé-A〈ベア〉は、女性をエンパワーして、社会をよくしていきたいと取り組んでるブランドです。中学受験というのは、女子のバランスが崩れやすい時期とちょうど重なります。心身の成長のゆらぎのさなか、大きな挑戦をする受験生本人と応援する大人の皆さまをサポートしたいという想いで、受験と生理を考える機会を設けました。皆さまのご経験やご意見を発信することで、次世代へつなげていけるものと思っています。
Bé-A〈ベア〉中村(以下、中村):早速ですが、お子さまが初潮を迎えた時期と生理痛など生理で困っていることがあれば教えてください。
Aさん:娘は6月生まれで、小学6年生になってすぐに初潮が来ました。私自身が生理痛が重くて、娘はどうかなと心配していたら、最初からつらそうにしていたので、私のかかりつけの婦人科の先生に相談しました。
定期的に生理が来ていたので、9月くらいから超低容量ピルを使い始めました。今も毎月飲んでいて副作用もなく、血圧も正常で、かなり生理痛も軽減されています。ホルモンの状態も安定していて、娘にはピルが合っていたのかなと思っています。小学校1年生から水泳の選手をしているので、受験前は少し練習を控えていたんですが、受験が終わってすぐにまた選手に戻りました。吸水ショーツやピルを使いながら今のところ順調に過ごしています。
Bさん:うちの子は3月生まれで、初潮が来たのは中学生になってから。まだ1回しか生理が来ていないから今でもまだ落ち着いてはいないです。小学6年生の時には周りの友人のほとんどは生理が来ていて、いつ来てもおかしくない状況だったので、本人は受験の時に急に来たらどうしようと不安そうでした。
バスケットボールをやっていたので、普段からジャージで過ごすことが多かったのですが、面接がある学校の受験では慣れないスカートで行くことに。模試のときからスカートと吸水ショーツを穿いて練習しました。受験は真冬だからタイツをはかせようと思ったんですが、タイツだと体温調節ができなくて暑すぎるということで、本番も吸水ショーツにスカートとソックスで臨みました。
Cさん:小学5年生で初潮を迎えました。周りよりも初潮が早かったのが恥ずかしかったようで、学校ではもちろん、家でもナプキンを隠していたり…。何より比較的大人しくて素直だった子が、生理が始まって人格が変わったように親の言うことを聞かなくなってしまったんです。その頃通っていた塾は、帰りが遅く寝不足が続いていたので、塾を変えて睡眠時間を確保したら少し落ち着きました。
私が専業主婦だったので、ずっとベッタリなのもよくないのかと思い、働き始めて娘と少し距離も取るようにしました。親は勉強のことは何も言わないと決めて!そして、鉄のサプリメントも飲ませるようにしたら、だいぶ性格が丸くなって、朝も起きられるようになったんです。今思えば、意思の問題ではなく、ホルモンバランスの乱れで本当に体が追いついていなかったんだなと思います。
Dさん:中学3年と中学1年の姉妹がいます。下の子は小学6年生の夏に初潮が来て、受験の時期になるまで生理は何回か来ていました。生理痛は重そうだし、生理周期も安定していなくて心配していましたが、1月受験と2月の本番の間に来たので、なんとか乗り切れました。2つ上の姉は中学受験と生理がぶつかるとわかった時に、10日間だけピルを処方してもらい生理をずらしました。
下の子は、毎月生理が来るたびにすごくしんどそうで、つらくて笑えない・ご飯も食べたくない・眠れない…ととにかく落ち込んでしまうタイプ。学校も休みがちですね。今は女子校に通っていますが、学校側はがんばって登校するようにとお尻を叩く感じで。私自身も生理が重く婦人科系の治療も経験していて、がんばれと言われても体が動かない娘の気持ちもわかるので、少しでも楽に過ごせるようにしてあげたいと思い、近々婦人科に相談に行く予定です。
Eさん:初潮を迎えたのは小学6年生の春。ですが、なんとその後半年来ず、秋に来て以来また止まって、中学校に入学した春にやっと再開しました。受験の時は、いつ来るかわからないから、毎日吸水ショーツを穿いていました。これを穿けば大丈夫だよと伝えて。
普段は負けん気が強いのに、生理になると、涙もろくなるタイプですね。ドラマを見ても映画を見ても涙。親に怒られたらいつもは反抗してくるのに、「そんなに怒らなくてもいいのに…」とメソメソ。皆さんのお話を聞いて、早速鉄のサプリメントを飲ませてあげようと思いました。
情報が溢れる時代だから正しい知識を伝えたい!
中村:生理についてお子さまとお話しされたりはしますか?
Bさん:そろそろ生理が来るかもねって話をしたのは、私がBé-A〈ベア〉の生理セミナーに参加したのがきっかけでした。あとは、娘が友達から生理について色々聞いていたみたいで、詳しくわかっていましたね。
Dさん:次女はオープンな性格なので、もう少しで生理が来ると事前申告します。いま“血祭り”だからって。調子悪いのがわかりやすいですね。生理についての情報は、ネットでなんでも出てくるけど、正しくない情報もやっぱりあるからそれは心配だなと思い、産婦人科医の生理の本を渡して、生理痛がひどい時は、薬を飲んでいいんだよと伝えたりしています。
Eさん:娘がスマホで情報を全部調べちゃうんですよね。だから、本を渡して読ませるのはとてもいいなと思いました。また、婦人科に連れて行くっていう方法もあるんだと、参考になりました。
髙橋:男子校で男子高校生対象に生理セミナーを開いたことがあるんですが、それも「ネットやSNSの情報では何が正しいかわからないから教えてほしい」と依頼があったからなんです。実は女の子でも、高校生のほとんどがタンポンを触ったことがなかったり、“過多月経”という言葉を初めて知ったり。「だからつらかったのか!」「だからお腹がすくのか、眠いのか」とそこで初めて知るケースが多いですね。
受験生が生理の不安から解放されるには、大人の理解が必要
中村:受験勉強中に工夫したことはありますか?
うちの場合は、朝の勉強は夫がみていたので、「やる気がない」と誤解をされないように、前もって「娘は生理で、この3日間は集中できません」と伝えていましたね。
Cさん:なるほどねー!うちは言い過ぎちゃうから、親は一切勉強を見ないようにしていました。すべて塾の先生にお任せして、勉強の進捗だけ聞くようにして。塾の先生にも、あまり怒らないでください、と伝えて。塾で成績がよくなくても何も言わないということを徹底していましたね。
Bさん:塾では「この期間は生理だからケアしてください」とまでは、できないところが悩ましいですよね。
髙橋:受験生にアンケートを取ったら、「生理中はだるくて集中できなくて、塾のテストで男子に負けちゃうと思うと涙が出てくる…」と書いた子がいました。生理のせいでこんなふうに思っている子がいるんだな、という現実はもっと知ってもらいたいですね。
一同:切ないねー
Aさん:うちは超低容量ピルで整えることができたので、若干のホルモンの揺れはあるけど、ある程度落ち着いていたかな。夫と小学4年生の弟も、なんとなく「お姉ちゃん薬飲んでて大変そうだな」って多分思っていたと思います。ただ、やっぱり、ピルにはまだまだ偏見があるように感じます。
中学生にそんなもの飲ませるなんてとか、妊娠を防ぐために飲んでるんでしょ、というイメージはありますよね。正しい情報が認知されて、今後意識が変わってくるといいなと思います。
中村:「ピルでPMSや生理の症状が軽くなることがある」という情報を親も子も知らない場合がまだ多いですね。受験に生理がぶつかったら、ひたすら我慢するものって思っている人は少なくないのかも。ピルという選択肢があるということを知っておくことが大切だと思います。
Aさん:自分が若い時に嫌だったのは、先生が女性でも、その人が生理が軽い人だと、「生理痛くらい大丈夫よ」って言われたこと。娘にはこういう気持ちを味わわせたくないと思います。
髙橋:アンケートでも「お母さんが生理が軽くてわかってくれない」 という声が多かったです。痛くて学校行きたくないと言っても「生理痛ごときで行かないなんて!」と言われたという声もありました。
中村:受験生はただでさえ大変なのに、親や先生が労わってくれない状況ってつらいですよね。私たちBé-A〈ベア〉は、セミナーという形で正しい生理の知識を広めるために活動していますが、生理は十人十色なんだということは、大人も子どもも知る機会になってくれたらと常々思っています。
受験生をサポートする塾のカリキュラムの中に「生理になったらこうなるよ」「こうするといいよ」というアドバイスがあったらいいのにと思いますね。母親だけでなく父親にもきちんと知ってもらえる機会になるのかも。
髙橋:スポーツの世界では、生理中はケガをしやすくハードなトレーニングをしても、パフォーマンスが上がらないということで、生理周期に合わせた指導をしているチームもあるんです。受験にも同じことがいえそうですね。
Dさん:例えば、集中できない時期だからこそ、計算問題ではなく違う種類の勉強をしようとか、集中力が続きにくい、万全ではない時にどういうことをすればいいかを親も知りたいです。
Cさん:塾の先生からこの時期は無理してもできないから休憩していいんだよ、と言われるだけで安心しますよね。
中村:体を大事にしながら上手に進めていけたらいいですね。もし必要ならばピルなどを使って整えて、「あなたの実力を出せば大丈夫だよ」と背中を押してあげたい。お尻を叩いて「つらくても頑張れ」ではなく。
Dさん:受験会場はトイレも混んでいるし、漏れちゃったらどうしようと不安になりながらの試験はつらいですよね。
Eさん:うちは塾で急に生理が来て、漏れてお洋服も汚れて。それで怖くなって、それ以来吸水ショーツを穿くようになったんです。
髙橋それが受験当日だとしたら、怖いですよね。
Bさん:受験当日に漏れたりしたら、子どもは平常心でいられない…
Aさん:塾からの受験当日の持ち物一覧に、生理用品って書いてあったかな。すごく細かい持ち物は書いてあるのに…娘の塾では、なかった気がします。
中村:中学受験の世界も、基本はまだ男性ベースなんだなと感じますね。生理のことは表立って語られることがなく、自分で気にしないといけない感じ。
Bさん:昔より初潮が早くなったということもあるかもしれませんね。
髙橋:現代の女性は生涯に約450回もの生理を経験すると言われています。平均12歳で初潮を迎え、閉経は平均50歳です。昔の人の4倍以上も回数が多いのです。生理の回数が多いと病気のリスクも高まることなど、もっとみんなで話して、実態を知っていかないといけないですね。
推薦入試も一般入試もどちらも生理になって、お父様が思わず「なんでこんな日に生理になるんだ」とおっしゃったというエピソードを伺ったことがあります。家族でサポートするべきなのに、知識がないからそうなるんですよね。
男子校のセミナーでも 「え、ナプキンって1日1回変えればいいんじゃないの?」という声がありました。意外と大人でも、1日に何回も変える、ということを知らない男性がいるのです。
Dさん:東日本大震災でも問題になりましたよね。ナプキンの支給枚数が一人1枚でいいという…そんなわけない。
中村:今回の座談会で改めてわかったことは、まずは大人が生理を知ろうと行動すること、ですね。たくさんの選択肢を知って、その中から快適な方法を見つけておくこと。次に、家庭内で話す。子ども自身も自分の体やリズムを知り、男性にも実態を知ってもらって、家族一丸でサポートしていけるようにできるといいですね!
今回の座談会では、受験にまつわる生理のエピソードをさまざまにお伺いすることができ、大変貴重なご意見もいただきました。
受験と生理とは切り離して考えることは難しく、また、決して子ども本人だけで抱えるものではないと改めて感じました。だからこそ、生理によってコンディションや結果を左右されないためにも、それぞれにあった最善の方法を考えることが、大人と子ども、社会全体で求められるのではないでしょうか。
Bé-A〈ベア〉はこれからも、プロダクトの開発や情報の発信を通して、生理によって可能性や願いを諦めることのない社会を目指し、活動してまいります。
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