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「マナ」と学びを求めて。

ハワイでは街に住んでいても、車を5分、10分と走らせればどこかしらのハイキングトレイルにたどり着けます。
ダイアモンドヘッド、ココヘッドやマノア・フォールズ・トレイルは有名なトレイルですね。
僕は、オアフ島のマノアというエリアに住んでいる(2014年当時)ので、歩いて5分で近くにあるマノア・フォールズ・トレイルなどに行けるので愛犬の散歩にも行きますし、週末になれば天候を探りながら色々なトレイルに行きます。

ハワイは島なので、通常貿易風の影響をうけるため、島の位置によって天候の影響がまったく違います。
オアフ島の場合、貿易風が北東のほう(アラスカの方面)から吹くため島のウィンドワード(風上)側(カイルアとかカネオへ、ワイマナロのエリア)は雨が降りやすく、そのせいで島中央にある山脈は雨や湿気が多く、緑がとても多くなります。風景はなんだかジュラシックパークにでも出てきそうなジャングルのようですよね。

リゾートホテルの多いコオリナ地域のある西側やワイキキなどは、その逆側にあるために晴天率が高いのです(そういう場所にリゾートを建てる事が多いのはこの理由です)。こちら側のトレイルはとても乾燥していて砂漠みたいに土の多い場所が多いです(ダイアモンドヘッド、ココヘッドとかラニカイのピルボックスとか)。

オアフだと山脈は急な崖になっているところも多く、見える景色のダイナミックさは半端ありません。

所々にストリーム(小川)が流れていてそこで汗を流すために泳げだり、木に誰かがロープをつけてくれていて飛び込めるようになっていたり、楽しみ方はたくさんあります。

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そんな中でも僕が山に行く楽しみはふたつあります。

ハワイ語の言葉に「マナ」という言葉があります。よくロコの人たちでも「いいマナがある」とか口にしたりします。エネルギーとかパワーとかスピリチュアルな意味で使われます。
なんだか文章で書いてしまうとちょっと表しにくい感覚なのですが、山に行くとなんかそういったポジティブなエネルギーみたいなものを感じやすいですよね。
緑はしげっているし、ハワイは火山で出来た島なので、「こんな遠く離れたところなのに木々、生命が育つなんて」と、なんだかとても神秘的な気持ちになります。

よくアメリカ本土に住んでいる友達などから、「ハワイなんて小さい島に長く住んでたら飽きちゃうんじゃないの?」なんて聞かれます。アイランドフィーバー(島の在住者が島から抜け出せないという感情にとらわれ欝っぽくなる状態)なんて言葉もあるくらいです。

でも、なんだかこの「マナ」みたいな感覚が、ハワイにはどこかまだ奥深くに何かが潜んでいる感があって飽きるどころか、更に更に探求したい気持ちにそそられます。きっとハワイが好きな方達はわかる感覚だと思います。

もちろんワイキキのようなところで買い物したり、ツアーバスに乗って名所を回ったり、それももちろんハワイの一部だとは思います。
でもでも、まだまだそれ以上にハワイがオファー(提供)してくれる奥深いものってたくさんあるんですよね、しかも無料で(笑)。

そんな奥ゆかしい「マナ」を感じるスポットがハワイの色々な場所にあるような気がします。

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この上の写真はオアフ島カウアイビーチにいく途中にそびえ立っているオロマナ・トレイルです。とんがりコーンのような峰が3つ突き出ています。途中からはほぼロッククライミング状態。1つ目の頂上からの景色は360度、言葉を失うほどきれいです。ただ崖も多く滑りやすい場所もあるので、毎年亡くなられる方もいるほどです。

海もそうですが、山も相手は自然。天候などの移り変わりもそうですが、常に気をはって注意しなくては楽しみが台無しになってしまいます。

そしてもう一つの魅力と言えば。。。野鳥たち!
山に入ると木々の上でオレンジ、緑、黄色など様々な色の鳥たちがそこらで大合唱しています。(特に朝と夕方!)下の写真の鳥はシャマというのですが、オレンジ色のお腹をしていてかわいらしい鳥です。鳴き声がとてもきれいなんです。こっちが口笛を吹くと、まねしたかのように返してきてくれます。トレイルを口笛吹きながら歩いてると、ひょこひょこっと後をついてきたりしてとてもフレンドリーなんです。ぜひぜひ山に入った際には探してみてください。

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ハワイは自然が多くこういった野生の動物が多いのではないかって思われてる方たくさんいると思います。
でもハワイは火山で出来た島で、大陸からは何千マイルも離れた場所なので、実は野生の生き物というのは本当に少ないのです。だからヘビだとか熊の心配する必要はありません。 時々イノシシとかクジャクなんかと遭遇はしますが。。。それに、木々や花たちもユニークなものがたくさん目に入ってきます。

昔、ポリネシアンの人たちがカヌーに乗ってやってきた時に持ってきたとされる植物、生き物がハワイでは多いんですね。ジンジャーのようなカタチをした’Awapuhi(アヴァプヒ)という植物はかつてカヌーに乗っていた人たちやハワイアンがシャンプーとして使っていたらしいです。一度いただいて使った事があるのですが、数日間髪の毛がものすごくしっとりしました。グアバだとかアボガド、マンゴなんかも歩く道沿いにあったりします。

今ではハワイ独特のネイティブの植物や動物は、人によって持ってこられた外来種によって影響を受け、かなり減ってきています。それでも今はそれらを守る活動も各地で行われています。目を凝らしてネイティブの植物なんかを探しながらのハイキングも楽しいです。

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これはハワイのネイティブのロウル(Loulu)と呼ばれるやしの木です。ワイキキなんかで見るやしの木よりは、葉っぱが広いのではないでしょうか。かつてはマット(ござ)や家の屋根作りに使われていたらしいです。

ハワイは島だからこそ、すぐそこらで自然の恵みと大切さをまじまじと感じられるんですよね。山脈がなければ雲が止まって雨を降らせる事もなく作物も作れないだろうし、森がなければ雨はそのまま海に流れます。途中の街で小川の水が汚れればそのまま海も汚れます。僕たちが食べる畑や海にいる魚たちにも影響が出ます。もっと大きく言えば、この場所に火山活動が起きなかったらこの島々さえないんですからね、岩が土になり、そこに木々が育つ、そして動物たちがやってくる、ハイキングをしながら、そんな工程を考えるだけでもそわそわしますし、地球は本当に深いなって思わせてくれます。

たかがふらっと行けるハイキングでも、そんなことを学ばせてくれる場所でもあります。 次にハイキングいく機会があったら、そんなことを考えながら足を運んでみてください。

注:こちらのブログは、Myハワイ歩き方の編集部ブログとして2014年に投稿されたものを一部編集して再投稿しています。

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