あなただけの虹。
前に、人ごみを避けるために、アメリカ独立記念日のワイキキの花火を海から見ようと、スタンダップパドルボードに乗って友人たちと海に漕ぎでたことがあります。
花火が始まった途端、小雨が降ってきました。
そして何とも言えない雲のようなアーチを見つけました。
友人が「moonbow(ムーンボウ)だ!」と言いました。
月の虹です。
なんだか中国映画とかに出てきそうなそびえ立った山の上に現れる雲の帯というか、テレビスタジオなどで使われるスモークがうっすらとちょっと緑と青がかってアーチ状になって見えました。自分の後ろをみればとても明るい月がありました。
ハワイは、Rainbow State(レインボー・ステート)と言われるくらいですから、住んでいる人たちにとって虹はとても身近な存在です。僕が住んでいるマノアという街(2014年当時)は山から運ばれてくる雲の影響で雨がとても多く、一日に何度も虹を見ることがあります。しかもダブルとか、一番多かったときで3つかかってるもの、時には虹の一部分だけはっきり見えていたり、絵でも書いているかのようにすこしずつ形が出来て完成に近づく虹なんかも見えたりします。
去年カウアイ島でのカヌー作りのお手伝いに行った帰りのハワイアン航空の機内雑誌に、虹についての記事がありました。
ハワイアンは虹に関する知識も豊富だったそうです。
サバイバルのためにも、自然やそれらが起こす現象をするどく観察する必要性があったのでしょうね。
海の上でも方角を示すものとして大切な存在で、たとえば、虹は太陽の逆にでるわけだから、太陽の位置がわかる。虹が低く見えるときは太陽の位置は高くにある。アーチの端と端はコンパスで言う間逆にあたる。
緑の虹は、嵐が来る予兆(実際に見たことがある!)、赤っぽい虹は地震の前触れだとか。。。実際科学では証明されていないことが、人々の信仰として強く残っていることって多いですよね。
そういえば大学時代のアフリカの友達は、「虹は2色だ」って言っていたのを思い出しました。日本では7色とかいいますよね?文化によって虹の認識度というか意識の仕方も違うんでしょう。
日本では雨の種類が多いから、雨の呼び方が多いように、ハワイでは、虹の呼び方や種類の認知も多彩。
で、それらに人の気持ちやスピリチュアルな思いが加わるから、虹にロマンをも感じてしまうのでしょう。
ハワイ大学でハワイアンスタディーズのクラスを取ったときの教授が言っていたことがあります。
「証拠を必要とする科学だったり、現代の研究が、伝統や古代の人々の知識に追いつく日は来るのだろうか。過去を知ってこそ未来が来る。」
ハワイにいれば何百、何千、何万回と虹を見ていると思いますが、毎回虹を見るたびに、昔の人たちの思いだとか、パッションが通じるような気がして、センチメンタルになったりします。
機内誌の記事にこんなことも書いてありました。
虹は光と水滴の映像ショーだから、ちょっとでも立つ位置が違うだけで見え方が違うらしいんです。違う場所に立って写真を撮ると形も色も違うんです。
だからあなたが見ている虹はあなただけのものになるのです。
次に虹が見えた際は、ぜひ独占してしまってください!
注:こちらのブログは、Myハワイ歩き方の編集部ブログとして2014年に投稿されたものを一部編集して再投稿しています。