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#150_【雑記】サービスへのリスペクト

数日前、福島に移住・転入した女性が、ヨソモノ目線で、福島の暮らしの情報を発信する「tenten」さんという団体を知りました。
代表の藤本菜月さんが、福島へ移住し、パートナーの転勤で県内を転々とすることになった経験から、移住者とはまた違う立ち位置にいる転勤族のつらさや困りごとが原体験で、活動をはじめられたとのこと。

サイトを訪れて真っ先に、移住のwebサイトと見比べると、移住と転勤ってなにかが違う、という雰囲気を、直感的に感じると思います。
言葉にするのが難しいですが、さりげなく寄り添っている空気感があるとでもいうのでしょうか。

ネガティブなことが書かれているわけではなく、かといってキラキラな感じでもなく、福島県内での暮らしが「少し」楽しくなるような話題の数々が、20人弱のライターさんによって書き綴られています。
※福島県は日本の都道府県で3番目にデカいので、エリアによって地域性が全然違います。

対馬となんか関係あるの?と思われそうですが、対馬は自衛隊や海保の組織が大きいので、人事異動の時期はけっこうな規模で人が動きます。
そして、振興局(長崎県の出先)や学校の先生も県内で異動しますので、3月下旬の引っ越しの手配はエグいです。
昔は、家族まとめて引っ越してこられ方も多かったそうですが、最近は、子供の教育や親の介護の問題などあり、「単身赴任で行ってきなさ~い!」ということも増えているようです。

私は移住者ですが、母親が市の出張所に勤めていたのと、対馬市役所にいた時の上司が生活まわりのことを手取り足取り教えてくださったおかげで、なんの支障もなく転入手続が済みましたが、いきなり野に放たれても、普通の人はたぶん分からんやろと思い、「対馬生活オリエンテーション」というものを過去に企画しました。
しかし、続かずに挫折しましたが…(-_-;)。

私が飽きっぽい性格だから、といってしまえばそれまでですが、どうしたらサービスが続くのか、ということについて、もう少し根気強く考えてみたいと思いますf^_^;)。


集客の見込み

資料は割と作り込んでいたのですが、一番の問題点は、転勤族との接点が分かっていなかったことでした。なにせ、生活圏が違いますから、どこにいるのかが分からない、だからといって業務時間中に正面突破するわけにもいかない(いまならやりそうですけどf^_^;))ということで、後回しにしていたら時間切れになり、当日を迎えました。
その躓きが、集客の人数だけでなく、参加者への配慮にまで影響したと感じています。
振り返ってみますと、移住者だからといって、転勤族のことが分かるわけではない、ということにも気付かされました。

反響

準備が稚拙だったことが響き、満足してもらえるようなクオリティなものは提供していないと評価していますが、回収したアンケート結果にはかなり凹みました。

  • そんな用事のために、貴重な休日片道2時間かけて比田勝から行けるわけがない(普通に考えれば初歩的な欠陥ですが、北部いる転勤者の規模を完全に見誤っていました)。

  • 託児してもらえる場所がないと参加できない、子供がいる者のことを考えているのか、という内容の長文を提出された(「嫁も子どももいない、さえんおっさんなので、お気持ちが分からず申し訳ございません」としか言いようがありません)。

  • 役に立った内容であったかどうか記述がないので、手応えが分からない(noteを見ていても思いますが、この手の話題は結構なビュー数を記録するものの「スキ」は付かないので(欲しいわけではないのですが、同程度のビュー数の記事に対して極端に少ないので、興味はあります)、役に立っているのかいまだナゾです)。

今でこそ、冷静に受け止められるようになりましたし、zoomなどを駆使すれば手軽に実施できるでしょう。ありがたい世の中になったものです。

しかし、それでもモヤモヤは消えることがないまま数年が経ち、「tenten」さんのサイトを見ながら思い出したのですが、たまたま聞いたコテンラジオさんの番組で「これだ!」と思うことがありました。

意外とバカにできない対価報酬

参加者の言い分はアンケートという形で受け取りましたが、こちらが客層も接点もよく分からない中、手探りで準備していたことは、たぶん知られていません。
そして、客観的に考えても、一個人が企画するような内容ではない気がします。対馬に来た当事者からしますと、自分の意思で引っ越してきたのではないので、買い物や医療の事情など生活に最低限必要な情報くらいまでは誰かが面倒を見ろ、という言いたくなると思いますし、それがあるべき姿だと思います。
とはいえ、行政が主催するとなった場合、民間事業者に対し公平であることに気を遣わないといけないという事情があります。
私は文句を垂れるだけで行動を起こさないのが嫌だったので、半ば意地で実施しましたが、頼まれたわけでもなければ、しなかったところで私が困ることもないので続かなかったのだろう、と思いました。
拝金主義のようで変な感じですが、自分への利益を組み込んでおいたら、「次はどうしたらお客さんが来るかなぁ…」と考えるようになり、続いたのかもしれません。

さいごに

結局のところ対馬生活オリエンテーションが必要とされていたのか、もはやよく分かりませんが、振り返る時に、「客が店を育てる」という話とセットで思い浮かびます。

対価が発生するサービスも含め、応対するのは人ですから、続いてほしければ、正当な対価はきちんと払い、気持ちよく対応してもらえるふるまいを心掛けたいものです。

そして、少なくとも、消費者根性に毒されないようにだけは、気を付けたいものです。

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佐藤雄二_ビーコンつしま
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